1.Title :密かに進行する米国のIPv6 2.発表者:藤本幸一郎さん(NEC America Inc.)   記録者:塚田一雅(NTTCom) 3.発表日/時間:2003年1月24日13:00〜13:30 4.発表の焦点、論点、議題  米国のIPv6に対する取組み状況や意識度合いを各組織、機関、企業の  例を交えながら説明。全般的にマーケットの模様眺めという感じ。だが、  v4で獲得したマーケットを失わない為に準備はかなりまじめに行っている。  日本はIPv6で一生懸命取組んでいる。でも今のアプローチで本当に飯  が食えるのか?  このJanogというコミュニティから何らかの発信ができるのか?  我々が時代を変えられるのか??  いっそのこと「ぶいろく」に名前を変えて、違うものを入れていくとか???  この辺りについて議論したい。    −米国の現況について  ・キャリア   ここ1〜2年で行動する必要は無い。v6の為のエンジニアを置く余裕が無いし、   ちょっと後ろ向きな感じ。  ・政府組織   調達の為の状況調査を行っている段階。   サポート力、新技術に対する提案力、戦略が調達ベンダー選定のキーになりそう。  ・ワシントン州のOS屋さん   v6は必須技術であると断言。どっと○ET戦略のキーテクノロジー?  ・ベンチャー(チップ屋、ソフト屋、測定機屋、ツール屋、部品屋etc.)   動くかどうかは分からないが、概ね対応完了。  ・ISP/IX   ISPはあまり多くないけど、IXはほぼ対応完了。というかL2なので。   (でも接続相手がつながっているかどうかは別にして。。)  ・Nanog   メインセッションでも随分取り上げられているが、商用ベースの話になっていな い。  ・IETF   議論は盛んだが、運用のにおいがしないね。  ・IPv6Forum   欧州が先導、日本追従、米国はベンダーがおつきあい。 −日本と米国のv6に対する温度差  ・日本   マーケットに先行してサービスを開発。   皆で推進!!   ISP・政府主導で、ベンダー後追い  ・米国   マーケットが要求した段階で、しっかりサービスが投入できるようにしておけば いい。   それぞれが自分のビジネス領域でやればいい。   ベンダー主導    5.質疑応答 Q.マイクロソフトはサイトローカルを使いたがっている? A.良くわかんない、でもまじめにやっている感じ。 A.マイクロソフトのブライアンさんは、やりたがっているみたい。 A.マイクロソフト内部でも部門間で意識差があるような? Q.Internetweek2003では、ベンダーより家電メーカが頑張っていた。米国の家電メー カとかはどうですか? A.ベンチャーが中心、大手はやっていない。欧州は実験ベースでいろいろやってい るみたい。 Q.日本のようなとりあえずv6使ってマーケットを広げるような動きはないという 感じですか? A.米国は全く逆で、v6になる時に、v4で獲得したマーケットを失わないよう、 人に取られないように対応している。 Q.プロトコルスタックへの影響は? A.根が深い問題。ipレイヤをいじくると、影響範囲が大きすぎる。かなり時間が かかると思う。 Q.私はキャリア対応をしていますが、最近キャリアのエンドユーザからv6対応を 求められている。今のエンドユーザは、v6で何をしたいのか?対応遅れが怖い というだけですかね? (司会)キャリアさ〜ん!! A.・・・・・・ Q.米国では、キャリア/ISPの苦しい状況を背景に、v6というよりも新しいこ とに対する取り組み自体が沈滞していると感じている。   米国は、v6以外の新しい技術に対する取り組みを行っているのか?そのあたり を教えて欲しい。 A.ビジネスがうまくいっていないので、今の状況を何とかしようと考えているよう だ。例えばオペレーションコストを下げる為にこういうものを開発していますと か。新しいことをやるというよりも、現状を少しでも良くしよう。そういうとこ ろに注目が集まっている。   ただ、日本はIPv6に注力しているからといって余裕はあるか?というと違う。 6.ロガー感想 v6無知&無関心な私にとって、v6を取り巻く背景が分かりにくかったが、米国企 業のしたたかさと日本側関係者の現状に対するもどかしさを感じさせるセッションだ った。 このミーティングに参加したメンバーは、v6をチャンスととらえているのか?仕事 が増えてしんどいな〜と考えているのか?オペレータ・エンジニアの本音はどちらな のでしょう? かというキャリア系営業の私にとっては、後者の方が強かったです。 1年〜1年半後のJanogミーティングでv6がどのような状況になっているか、 v6祭りの勝者は誰なのか大変楽しみです。