コーディネーター 中村 素典/京都大学 パネリスト 山井 成良/岡山大学 安東 孝二/東京大学 北野 利治/ディープソフト株式会社 Title: SPAMメール対策の現状と課題 概要: 電子メールはWWWと並んでインターネットにおいて最も普及しているサービスの1 つであり,多くの組織では自組織の利用者のためにメールサーバを運用している. 一方,電子メールはセキュリティ上の問題の多いサービスの1つである.特に, SPAMメール(多数の利用者に一方的に送られる広告などの電子メール)の蔓延は大 きな問題になっており,その対策は重要である. SPAMメールへの対策手法として,これまでに様々な方法が考えられ,そのうち の一部はソフトウェアプロダクトやASPでのサービスとして実用化されている が,SPAMメール発信者の手口が巧妙になってきており,いたちごっこの様相を 見せている.特に,最近では日本語,中国語など英語以外のSPAMメールが増加 してきているのに対して,現在のプロダクトやサービスは主に英語のSPAMメー ルを対象にしているため,十分な効果が得られていない. 一方,SPAMメールによる別の深刻な問題は,発信者アドレスの詐称に起因する 自組織メールサーバへのサービス不能攻撃である.例えば,平成13年10月に国 内で発生した事例では17万通のSPAMメールのうち15万通がエラーとなり,この エラーメールの集中により詐称された発信元のメールサーバが12時間に渡り停 止するという障害が発生している.このように発信者詐称SPAMメールは運用上 極めて深刻な問題が生じるにもかかわらず,他組織の利用者が発信者アドレス を詐称してSPAMメールを発信すること自体を防止することは事実上不可能であ り,その対策は現在も事実上手付かずの状況である. 本セッションでは,上記のようなSPAMメール対策の現状と問題,並びに各パネ リストが開発中の最新の対策手法について説明し,これらの手法の有効性,実 用性あるいは評価方法などについて参加者と意見交換を行い,更には参加者に 評価実験やその結果に基づく改良・開発などへの協力を呼びかけたい. 発表時間: 60分 今後の検討課題として議論したい事項 ・提案手法の有効性・実用性 ・提案手法の評価方法 ・提案手法の改良・開発への協力方法