1. タイトル JPRS Update 2. 発表者 民田 雅人 (JPRS) 3. ロガー 松本 拓也(株式会社インテック・ネットコア) 4. 時間 2004年 1月 30日 14:30 - 15:00 5. 発表の焦点、論点、議題 最近のJPRSの活動内容の報告と、コメント募集が主な趣旨である。 6. 発表の流れ ◎はじめに ・自己紹介 過去にはISPや証券会社にもいましたが、 現在、JPRSでDNS相手に戦っていて、DNSがものすごく奥が深いということが分 かった。 ・B.ROOT-SERVERS.NETについて JANOGのMLでも話が出ているが、B.ROOT-SERVERS.NETのIPアドレスが変わってい る。 2年間は旧アドレスでも併用で運用されるので、忘れない程度で更新する必要が あります。 ・Agendaは以下の通り。  JP DNS Update  ENUM トライアルジャパン(ETJP)について  日本語JPナビ(仮称)について ◎JP DNS Update 前回JANOG12のときにJPのネームサーバをa〜f.dns.jpに統一する話をしたが、 2003年8月までに統一が完了している。 9月にJPRSで運用しているa.dns.jpがクリティカルインフラとして 新たなIPアドレスブロックとAS番号の割り当てを受けた。 今年に入って、a.dns.jpはBGP、d.dns.jpはIGPによるAnycastの運用が開始した a.dns.jpは新たにIPv6での運用が開始。 ・JP DNSでのAnycast Anycastの運用に伴ってアドレスが変更 d.dns.jpのv6アドレスは前のまま。 a.dns.jpは東京と大阪。 d.dns.jpは日本国内に2箇所(場所は公開できず) 2004年1月28日にrootゾーンが更新されている。 ・a.dns.jp 内部は全て二重化され、ロードバランスされている。大阪と東京にノードがあ る。 ・d.dns.jp IIJさんのバックボーンを利用。US内、国内にそれぞれ2ヵ所ノードがある。 ・JP DNSの今後 Anycastの展開、計画の「け」の字程度で、まだ全く未定だが、ヨーロッパやア ジアへの展開も考えている。 6実装とあと1つのAnycast運用を予定。 a〜f.dns.jpが全てAnycastになるわけではありません。 a.dns.jpがつながっているIXにつないでいる方はPeeringをお願いします。 ◎ENUM 前回のJANOGでJPRSの藤原さんから説明があった。 電話番号の順番を並び替えて、間を"."で区切って、e164.arpaをつけてDNSに登 録し、ドメイン名に対してサービスを提供する技術。 ・ENUMトライアルジャパン WIDEプロジェクト、JPNIC、JPRSを中心に設立した、ENUMに関する技術検証の場 で、現在42会員で個人も参加している。 ・主な活動 2003年5月17日に設立。 全体会議を3回。 海外のENUMトライアル組織との交流。台湾、オーストリアや韓国の方などと。 これまで主な成果、アプリケーションの動作確認など←プレゼン用確認 ENUMレジストリーシステム、ENUM用のDNS、IW2003で展示。 趣旨に賛同できる会員ならば誰でも参加できるので、 興味のある方はhttp://etjp.jp/をご覧下さい。 ◎日本語JPナビ 現在、Webでパブリックコメント募集中 歴史を紹介。 2000年11月 現在、45000ドメイン ・現状 登録者は日本語ドメインを積極的に利用したいが、 ブラウザ対応してないので、活用できてない状況。 日本語ドメインなんて・・という人も ・これを見て考えが変わった。 http://お年玉.jp/ http://otosidama.jp/ ・JPRSとして 日本語JPドメイン名を活用して欲しい。 メディアなどを通じて、 ・日本語JPナビの目的 日本語JPドメイン名に対応したブラウザが普及していないために、 日本語JPドメインに対応したURIになぜアクセスできなかったかが 分からない場合があるなど、色々な問題が生じる。 これらの状況を解決するのが日本語JPナビである。 ・日本語JPナビの搭載イメージ 現在はエラーページが表示。 日本語JPナビがあると案内が表示される。 ・効果 アクセスする方法が分かる。 登録者がブラウザをユーザが入れているかを気にする必要ない。 標準外のDNS問い合わせやWeb接続要求が減少する。 ・概要 ドメイン名登録者が希望した場合、日本語JPドメイン名をUTF-8でエンコードし JPゾーンに登録。 ユーザーがhttp://日本語.jp/を入力すると、特定のWEBページが表示される。 ・ページ案 作っている最中のページの案を説明。 ・JPゾーンにどういうレコードを追加するか? 日本語.jpをUTF-8にエンコードして、頭にwwwがついているものとついてい ないものに関して、AとMX を登録。 接続関係があるので、AAAAは利用しない。 基本は1ドメインにつき4レコードだが、 英文字が含む場合は、 半角、全角大文字、全角小文字にしたものなどを入れ、12レコード。 数字を含む場合は、 全角、半角で8レコード。 ・DNSでの8bitラベルの扱いについて。 本当に動くのはk?規格としては8bitはOKだが、 実績はないに等しい。 RFCに記述されている。 ・8bitラベルの調査内容 AやMXRRを保持できる。 ・調査結果 一応問題になるものはなかった。 キャッシュとして稼動するもの BINDはダウンロード可能なものを全てテストした。 UTF-8ならばOKだったが、UTF-8でない8bitで問題。 ・SMTPについて 単純にaだけ登録すればできちゃう場合があるので、存在しないドメインを設定 し、即座にエラーになるようにする。 ・SMTPサービスは立ち上げないようにした。 メールの送信元と送信先が記録できちゃうようになるかもしれないので。 ・ #技術的に DNSでUTF-8はどうやって使うか? digの場合、バックスラッシュに続く3桁の10進数で任意のコードを表記可能。 バインドのゾーンファイルも同様。 ・スケジュール 現在パブリックコメントを募集中。 2/6がご意見、ご要望の締め切り。 2月中旬にご意見、ご要望に対する回答公開、実施是非の判断を行う。 ◎Q&A (1) 国武さん@Anchor Q. 技術的なことではなくて。お年玉.JP、確かに見やすい。家で、あれ、年球 だけが漢字だったっけな・・   ひらがなつかったっけな・・どれなんだろみたいな。全部押さえておく必要 があるのか?大変かなと。 A. 実際登録されている人がいる。   実際はローマ字でしかアクセスできないというものある。 (2) 西野さん@IRI Q. MXはJPRSの方で適当な使えないところを使用するが、自分で表記することは 可能か? A. ここのところはJPRSでやるということです。 Q. 別のもっているドメインで、.netや.comなどに書きたいなみたいな。 aの方はうまくいくって、間違っても自分のマシンまで届けばいいなみたい な。 A. 今の所考えてません。 まとめ ・JP ネームサーバの整備・統一化が行われ、とIPv6のAnycastサービスが始ま った。 ・ENUMに関して活発な実証実験や海外との交流が進められている。 ・日本語JPナビの準備が進められており、コメント募集中である。 ・JANOG会場の反応は概ね肯定的である。 7. 感想 JPRSがどのような活動を行っているか、よく理解することができた。 JP DNSや日本語JPナビなど、JANOG会場から色々な突っ込みがされることを予測 していたが、意外なほどなかった。これらのJPRSの活動に対して、オペレータは 概ね肯定的であることを示しているものであると感じた。