JANOG8 Meeting Log ・日時 :2001年7月27日 15:35〜 ・場所 :メルパルク東京 ホール ・題名 :BGPViewで見る経路の動き ・発表者:近藤 邦昭 ・ログ :藤田 敬史 ------------------------------------------------------------------------- 1、BGBViewとは、   BGP4でルータとPeerして経路情報を収集すると同時に   いくつかのアラームを発生させたり統計情報を出したりできる 2、計測の方法。   IIJのバックボーンとIGPでPeerして得られた情報を解析した。 3、最近の経路数の推移。 下の方の点線はOriginがIncompleteな経路数を示している。 IncompleteはRedistributeの際にそのOriginate元が解らないなどの場合に 出現する。   グラフの上の線は破線と実線が線の差がOriginがEGPである数である。   →世の中のBGP経路の殆どはIGPがOrigin typeである。   この傾きから経路数の伸びなども見れるはずだがサンプル数が少ないので   その傾向は見えていない。 4、細かく見ると   実際の経路の増加を点線で示した。   実線は最小二乗法を使って短期間の経路数の増加数をみた。   その結果大体1日に49.56経路、だいたい50経路くらい増えている。 5、毎日の経路数の増減   毎日の相対的な経路数の増減を示した。    経路は平均的に日々増加の傾向があるが、単調に日々経路数が   増加しているわけではなく減少している日もある。 6、ヒストグラムにしてみました。   縦軸は日数、横軸は増減の経路数をしめした。   一日に100経路の増減が現れるケースが一番多いことがわかる。   面積の合計では、経路が減少した日は35日で増えている日は34日   →中心を取るとマイナスになる。   4の「細かく見るとで」示した一日あたり平均50経路増えている事実と   矛盾する。   →今後調査する必要あり。 7、Origin AS数の推移   フルルート内で見えるOrigin ASの数の推移をしめした。   だいたい一日に8.5AS増えている結果が出ており、Origin ASの数は約3ヶ 月で600AS程増えている。   グラフの傾向は線形に見えるがNICなどのASのアサイン状況では指数関数的 に伸びているレポートもある。   おそらく、サンプル数の少なさによって線形に見えているだけかもしれませ ん。    →今後調査する必要がある。 8、1ASあたりの経路数   1Origin ASあたりの経路数を示した。   9.6経路/1AS だんだん経路数は減っていっている傾向    激しい増減は認められない、3ヶ月間の傾向をみると日々0.004位のペースで   減ってきている。     9、AS Path長の平均   AS Hop数は平均2.6くらいである。   EGPでとると単純には1AS Hop追加されることになる。 ここでは、IIJでの計測結果を示したが他ISPでは4.6という値も計測できて いる。その場合、±0.1位の範囲でASpath長が動いている。 10、毎日の新しい経路数   毎日発生する新しい経路数を示した。   点線は、経路が発生した後、計測点の午前0:00までに再度Updateまたは   Withdrawが行なわれた経路の数を示した。   Stableとunstableの値が似ていることから新しい経路はアップデートを繰り   返し安定していくことがわかる。    →BGP Networkの経路収束にも関係してる。 11、毎日のWithdraw経路の数   Withdrawされた経路数を示した。   24時間以内にWithdrawされ、計測点の午前0:00の段階で、inactiveになって   いる経路数をカウントした。   24時間以内に突然現れて、すぐに消えた経路もこの計測ではWithdrawされた   経路としてカウントをして結果を点線で示した。    →点線と実線が近いことから、Withdrawされた経路の大半はオペレーショ     ンミスをして経路を消したのではないか? 12、Updateの率   実線がフルルート内で24時間以内に経路のUpdateが一回も行なわれなかった   経路数。   点線が24時間以内に1回でもUpdateが行なわれた経路数を示している。この   2つの合計がフルルートの数となる。   StableとUpdatedは相反の関係にある。   10万経路に近い経路のうち約8割は安定している。   UPDATEやWithdrawの回数と比較すると、安定していない経路のほうが少ない    →不安定な経路は集中的にUpdate/Withdrawが繰り返されていることが解     る。 13、1経路あたりのUpdate回数   平均的にどのくらいUpdateされているかを示した。   Updateされた経路は、1経路あたり約14.4回くらいである。   毎日0.15回くらいのペースで回数が増えている。    →長期的にみると殆ど変化がないと見ている。 14、Prefix長の別のUpdateの経路数   Update/Withdrawされた経路をPrefix長別にパーセンテージで示した。   経路のUpdateの約7割が/24である。 「そもそも/24の経路は6万経路くらいある」   「CIDRの概念が入っているなら/20などの経路に集約されているのが普通」    →どこからかパンチングホールされてきている経路が流れてきているので     は? 15、UpdateとWithdrawの比   Updateの回数とWithdrawの回数を示した。   実線がUpdate回数のグラフで破線がWithdrawの回数を示している。   Updateの回数は1日に約25万回、一日に173回ペースで減少傾向。   Withdrawは1日に約5万回、一日に328回ペースで増加傾向。   Update:Withdrew比は約4:1である。    →特に海外からの経路でUpdateが行なわれているのではないか? 16、時間別更新回数   時間帯別に経路の更新のWithdrawとUpdateを合わせて示した。   15時〜19時(ネットワーク技術者の朝に相当する時間)に更新が多いよ   うに見える。しかし平均的に毎時間13000回程度の更新があり、時間的に集   中する時間があるとはいえない。 17、頻出ASランキング!(67日中)   UUNETが一番 18、Update/Withdraw多いランキング   一番のAS1580は5th Signalという団体らしい。(このASを運営している実態   はよくわからない。)   UUNET、TELSTRA、Teleglobe, ICGなどが出ています。 質問 Q1(質問者1)、 マルチホームなどの環境にある場合、BGPViewで内部の経路 を受けて、そこから経路の向き先きを知ることができますか? A1-1(回答者)、 BGPViewにパスセレクションの機能は入っていないので、見 れません。 A1-2(質問者2)、ルートリフレクタを使ってNEXT_HOPをみるとどちらに向いて いるかわかるのでは? A1-3(回答者)、 その方法についてあとで議論させてください。 Q2、EGPからの経路の受信において、多くのISPは/24より長いPrefixなどを受け   ないようなFilterを書いていると思うが、今回の測定では、そのような環境   の中でおこなったのか? A2、今回の測定では、それらのフィルタがかからない生のものが流れてくるよう な環境でやりました。中には、/31などの経路も1経路ありました.. Q3、ひとつの経路のUpdate回数をカウントしているか? A3、しています。                         以上