■ショートパネル「ピアリング past, present and future」(15:05-15:50) o パネルチェア 荒野高志(インテック・ネットコア) o パネリスト 石井秀雄(アジア・グローバル・クロッシング) 石田慶樹(メディアエクスチェンジ) 伊勢幸一(スクウェア) 水越一郎(NTTコミュニケーションズ) o logger 渡辺 英一郎 (NTTコミュニケーションズ) 菊池 之裕 (インターネットマルチフィード) --------- ■ピアリングについて(荒野さん) パネルの内容 ・Peeringの過去、現状(荒野さん) ・コンテンツプロバイダとして(伊勢さん) ・バックボーンISPとして(石井さん) ・データセンターの立場として(石田さん) ・大手キャリアとして、全体を総括(水越さん) ○ピアリングの歴史 ・みんなが対等 - 1996 ・世界のTier1が拒否しはじめる 1996-7 ・IXが混み合い、まともなトラフィック交換のためには private peerが必要となった。 少し遅れて、日本でこの動きをフォロー ○クライテリアの変遷 - 東西45Mと主要IXにつながっているのが条件 だんだん変わってきて - 海外展開が条件 - コンテンツに早くつながること - トランジットが条件/ペイドピアなどもでてきた - 資本関係、ビジネス関係で断れない事例もあり しかし、NDAの中で実態はわからない。 石が飛び交うのは承知の上で、Openに議論しましょう。 ----- ■スクウェア 伊勢さん発表 コンテンツビジネス上のピアリング コンテンツプロバイダとしての立場から - 有償コンテンツと無償コンテンツをもっている。 - 有償コンテンツ -PlayOnline - 自前サーバ&自前ネットワークをもつ。 - 無償コンテンツ - CDNを一部利用 ○ピアリングとは? (既得権者or 常識的見解として) ・トラフィックの往来が半々 → コンテンツプロバイダは射程外 ビジネス的な理由から、トランジット買え ・コンテンツを受信する側 受信のための料金をとられる。 ・コンテンツを送信する側 送信のための料金をとられる。 → ISPは両方からお金をとっている構造 ○PlayOnlineでかかえている問題 ○問題1 ・通信費が運営コストを圧迫 →これは別の機会に ○問題2 ・特定のISP配下から問題が発生した ・コンテンツプロバイダ側: トランジットまでは問題なし ・アクセスプロバイダ側: ユーザエンドから上位アップリンクで問題なし ・では途中がどうなっているのか? → 問題解決できない AS Pathが長すぎると訳がわからない。 → ピアリングしましょう。 といった流れ ○問題3 ・データセンタのトランジット1本で運営 ・急なトラフィック増→増速が必要となるが..... 増速に15営業日、したがって、土日3回を含む 3回某掲示板に書かれる。 → 精神衛生上悪い(笑) →ゲームを提供する側からすれば、納期は3日でほしい。 ○ピアリングの考え ・アクセスレベルのボーダールータから  コンテンツプロバイダのボーダールータの接続 ・トランジットコストの削減 ・障害発生時の連携 タブー領域の除外 AS別、ISP別トラフィックの管理 現在: トランジット率 60% ピアネイバー 20以上 年度内に30%以下を目標 IXを介さない直Peer化 → IX経由だと、各ISPごとのトラフィックが把握にしにく 障害対応 →2ホップからエンドエンドまでの検証ができる。 ○ コンテンツプロバイダは、、 ピアしてもらえない。 ピアリングをコーディネートしてくれるならお金払います。 ---- ○技術とは 人間のためのものである。 ・気持ちいい ・おいしい ・感動させる ものでありたい。 -------------- ■ AGC 石井さん発表 ○Peering について ・昔は飲み屋で"peerしようよ"で実現できた。 ・最近は...Peerが多すぎて管理しきれない。 →Policy化 ・だれとPeerするとうれしい? 経路がUS周りになってしまう人たち - 新規のPublicは全面中止 - IN/OUTのバランスをとって、適正なBackBoneのアップグレードをしたい。 ○日本はどうか。 - 大きなISPはピアしなくなった - Transit ISPとしてピアする意味があるのか。 - アジアもしくはGlobalな経路を吐くので、そう簡単に Peerできない。 → フリーでトランジット提供になってしまうため。 - 最近、Peeringの決定権がProductチームにも広がった。 → ポリティカルなissueがふえた。 - ん〜、やっぱり難しい...。 --------------- ■ MEX石田さん発表 -Public resource - DCの立場からのピアリングについて ○ピアリングを積極的に進める価値はある。 - カスタマがトラフィックを好きなだけ流せる環境を提供 - そのためには多くのISPとピアリング ○MEXのピアリングポリシー ・「ミラー・ポリシー」 - 基本は相手にあわせる - 結果的にフリー ただし、例外あり。 - 海外と法的なAgreementをするばあい、時間がかかる。  → 日英翻訳・法務的問題 - カスタマが絡む場合 カスタマとピアをするのか?  営業が絡む場合 ○制限つきISPに思うこと ・自分たちの顧客やエンドユーザへの説明責任を果たしてほしい   → デメリットは自らの手で解消してほしい。 ・有償ピアリングでもいいが、値段なりの価値をつけてほしい → トランジットより少し安いだけではなぁ、、、 ○Public Resourceとピアリング 最近比較的Openの場で言っていることとして - Public Resource インフラを構成するサーバ群のこと(例:JPセカンダリ) 「Public Resourceを抱えたISPは少なくともその Public Resourceに関して、ピアリングを制限してはいけない」 ・理由 Public Resourceは営業ツールではない 人質にするのか。 --------------- ■NTTCom 水越さん発表 ・国内での話 ・エンジニアリング vs ビジネス 国内はやすくていいから、、 ・peeringの合意(始まりのころ) とにかくつなごう。 ○最近の状況 ・エンジニアリング側から アプリケーションの種類が変わってきたので、近くでつなぐ必要 ゲームであるとか、P2Pとか、 つながってるだけではなく、とにかく近くに ますます重要になってきている。 ・ビジネス側から 客になってた奴がもっていく、 敵に塩をおくるのか そのうちこっちにくるさ、、 また、海外より東阪のほうが、高いという現状になっている。 ・結果 儲かってないからあまり強くいえない。 現在、「衣食足って礼節を知る」の反対の状況になっているのでは ○余談 すみわけがされているもの同士は peeringしてもビジネス的にコンフリクトがない ・例:コンシューマ向けISP - iDC ○何か忘れてない? ・このままいくと Min/Maxゲームの生きすぎでデススパイラル? ・商売の基本 - 自分のお客様を満足させる - 業界全体の発展 - win - win関係の樹立 ・通信事業は世のため人のため ・(個人的に)みんながつなぐようにしてほしいな ○そのために ・景気回復 いちばんいい ・マーケット淘汰 多少はいいかな ・行政介入 いいことはないかなー ということで ぐっとくるアイデア募集中! ------------ ■ Q & A ○Public resourceについて Q. Public resourceについてどう思うか (BBX西野さん) 具体的には、jpセカンダリなどがある JPセカンダリの所属するprefixだけなど、重要なものだけ流すようにできないか。 A. JPRS 森下さん: JPセカンダリ(nameserver)は、(歴史的に)1993,1994頃に海外トランジットを 持っていた所に置かれている。 当時は、BestなSolutionであり、それがそのまま現在に至っている。 西野さんの所で質問があったが、安定のため置く場所考えるとか JPを安定するためには、、(JPセカンダリが)人質になるのは ちょっと違うこと、あってはいけない 今JPセカンダリおいているところはISP数箇所 そういうところに対してJPRSがどうするかよりも 今後どういう形にして、JPを安定させるのかが仕事 あまりにもひどいことであれば、問題であり、 持ち帰り検討する。 ○ピアリングについて Q: 水越さんの方で、行政介入という方法があるとありましたが、 電気通信事業法で総務裁定というのがある、ピアリングうまくいかなかったら 一回やってみようかと考えている。業界は行政を嫌うが、皆さんのご意見を伺いたい。 (BBX 西野さん) A: USはFCCが対応している。 明示的な基準とそれの公平な適用が求められ、訴えられる可能性もあるらしい (荒野さん) A: 行政介入はないと思ったほうがいい、 よっぽど問題(災害などでreachabilityが確保できないなど)になったとときか、 どうしても必要になったの場合だけである。 一種事業者間でもありえず、二種では不必要、したがって、そこをポイントしても仕方ない。 (インテック・ネットコア 近藤さん) C: 一種の場合 同じクオリティを出す制約は かかるのか かからないのか 相互接続と同じような形でピアリングをかんがえなければいいのかわからない。 (J-Phone 関矢さん) Q: 相互接続義務についてはどうか? (荒野さん) A: 対価はとれる、internetに関して、なあなあである。 業界としての姿勢ができていないというのがある。 (J-Phone 関矢さん) ------------------ ■パネリストよりまとめのコメント ・伊勢さん J-phoneの方が言ったように、あまねくTier1のようにpeeringするとなると難しい 世の中平等でなくてはいけない理由はないが、すべて平等だと先に進めない。 何かを打ち破らなければならないのではないだろうか。 また、ICPだと対等にpeering交渉ができない。 3年先も給料もらいたいのであれば、昔の慣習を見直ししたほうが良いのでは と考える。 ・石井さん 平等にできるのであれば全部ピアリングしたい。 しかし、行政介入は嫌。 いま、積極的にピアリング推進派としない派に分けると、私はしない派に属する。 ピアリングのリクエストは特に来ていないので、 今は必要ないのではないかという現状。 日本は米国の流れを引き継いでいるのでPublic peerはなくなってくると思う。 日本もそのうち(すでに接続されている)ピアリングを切り出すのではないか、 ピアリングはビジネスになってきている。戦略的にピアを組んで行きたい。 ・石田さん: 戦略的にということで、最近思っていること 某大手ISPがFreeピアリングを始めると、日本のビジネスモデルが崩れる のではないかと思っている。 ということで水越さんへ>>水越さん (場内笑) ・水越さん: Freeピアはしたいけど無理だなぁ。 つながらなければいけないというわけではない。 誰がいくら払うかという問題は、マーケットから言われるのが正しい。 現在文句をいっているひとは(peeringしないところの)客から文句を いわせるのがいいかと考えている。困っているお客さんからの主張が一番。