------------------------------------------------------------------------------- プレゼンテーション名: Traffic Engineering and MPLS 時間: 2000/12/21(Thu) 11:45 〜 12:20 発表者: 李 述 (shuli@uu.net) 記録者: 今泉 毅雄 (imaizmi@ctc.ad.jp) 内容: トラフィックエンジニアリングとは? あるソースからデスティネーションまでのトラフィックの流れを コントロールすること。 なぜトラフィックエンジニアリングが必要なのか? 冗長性・容量・リソースの有効活用。 特にこれらを同時に満たすために必要。 冗長性 ネットワーク構成が複雑化している - 冗長性があっても、トラフィックを分散させないといけない。 - どのトラフィックをどのルートで流すか考えないと。 容量・リソースの有効活用 ルータ間に複数のリンクがある - 速度の異なるリンクで、どうやって回線のトラフィックを有効に流すか。 - それぞれの速度のリンクをできるかぎり有効に利用したい。 トラフィックエンジニアリングの最終目標 - 冗長性は確保したまま - 有限なリソースを最大限有効に利用すること。 - サービス品質の向上 IP レイヤでのトラフィックエンジニアリング IPレイヤではルーティングプロトコルのコスト(or メトリック)でしか選択できない。 個々のルータが経路選択をしている。 リンクのコストを変更すると、すべてのトラフィックの流れが変わってしまう。 ルータが増えてくると、コストの変更ではトラフィックの制御はほとんど無理。 今までのトラフィックエンジニアリング Frame Relay/ATM スイッチの PVC を使う。 - 物理構成によらない(PVC ベースによる)論理パスにマッピングできる。 - PVC を設定し特定ルータ間のトラフィックを迂回させることが可能。 - FR/ATM スイッチの re-route は IP レイヤに比べて速い。 - PVC はスイッチの機能で帯域を保証される。 ケーススタディ 日本国内のバックボーンを例として - たとえば、福岡 - 東京間のトラフィックのみを名古屋経由にすることで、輻輳 解消することが可能。 - バックアップとして 大阪 - 東京ルートを設定することも可能。 - ロードシェアも可能。 JPIX と NSPIXP2 別のルータに接続して二重化したバックボーンを例として - トポロジーが対称ではないので、リンクのトラフィックは通常バランスしない。 - ATM Switch の導入で論理的に対称な構成となり、バランスさせることができる。 UUNET の例 UUNET では冗長性確保のため、完全二重化したバックボーンネットワークを 構築している。 - いままではこれらを FR/ATM を使ってロードシェアさせていた。 MPLS を使ったトラフィックエンジニアリング MPLS を使うと、ATM Switch を使う前と同じネットワーク構成でも、トラフィック エンジニアリングを実現できる。 なぜトラフィックに MPLS を使うのか? 機能は同じなのに、なぜ ATM Switch でなく MPLS を使うか? - 高速なインタフェース(OC48/OC192)が使える。ATM I/F にはない。 いろいろなインタフェースで使える。 - ATM オーバヘッドがなくなる。 - ATM ネットワークを構築しなくてもよいので安価になる。 - IPレイヤ と ATMレイヤの2階層でなく、IPレイヤ だけ考えればよいので、 運用管理が楽になる。 - 運用が楽になると運用できるエンジニアが増える。 MPLS によるトラフィックエンジニアリングの実際 トラフィックバランスのパターンが増える(某J社の CSPF にて) - 一番すいているパスを選択する。 - 一番混んでいるパスを選択する。 - もちろんランダムも選べる。 - BGP でもロードバランスできる。 バックアップパスが設定できる。 バックアップパスへの re-route - RSVP によるパス障害の検出は 10秒以内 と早いため、 re-route が IPルーティングプロトコル より速い。 MPLS TE v.s. MPLS VPN 高速インタフェースでトラフィックエンジニアリングできるのはMPLS だけ。 VPN は MPLS 以外にもいろいろな選択肢がある。 - FR/ATM, IPSec, ... MPLS in Future IPv6 の実現がしやすい。 - バックボーンは IPv4 ベースでも、MPLS(GMPLS) VPN を使えば IPv6 ネットワークを構築できる。 Q&A Q:RSVP ではセカンダリパスをあらかじめ設定しておくのは帯域を確保されて しまうのでうれしくない。fast re-route に任せるほうがうれしいのではないか? A:UUNET の話はちょっとできませんが... 一般論ではバックボーンしか LSP は張らないので、帯域に余裕があればとにかく 張ってしまってもいいのではないか? Q:LSP の管理はどうしているのか? A:ごめんなさい。 syslogチェック、とsnmpでの管理ぐらいです。 -------------------------------------------------------------------------------