------------------------------------------------------------- 2000/12/21 Janog 9:50〜 NANOG Update Log 発表者:竹井 淳(NTTサテライトコミュニケーションズ) 記録者:渡部 晃雄(大阪メディアポート) [Introduction] Janogができる前から活動をしているNANOGについての説明を行う。 Nanogは年3回の会議を行っており、前回の会議はワシントンで行わ れた。 - NANOGとはどんなものか - NANOGの歴史 - ワシントンで行われた会議のトピックス - IETFとNANOGの違い - どんな人がNANOGに行くのがいいのか といったことを説明する。 [今日の発表] NANOGでは、どんなことが行われているのか、どういったグループ なのかといったベーシックな部分から説明を行う。 実際のNANOGの第20回会議で話された内容 → NANOGのWebページを 参照(ログ、動画) NANOGの一般的な会議の流れについて、どんな人を対象にしている のかを説明する。 [私はだれ?] 現在、JSATからNTTSCへ出向。 WIDEとのからみがJSAT時代からあり、そこで、衛星回線をインター ネットでどう使うかといった研究、また、いろいろなことに衛星回 線を利用している。 NTTSC → JSATとNTTコミュニケーションズが出資して設立(現在は、 他社も出資している) AS7591を持っている。 NANOGには、1999年デンバーで開催された会議から参加している。 [What is NANOG] North Ameria Network Operator Groupの略でNANOGと呼ばれている。 設立当初は言葉の通り北アメリカのみであったが、現在は、世界中 から参加者が集まってくる。 参加条件の制限は特になし。 参加者の分布:線を持っている、また、使用しているオペレータ。 IXのオペレータ。        大学、企業をリサーチしている人。ベンダー [NANOG Meeting] 年3回、北米で開催。 目的(Janogにかなり近い) - ISPオペレータの運用に関する情報交換、議論。 - Internetオペレータの技術者達の技術情報の交換を目的として おり、商用的な物の売り込み等は行われていない。 次世代の技術に関して、また、ネットワークオペレーションに 関する内容の会議。 年3回、IETFの会議の合間に行われる。(IETFには重ならない) 開催場所:北米の西部中部東部をまんべんなく(去年の秋、カナダでも開催) 日本からの参加者:2年前のデンバーでは10名ほど、現在は、この2倍くらい 発表方法:発表したい人は事前にプログラムコミッティーに申し込む。 NANOGのメーリングリストでは、会議情報の他に、技術情報が適時流れている。 [NANOG Meeting(Cont.)] ミーティングの規模:参加者は500人に限定 シングルトラック(1つの会場のみで開催)、シングルセッション (1つのセッションずつ順番に進行していく)で行われるため、会場 の大きさの制限があり、定員500名となっている。 この定員を超えるとNANOGから締め切ったというメールが届く。 参加したい人は慌ててメールをだしてWaitingListの番号をもらっ たりしている。 会議の日程:日曜日の午後にチュートリアルが始まり、月曜日の1日 を使い、火曜日の15時、もう少し長く、または、昼までであったりする。 [NANOG Meeting Topic] NANOGで扱われるトピックスとしてどんなものがあるか。 -ルーティング関連(これが一番多い)  ルーティングのオペレーションにかかわること。  プロトコルに関すること。  プロトコルの新しく加えられようとしているものに対する話題。 (BGPに新しいものを加えようとIETFでworkingが立ち上がっている等) - IX 現在、世界中に分散しつつあるIXの状況。 -レイヤ2、3、アプリケーションレベル等のレイヤに依存した話。 例えば、光ファイバーでWDMを使うとこうなる等、マイクロ派を 用いたネットワークに関すること。  キャッシュの効率化の話、セキュリティの話等  中には、製品紹介的な話もある。 [NANOG History] NANOGの歴史: NSFNetが全米に広がっていった時期の技術者の集まりが起源。 1994年に商用のISPの技術者等も集まってくる形になった。 NSFNetがなくなった後も、継続して技術者が集まり、今の形になった。 開催場所:北米をまんべんなく渡り歩き、結構辺鄙なところで開かれる。 [NANOG20] 10/22〜10/24 ワシントンDCで開催 参加者:500名を越えて、550名くらい。 何が話されたかについては、NANOGのWebページを参照のこと。 面白かったトピックス:FCCのブロードバンドに関する考え。 FBIからInternet上での犯罪捜査の方法についての説明。 (この時期に話題になっていたソフトウェアについても) [Meet the Regulators] タイトルの意味:制度を作る人達に会おう。 FCCからの話のトピックス  - 通信衛星についての発表 - アメリカの政府としての通信に関してのポリシー   電話は非常に守ってきたが、通信は開放していっているのでう まくいっている。  - Broadband Internet(現状と、将来の目標)についての発表 国民全員に行き渡るように考えている。   現状は、Broadband Internetを行うためにADSL等どのくらい選 択可能な方法があるのかといった説明。  FCCのブロードバンドの定義:(時代によって変わっていくが) 今の現状で考えると 200kbps [FBI] 犯罪に使われる可能性のあるメールの盗聴の話とDDosアタックの2つの話。 DDosアタックを受けたときの対処法の話。 メールの盗聴:  - Carnivore(本当の発音は不明だが、カーボニーと呼ばれることが多い) - ISPに協力を求めてメールを読むためのシステム この発表と同時期にこのソフトウェアの是非についてアメリカでか なり熱く議論されていた。 司法長官の許可でこのソフトウェアのソースをみて、関係ない人の プライバシーが守られるかどうかというチェックも行われた。 [FBI (Cont.)] Carnivoreの説明:メールをタップして、組み立て、犯罪捜査に役立てる。 FBIは裁判所の許可を得てISPに回線をタップさせてもらう。 Subject:捜査対象 Carnivore Server:ISPに置かれ、ISPの回線をタップする Carnivore Cliant:FBIに置かれ、メールを組み立てて、メールを読 むことができる。 [NANOG 会場のネットワーク] NANOGのネットワーク: - 会場の前半分、もしくは左右の両端にEthernetケーブルが用意 されている。  - 十分な帯域で外部と接続可能。  - ターミナルルームも用意されている(多分、24時間使用できる)  - プリンタも用意されている。  - 前々回のサンノゼあたりからWirelessなネットワークも用意された。  - サンノゼでは、IPv6が使用できたが、ワシントンではできなかった?  - マルチキャスト、ユニキャストを用いてセッションを配信。 [会場のネットワーク(中継風景)] 撤収作業をしているときの写真 [会議風景] JANOGとそれほど変わらない。パネルセッションを行ったり、この ように一人の話がある。 [最近のNANOGの問題点] 会議のサイズに限界  - 500名という制限のためにAgendaが出る前に締め切られてしまう。 なにが話すか決まっていないのに参加が締め切られてしまうのは おかしい。 どちらの方向へ向かうのか?  - このまま、限定したメンバーで同じ形に進むのか。  - IETFで行われているようにLayerを分けて会議を行うのか。 - 2系統か3系統のパラレルセッションにするか。 [Compare to IETF] RFCのような標準化を進めていくための会議。 年3回行われ、2回がアメリカで、残りの1回は別の場所で開かれる。 参加者は3000人(先週のサンディエゴで行われた会議への参加者) 参加者の業種:開発者、インプリメンテータ。オペレータもいたり する。 Working Groupかかなりの数あるため、8トラックのパラレルセッショ ンにしないと1週間で終わらない。 最近、日本人が増えてきており、昔は数十人であった。また、携帯 市場の影響か韓国人も増えている。 [So, you're going to NANOG.] どんな人向けの会議か: 海の向こうまで線を持ってる人、新しいものを使いたい人、自分で ネットワークをデザインしていく、 もしくは、していきたい人、あと、ここにあげたような人が行くと 非常に有効だと思う。 日本も、最近は情報が早いので日本国内だけで得られる情報だけでも やっていけるが、人と人との輪、コミュニティができたりして、行く 価値はある。 興味があり、会社の理解を得られる人は是非とも参加してみたはいかがでしょう? 会社としても個人としてもメリットを得られます。 以上 -------------------------------------------------------------