-------------------------------------------------------- 題目 :経路情報による最短経路が真に快適な経路なのか? 発表者 :荻野 司(Fastnet,Inc.) 記録者 :川田 靖(大阪メディアポート株式会社) 時間 :1999年12月14日(火)15:00 〜 15:28 ( 目的 ) 本発表は、広域に分散されたWebサーバにおいて、例えば、 オリンピックのサーバのような時に、最適なWebサイト、 サーバを見つけるための研究を行っている過程で、BGPの 経路情報におけるASパスがどの程度、最適な経路なのか、 BGPの最適パスはどれほど信用できるのか、 → 実際にWebアクセスが快適なルートと同一なのか → 実際にデータ転送速度が速いのと同一なのか なにが最適なパスなのか、 実際のデータ転送時間とAS-path、Traceroute、Ping などの各種パラメータを計測し 両者を比較、考察する。 ( 実験内容 ) ・サイズの等しい2つのGIFファイルをはりつけたWebページを用意。 ・2つのGIFファイルはそれぞれJPN側サイトとUSA側サイトで用意。 ・クライアントからWebページにアクセスがあると JPN側、USA側サイトからそれぞれのイメージがダウンロードされ、 各々のサイトで転送時間を計測しNSSに情報を保存。 ・それと同時に各々のサイトのNS-PがAS-path、RT(Router Hop)、 RTT(Round Trip Time)を計測し、情報を保存。 ・取得したデータの中でFireWallやfilterに かかったものは有効データより除く。 ・あくまで実験で得られたデータ転送時間が真であると考える。 ( 結果 ) ・実験は2回行う ・実験1についてはJPN側とUSA側のマシンスペックが違った。 ・実験2については全く同じマシンスペックで行ったが 結果は1回目と変わらず。 ・実験2の結果より ・AS-pathの正解率が52.2%となっているが、 測定したポイントが2地点しかなかったため、 確率的に出た数字のようで疑問をもっている。 ・但しRTTでは70%の正解率が出ている。 ・AS-pathとRTTの両者の結果をあわせれば 結構信頼できるようになりそう。 ・時間別に見た場合 ・結構AS-pathの正解率が変化する。 ・PINGも時間が遅くなっていくほど上がっていく傾向がある。 ・同じ時間帯でも日によって結構変わる。 ・理由はわからないがAS-pathの正解率が 11時以降に少しだけあがる。 ・同じ時間帯でも日によって結構変わる。 ( 質疑応答 ) ・データサイズは? → 10Kbyteもない。 ・データサイズによってはかなり実験結果が変わってくるのでは? → 今回は小さいサイズしかはかれなかった。 ・行きと帰りの経路については何か考えているのか → サイトとクライアント間はまったくわからないものとした。 そういうことを考え出すと統計的にはぼろぼろになりそうだったので、 そのあたりについては目隠ししてまずデータをだした。 ・AS-pathを2つとか3つに限定すれば正解率があがるのでは? → というより、サイトのASNがわかれば結構推測可能となったりする。 ・AS-pathとRTTを組み合わせた正解率とかは出したのか? → 今回は別々にやった。 データがあるので、それは可能なのでやってみます。 ・正解率の算出の3番目の条件がきびしすぎると思うが、 ここだけでどれぐらいの割合があるのか知りたい → 出していません。 ( その他 ) ・今回の研究については これだけのために行った研究ではなく 別の研究の中でたまたま得られた実験結果。 ・実験2のデータ集計日数 (スライド No.17) 5日間(間違い)→ 8日間(正解) 以上です