------------------------------------------------------------------- 題名:MPLS-IX - New IX Architectuire 発表者:中川郁夫 記録者:矢野浩一 話の趣旨: ・IXの実現手法のひとつとして、MPLSを使った新しいIXを提案する。 ・MPLSを使うとデータリンクに非依存+広域にできる IXとは何か: ・一箇所にISPを集めて、相互接続すれば効率良いというのが発想の元 ・IXの特徴:バイラテラル(個別)によるポリシ制御 →現在はデータリンク層による接続性を提供 既存IXの問題点: 1. LAN技術ベース 物理的ケーブルの問題+通信速度の問題+スケーラビリティの問題 etc. LANインターフェースが必須 2. ATM技術ベース セルタックス問題+通信速度限界の問題+パス設定負荷の問題 etc. ATMインターフェースが必須 →「んじゃ、どんなのがいいのか?」 新しいIXの設計: ・データリンク非依存 ・速度制限無し(現存の最速のインターフェースが利用可能) ・広域分散対応(広域性、ルータは手元にあってもいいじゃん) ・拡張性、スケーラビリティ ・柔軟なポリシ制御 ・運用コスト削減 これらの点を目標としたい。 MPLS: ・LSP(Label Switched Path)上でパケットを流す ・上も下もマルチプロトコル(下はいっぱい、上はv6もOK) MPLS-IXの特徴: ・インターフェースが各種利用可能(POS、ATMなんでもOK) LSP上のパケット転送: ・AS間のLSPではプレフィックス毎にLSPを張るのではなく、 一本LSPを張って、それを使ってAS間の通信を実現 ・LSP選択についてはdraftにも書いてある仕様を適用 MPLS-IX内のプロトコル構成: ・OSPFはIX Core内だけで使用する ・Edge(ISPルータ)はMPLSを使ってるけど、経路制御はスタティック ・しかもISPがMPLSで使う経路情報はピアの数(数十?)だけで効率もよい MPLS−IXの特徴: ・データリンク非依存:POS、ATM、GE、FDDI、PPPなんでも来い! ・広域IXの実現 ・拡張性:階層型IXが可能 ・スケラビリティ:IX内部ではトポロジ情報だけを管理 既存IXとの接続(融合?): ・従来のIXとの接続も比較的簡単である 広域分散相互接続: ・広域環境で相互接続を実現可能 MPLS-IXへの期待: ・「結構夢を見させてくれるところがすばらしい」 ・IXでTEを使える ・QoS(DiffServ)も使える可能性がある 今後の予定: ・アーキテクチャ再検討 ・応用問題 [質疑] Q. 分散IXをL2のプロバイダの差は? A. 単一のL2で見れば結構近いと思う。複数のL2等、ネットワークの マイグレーションで考えるとかなり違う Q. MPLS-IXになってもケーブル会社は結局誰かがケーブルは引かなきゃ ならないことには違いないと思うがどうか? A. 誰かがケーブルを引くという意味ではその通り。ただし、サービスの モデルは大きく変わることになると思う。 Q. TEを使用することはどこまで考えているのか? A. ベストエフォート型のISPでは困難。キャリアのサービスになると思う。 Q. 現在、TEを使った実験はしているか? A. まだやっていない。 Q. PeeringモデルであったものをMPLSで複雑にしてないか A. ブロードバンド時代になると今のモデルではうまくいかないように思う。 違うモデルが欲しかった。 Q. 歴史的にはパフォーマンスを稼ごう(IPレベルで転送するよりもL2で 転送するのが効率が良い)というのがあり、今もそうであると思うがいいか A. それは歴史的なメリットであり、パフォーマンスよりも柔軟性などが大切 Q. IXのようにトラフィックがかかる所で問題ないのか? A. 今のIP転送はパフォーマンス的には問題ならなくなりつつあると思う Q. OC192がいくつも束ねられても問題ないか A. 多分パフォーマンスは問題ないと思う。 Q. ISPの実際の要望は「IXでは何もしないほしい」ではないのか? A. 実際の要望について考えるのはこれから。ただ、ブロードバンドの時代に、 例えば地方の人はみんな東京へ回線を引かねばならないのか? 別の方式も考えるべきだ。 -----------------------------------------------------------------------