-------------------------------------------------------------------- ■プレゼンテーション名 :がんばれ国産ルータ ■時間         :2002年 1月24日 16:30〜18:00 ■パネルチェア     :荒野高志  (アジアグローバルクロッシング) ■発表者        :大浦哲生  (日立製作所)              馬場秀和  (富士通)              藤本幸一郎 (日本電気)              土谷浩史  (NTTコミュニケーションズ)              棚橋 弘幸 (NTTコミュニケーションズ) ■記録者        :菊池之裕(インターネットマルチフィード)      任田大介(NTTコミュニケーションズ)                               (敬称略) -------------------------------------------------------------------- ■セッション紹介:荒野氏 □はじめに グローバルクロッシングの荒野です。 これまでの経歴の中で、NTTコミュニケーションズのOCNサービス立ち 上げの中で、色々なメーカのルータを使った経験がある。 その中で調達作業等を行うわけですが、NTT的な仕様で実施し、調達 先のメーカを案分するといったこともある。 その中で、国産製のルータも検証を行っているが、その時は、全くダ メで導入できる状態では無かった。調達の観点からはOKなんだが、実際 の動作としては、性能的にも使えないといった状態で った。これが、5−6年前のことになる。 3−4年ぐらい前、高速大容量のルータを採用していきたいと思い、 CiscoやJuniperも含めて、調査を実施した。その中で、国産製ルータも ヒアリングを行った。そのヒアリングの中では、「その製品は企業向け から大規模ISPまでテクニカルな面では全く問題ない」との発言を貰った りしている。 しかし。ここで、「汎用であると言われると逆にホントに大丈夫かな?」 といった思いが浮かぶ。 確かに国産製品はSIと組み、企業向けには健闘しているし、SI的には OKだろうと思われる。しかしISP向けだとはたしてどうか? 3〜5年前と現在では、ISP的にも必要とする条件等状況が変わっ ているはず。 今回のセッションでは、その辺りの状況を聞いてみたいと思ったのが 発端となっている。 ---- 又、併せてCiscoとJuniperでなにが違うのか?といった点についても、 なんらかの答えが、出てくるかもしれないとも思っている。 海外製ルータは、大きなユーザと組んで発展してきた経緯がある。 (VerioとCisco等)その点、国産ルータとしては、如何にすべきなのか? 従来は、NTTの研究所とのタイアップが多い模様だった。しかし、競争 力がないことに起因して、国際的に勝てないのでは無いかと思われた。 各パネラーの皆さんには、この辺りのところもお話頂きたいと思って いる。制作者からの製品製作の意図や、又ユーザとしての立場からの発 言を期待したい。OCNは規模的にも大きいし、マルチベンダユーザでもあ り、是非意見を聞いてみたい。 議論は、FullOpenで、自由に行きましょう。 会社の枠を越えて痛み受け、突っ込んだ話しをして、本当に意味のあ る議論を行いたいと思います。 では、順に発表を御願いします。 -------------------------------------------------------------------- ■パネル発表:大浦氏 (日立製作所) 日立製作所の大浦です。エンタープライズサーバ事業部に所属してい ます。このような場に参加するのは、初めてですが、若干経歴を述べる と、ソフトウェアエンジニアから、LSIの開発経験等を経て、今はIPv6に 携わっており、Global IPv6 Summit in Japanの委員になったりもしてい ます。 日立は、ルータ製造を昔から長いこと手がけている。平成5年にNPシリ ーズを発表したことが転機となり、以後この製品は10年の実績を積んで いる。 その後、平成9年にIPv4/IPv6トランスレータ機能付きのルータを発表。 これは、世界に先駆けて発表したもの。 これらルータ製品の開発や、IPv6への取り組みを通じて感じたことは、 ユーザからの意見を確認し、製品開発にフィードバックしていく体制 これが非常に重要であるということであった。 ---- 日立がギガビットルータを制作するに当たっての思い/意図、的なこと をお話しすると、 「企業ユーザのみならず、ISPに使われるルータを作る!」という点に あった。且つ、「H/Wベースの高速・高品質な装置で、QoS等もきっちり 動くルータを作りたい」と考えていた。 実際の開発を通じては、ユーザとの会話が重要であり、ユーザからの フィードバックが重要である点を非常に強く感じるところであった。 その後、現在では、IPv6や、MPLSに力を入れている。 --- 製品としては、GR2000 Hモデル(6H,10H,20H)が、ISPターゲットのルータ の位置づけで、Sモデル(2S,4S)が、エンタープライズ向けとしている。 但し、これら2S,4Sも、ISPで使われている事例も多々ある。 又、IPv6/IPv4トランスレータを実現する装置としては、AG8000を製品化 している。 ----- 日立のIPv6への取り組みをここで説明したい。 取り組みは会社的にも非常に積極的に行っており、自分自身もIPv6を やることで大きく変わったと考えている。 これまでも世の中の動向はWatchしていた。しかし、IPv6に取り組む中 で、市場形成の重要性を認識し、メーカとして市場をリードすることの 重要性を認識するに至る。 技術的なサポートの重要性も認識し、確実性の高い製品、より安価な 提供も目指している。 実際、日立のIPv6製品はいろいろなところで使われている。 注目頂きたいのは、海外でも採用されている点。 日立としても国内だけに閉じていてはダメで、海外に出ていく必要が あると考えている。 ----- 今後の課題としては、以下のようなことを考えている。 - ユーザインタフェース(CLI)の問題 一部のユーザの中には、GR2000のCLIはわかりにくいという声も ある。その理由の一つがCiscoとの違いである。 - IPv6を如何に普及させるか - 海外展開 海外のユーザを如何に獲得するか。 - IS-ISの実装 - ISPとの協力関係 今後もISPとより良い関係を持っていきたいと考えている。 -------------------------------------------------------------------- ■パネル発表:馬場氏 (富士通) 富士通の馬場です。 製品としては、ミドルレンジからハイエンドのルータの開発を行って おり、意志決定的な管理職の立場に居ます。 まず、ハイエンドルータの開発方針について。 開発の体制として、富士通には交換機/ルータ/コンピュータ/半導体 等色々な開発の部門があるが、ルータの開発に当たって交換機/ルータの 開発部門が統合された。これは交換機開発の経験とルータ部門の知識を 合わせることが目的だったが、しかし、一つのチャレンジでもあった。 というのも、交換機出身の人間は、思考が固い。安定性重視のため システムの稼働性/安定性を非常に重要視する。 「交換機の開発では、99.99993%を実現」「年間ダウン時間をは0.4分 が限度」といった考え方であった。 この考え方が、ルータ開発に入ってきた時に、どうか? ルータ開発は、Cisco製品とのCLI互換性、各技術の整合性を重視。又 ユーザ条件に合わせてカスタマイズすることが重要であり、柔軟なマルチ サービスプラットフォームの提供を目指して取り組んできた。 すなわち、まず箱(筐体)があり、その中に何を実装しているかでお金 を頂く。との考えで取り組んできた。強固/安定な基本機能の上に、 ユーザ毎にカスタマイズしたもので販売する方針で行ってきていた。 各々の考え方が異なったことや、意見の相違もあり、それらを如何に 合わせていくかの点で苦労してきた面もある。 ----- 次に製品例ですが、細かいマシンスペックは後にWebに資料が載るので。 宣伝と思って掲載しています。ご参考まで。(^^; ----- とりあえず、解決したかった事として以下挙げていきます。 - ネットワークの通信断時間の短縮。 ルータの間隔だと、数秒の通信断は、許容範囲。しかし、交換機の 考え方では、数秒の断は、許容範囲外の認識。ここから、ルータに 於ける切替方式を追求し、通信断時間をmsec単位に抑えることを実現。 - peer-to-peerのアプリケーションを普及させたい。 広域サービスや、IPphone等のアプリケーションの提供のためには、 Private-addressが邪魔になる。これを解決する手段として、IPv6が やはり有効かと考えている。 H/W処理による、IPv6フルワイヤード機能や、IPv4トンネリング技術 等の実運用面の機能を高めていく必要がある。 国産メーカ各社は、皆チャンスだと思っているのではないか。 - VPN構築、トラヒック制御(BGP) 通常MPLSを利用する場合、BGP設定を多数行う必要があり、手間がかかり、 面倒な状況となっており、これを改善出来ないかと考えた。これをBRASと 連携したMPLS等、個別にカスタマイズしたMPLSファミリーを提供すること で、対応している。 ---- MPLSによる広域VLANサービスへの取り組みを、ユーザ事例で紹介する。 広域LANサービスを実現するに当たり、L2装置を並べて各種protocol 動作の基に実現させる方式は、性能が出ないため避け、変わりに全て MPLSネットワークの上に乗せてしまった。これは、既存のIP-VPNと同じ プラットフォームで実現を可能にしている。 ----- 製品提供のスタンスは、「ユーザ用の個別構成を作り提供していく」 になると考えている。 大量の(汎用的な)機能を有し、大多数に向けて販売する製品/サービス よりも、個別にカスタマイズして販売していく方が良いと考えており、 逆に前者のような形態は今後ビジネスとして成立しなくなっていくのでは ないかと考えている。 -------------------------------------------------------------------- ■パネル発表:藤本氏 (日本電気) 藤本です。 MPLSのI-Dの共著にも入っていて、そういったこともやっていたり もします。 現在はマーケ部門にいます。 いままでの発表では、日立さんは心を1つに、富士通さんは2つの 心を一つにしてやっていますが、我々はばらばら、、 ---- 本発表は会社を代表する立場ではなく、インターネットコミュニティ の一個人として行うものです。 ---- 自己紹介 やっていることは、マーケティングの中の技術屋、テクニカル なコンサルを担当している。対象はキャリア、企業、ISPなど 領域としては、レイヤ3,IPv6関連、MPLSなどもやっている。 アクセス系からバックボーン系まで 過去、1992に黄色い線に針を突き立てたのが出会い、 また、コードも書いていて、大学時代はLAN環境、 会社に入り交換機の部門に2年ぐらい在籍していました。 よって、交換機屋とルータ屋のことは、身にしみてわかって います。 ---- NECのルータについて ・コアルータ → 売れてません。 ・スイッチエッジルータ → カンパニーが違う。 ・バス、エッジルータ機能のあるやつ → 売り出し中 ・アクセスルータ → 古株、コンスタントに活躍 ・SOHOルータ IX1000 → 小柄だが期待の新人 これだけの種類がある。 ---- 共通事項、主に関係しているものへの個人的思い入れについて - すべてオリジナルなコードで作っている。 - IPv6をIPv4と同等に開発。 これをやらないとCISCOに勝てない。今もまたやばいかなと思って いる。 IPv6をけっこうやってるのでv6屋さんには ブロードバンドアクセスが重要になってきている 技術的に別のところで議論がある。 - 内製IP45、コムスターズの経験を生かし、IPv6ルータのノウハウを 持って世界に殴りこみたい。 ---- 今後として、 - ちゃんとしたルータ(運用性や管理面なども含め)を作るというのは、 1年や2年おいそれと出来ることではない - あきらめず、地道に磨きをかけていく これは絶対やろうと思っている。 - ノウハウを蓄積していく - キャラクター(特徴)を明確に、方針をぶらさず物作りを - 「使える」ものにするよう今後も頑張ります。 -------------------------------------------------------------------- (荒野氏) 作ってきた人の思いがいままででしたが、ユーザの立場からは 「こんなんじゃだめ、こうすべきだ」というのを語っていただきたい。 -------------------------------------------------------------------- ■パネル発表:土谷氏 (NTTコミュニケーションズ) ・自己紹介 - IPがないとき FRの交換機ハードウェアをやっていた。 - OCNがはじまるころ、検証チームに 各種ルータのConfigをけっこうおぼえました。 また、方式検討を含めてネットワーク作りに合流しました。 - その後、エッジ系に合流 そのときそのときの(ルータ構成の)最適解を選んでいた。 - 最近 ネットワークアーキテクチャの検討を行っています。 ---- ・OCNのネットワークについて キーとなるところ - 大規模ネットワーク ルータの台数がいっぱいあり、大規模である。 - OSPF internal 数千/external 10000経路 かなり大きな状態 - 拠点のギガクラスタ化 FEにいれ、更にGigaに束ね、ひとかたまりで扱っている。 −適材適所のルータ配置 マルチベンダ構成で、適材適所である。 運用が大変になるので 今までの拡張も考えながら構成 エッジ以外はNW的に冗長化しているが、エッジは1重かで頑張る しかない。 壊れにくい箱、吹っ飛ぶ範囲が小さなものになっている。 また、アクセスラインは多種にわたる。 QoS 帯域均等化など、BGPフルルート・staticユーザなどに応じて 構成が若干かわってくる。 ---- ・国産ルータの利用例 - IPv4 - 中小容量で適度な大きさ、値段で選定 大規模ダイナミックルーティングの実績が少ない、 QoSはきっちりきく → 某C社ルータだとだめ、処理能力に響いたりする。 - IPv6 - 他社に先駆けたハードウェア処理 ---- 国産ルータの評価段階での経験 − パケット転送能力 → (パフォーマンスが)出なかった。 - 最近はH/W化で向上している。 - しかし、10GbE化の対応は海外が先ではないかと考えている。 - 国産ルータの良い点 機能的にはカタログ通りに動作。 → 海外製品にはない特徴である。 - QoSがきっちり利く、ATMの多PVC多重しても PCRでトラフィックがきちんとでる。 (荒野氏)でないのは? → でないのは某Cルータ しかし、ダイナミックルーティングがちょっと弱い。 ---- 仕様的なことについて - 国産共通の問題 - OSバージョンアップはできるが戻せない,バージョンダウンでき ない。 - configのTFTP保存がバイナリ形式 読めなくて困る。 - CLIが独自形式 慣れると病みつき、しかし水平展開に難あり。 - ルーティング系、保守系のきめ細かいコマンドが不足している。 たとえば、show ip route summary コマンドの場合 OSPFの External が何個、Internalが何個といった形で見えず、 まとめて出てしまう。 他、拡張pingができない、プロセスごとの使用率、使用量が みえない プロセスごとの使用率が見えないと、BGPが重いのか、OSPFが 重いのか解らない。 - Coldstart-trap、Linkdown-trap送出契機が某C社と異なる。 IPアドレス設定するとlink down が飛ぶのはやめてほしい。 - 要望要綱について エンジニアと直接はなすことができて、実際に実装されることも 多いただし、H/W制約を除く 要望しても海外だとなしつぶになることもたまにある。 ----- ・検証結果例 - NG項目はほとんど出ない(仕様依存の事項除く) 「言ったことはちゃんと動く」 - OSPF 一万経路、BGP 100万経路などの検証をしても動く - QoS 数百から数千セッションで試験をしてもちゃんと動く結果が多い → 安心して使えると思っている。 ---------- 導入・運用ではどうか - ハードウェア故障は非常に少ない。 → 海外製品と(故障率が)ケタひとつ少ない機種もある - ソフトウェア故障(バグ) 少ないが思わぬトラブルも、、 → 某C社だと動くので、当たり前だと思って動かすとバグに 当たったりする。 たとえば、一昔前に、PPPの相性問題があった。 ダイナミックルーティングでの差分など ------ トラブルの故障解析、対策について - 故障解析 → 早い、1日から 数日で報告もらえることがおおい - 対応版OS → 1ヶ月程度で報告もらえることが多い ※メーカ技術者とface-to-faceに近い対応ができる。 show tech相当のコマンドがあるとうれしい ------ 期待したいこと - NWコストの低廉化が第一 装置の大容量化 収容効率をあげたい、光(λ)など 中容量装置の低廉化 - 信頼性、安定性の向上 エッジ系:CPU完全冗長化など、Downが少ないと嬉しい。 コア系: NW的には冗長化してあるので、迂回時間を高速にして 欲しい。大規模OSPF,BGPの安定動作 - 高機能化 QoSががんがんに動く、IPv6対応が強いなど -------------------------------------------------------------------- ■パネル発表:棚橋氏 (NTTコミュニケーションズ) 会社ではV6NWの運用をやっていますが、 今回は6月のInteropのネットワークを構築した立場でスピーチします。 -- N+I2001で使ったルータについて - IPv4 - 国産 日立,NEC,富士通 - 外国産 CISCO,Juniper,Foundary,Extreame ---- IPv6になると、、、 - 国産 日立,NEC,富士通 - 外国産 CISCOのみ ---- (ネットワーク図 IPv4,IPv6を提示) IPv6になるとさみしくなった。 ---- N+Iで出た問題 ベータ版やスペシャルファームの持ち込みが多かったため、 いろいろあって当然だが、、 - 起動すると、30分ぐらいで死ぬルータ - 1台が変な挙動をして、周囲のルータが死ぬ - IPv6はstatic routeしか書けない仕様のルータ などがあった。ここまで国産で出た現象で、あとは外国産 - POSインターフェイスは問題ないのにGbEではだめ - port VLAN切っているのにIPv6パケットが漏れる。 という問題があった。 ---- ・国産ルータの強いところ - コードが手元にあるのでBugfix対応が早い → N+I期間内に数回makeかけてるところもあった。 外国産ルータでは、アメリカとの往復ビンタ状態だった。 - 不良品率が少ない N+Iでは不良品、故障はほとんどなし。 - IPv6が安定して動く、国産ルータで(ネットワークを)組んだところは 安定して動いていた。 - Special Implimentationが可能 お願いしたことはやって頂けていた。外国だとそうはいかない。 ---- ・国産ルータの弱いところ - 独自コマンドをつかっている。 → いろいろなベンダが集まると頭が混乱する。 - 細かい機能がたりない → tftpできなかったり、 某C社だとインターフェイスの温度もとれるのに、シャーシ の温度しかとれなかったりする。 日本のエンジニアに言うと、そんなに温度高くならないから不要 と言われた。 - グローバル展開 アメリカ人エンジニアとの戦い。 → CISCOやJuniperが対応するまで待てばいいと言われる。 ---- ・国産ルータに期待したいところ - やっぱりIPv6 - 安定感の違いを今後も見せ付けて欲しい N+Iのv6ネットワークでは、メインは国産 バックアップでどうでもいいところを外国産で固めた。 → 今なら実績がつくれるのではないか。 - 機能面 - CISCOと同じぐらいの機能がほしい。 コマンド体系(国産はみんないっしょとか?) - 末永くおつきあいを - 外国のひとは数年で去ってしまう(撤退してしまう)ことが多い。 → 入れたら(導入したら)最後までサポートしてほしい。 -------------------------------------------------------------------- ■ディスカッション (荒野氏) 土谷氏、棚橋氏の発言からは、国産製ルータが、結構「良い」のでは ないか!と思えますね。 信頼性や、オペレーションインタフェース、QoSの機能等についても。 又、Juniperはまず相互接続性の上で難しいルーティングS/Wから作製し、 それを実運用させ、Bugを直し、エージングした上でそれに有ったH/Wを 作製する、といったことを行っているとのこと。そのためか、比較的良い ものが出来ている感がある。 国産ルータが海外に進出する件が出ているが、ここで、IPv6だけでは、 ダメなのでは無いか?海外ユーザの視点からしても、やはりIPv4の信頼性 が非常に重要ではないかと思われる。 ----- □(質問) タイムインターメディア 太田氏 Q)ASEAN諸国含め、アジアでは、コンピュータの技術が既に確立しつつ ある。日本が提案していけるものは、何と考えられるか? A)(●●) やはりIPv6ではないか。特に、中国で本格的に普及し始めた場合、 IPv6でなければ、難しいと思われる。 (太田氏) やはりIPv6ですか。外務省を含め、そのような話しも出てきている。 こういった機会(JANOG9)を機に力を合わせて行けないかなと思って いる。 (藤本氏) 日本がアジアで一番を目指すのではなく、コラボレーションをしっかり 行い、アジア各国の文化を理解した上で、例えばIPv6で日本が先行して いるのであれば、それを活かして力を発揮して行けないかと思う。 (馬場氏) 今、中国が伸びている。が、IPv6はまだ一般的に話題に上がって いない。とは言え、政府はIPv6を普及させたいと考えている模様。 又、ネットゲームの観点から見ると、障害となるNAT機能が不要と なるのでIPv6が推進されるだろう。 ちなみに、日立さんはいかがですか? (大浦氏) 把握しきれていないかもしれないが、アジアでは中国、韓国が積極的 と見ている。特に韓国は、政府が資金を拠出して積極的に推進して いると思う。 (荒野氏) アジアでの展開について、意見が出ていますが、私は、やはりアメリカ で勝たなければダメなのでは!?といった思いもあります。それに ついて、何らか取り組まれていることがありますか? (大浦氏) 基本的には、全世界で勝ちたいと考えている。 やはり、一部で使われる技術ではなくて、様々なところで使われる ものを作っていくべきと思う。 世界に出ていくために日立としては、IPv4よりIPv6がセールス ポイントになると思っている。 その意味で、アメリカはハードルが最も高い。まずは手始めという ところで、ヨーロッパとアジアではないかと思っている。 ちなみに、昔IETF等で、日立の認知度が低かった経験がある。参加 した際、どんな会社なのか?良く聞かれたもの。 国内のISP等との協力も含め、海外展開の戦略を考えていくべきと 思っている。 (荒野氏) NECさんは、結構海外で知られているのでは? (藤本氏) ディスプレイ屋か、と言われる(笑) 私見では、SE的な質問には自身(face-to-face)で回答し、対応する ことで実際に認知して頂いた経験がある。 今後、IPv6の展開に於いて、ユーザの希望にきめ細かく対応すると 共に、NECときっちりつき合ってくれ、フィードバックをかけて貰える キャリアと連携の上、海外展開戦略を考えていきたい。 (馬場氏) ちょっと乱暴ですが。。。個人的見解として。 私は「北米市場行けるわけがない」と思っております。 例えば、マクドナルドやスターバックス。これらは2者いる必要が 無い。同様に、北米にはCiscoが居るのに、なぜ日本国産ルータが 行く必要があるのかと思うわけです。 むしろ狙いは、Ciscoの居ない国。欧州/アジア等、Ciscoだと困る ところやローカルな地域。そういった箇所を目指した場合、全てを 総合して考えると、市場としては、北米より大きいし、良いのでは ないかと考えている。 但し、これは会社の方針と異なっているかもしれないし、あくまでも 個人的な考えとお受け取り下さい。 ----- □(コメント) SRSさくらインターネット 田中氏 ・さくらインターネットは、データセンタ事業を営んでいる。バック ボーンも保有しており、DC事業としては、珍しい方だと思う。 ルータとしてCiscoを考えたが、価格が高く、予算が出ない。 そこで、CableTronを導入したが、これが実際に運用してみると、 全く使い物にならなかった。 JPIXは接続を拒否される場合もあり、導入しても性能がでず、苦労 させられた。性能について追求すると、なんらか理由をつけて言い訳 をしてくるケースもある。 国産製品で、きっちり動く装置があるのであれば、是非使いたいと 思っている。 ----- □(質問) MEX 高田氏 Q)NEC製品は、CiscoにCLIが似ている。しかし、実際の挙動は異なる 場合がよくある。「Ciscoと同じ」と思って設定すると、動作が 異なり、してやられる:-) Ciscoに合わせるなら、動作も同じようになるよう作り込んでいけ ないのか? A)(藤本氏) 努力していきます。 A)(荒野氏) コマンド体系というのには、シンタックスとセマンティクスがある。 単に見かけだけのシンタックスをそろえてもご指摘のようなことに なります。 □(質問) IIJ 近藤氏 Q)CLI統一について。Ciscoと合わせているメーカも有るが、かたや 全く異なるメーカも居る。(例えばJuniper等) ここでCLIの統一が本当に重要なのか?との疑問に当たる。Ciscoと 異なるJuniperは、それでも良く売れている。その理由はどこにある のか? A)(藤本氏) Juniperを購入すると、分かりやすいマニュアルが添付され、ルータ を全く知らない初心者でも、1〜2ヶ月すると、BGPの設定が出来る ようになったりする。これは、Juniperが非常に論理的だからでは ないかと思う。 ある程度自社の中で論理的にすぐれたものを作製し、進めているから ではないかと思われる。 (馬場氏) 富士通の最新ルータは、Ciscoに完全に合わせた。 交換機屋とルータ屋で意見が合わないため、最終的にCiscoに完全に 合わせることで決着/意見統一させた。 (大浦氏) 日立もユーザからのコメントとして貰っており、悩みどころ。Cisco に合わせることも考えているが、かたや、Juniperの話しもある。 これを決めていくのには、時間が必要。やはり自社のアーキテクチャ に合わせてCLIをどのように作り込むべきなのか、考えていきたい。 その上で、最終的にユーザが使い易い装置へと仕上げていきたい。 (荒野氏) たぶんJuniperのコマンド体系が理解しやすいのは、セマンティクス を含めた言語体系としての出来がよいのだと考えられます。 ----- □(コメント) NTTコミュニケーションズ 水越氏 ・ISP向けの大きめのルータをどうする方向で考えているか? 今までの議論を聞いていると、コアルータを本気で売ろうと思ってる? と聞き たくなる。(本気で売る気のようには見えなかった) 今回のセッションは、IPv6がテーマでは無いと思っていたが、実際 の議論はそうなっていた。では、IPv6で、すべきこととして、逆に IPv4からIPv6への移行方法をメーカ/ベンダとして提示/主導して いくべきでは無いのか? ----- □(コメント) 古河電工 安田氏 ・次回は、ぜひパネリストとして呼んで欲しい。 ------------------------- □(質問)グローバルナレッジメントネットワーク 澤井氏 Q)今後、ITエンジニアの数を増やしていく必要があるかと思う。 具体的にどの程度の数のエンジニアが必要と思うか? ------------------------- □(質問) NTTコミュニケーションズ 佐野氏 Q)OCNの営業で、主にISP向けの販売等を行っている。しかし、現場では 不景気の折り、大容量の回線や大容量の装置を購入して貰える機会は なかなか無い。 現実には、IPv6やCisco以外の販売を行っていくことが難しい面も感じ ている。 その点、国産メーカとして、どのように考えるか?何を売りにして、 攻勢をかけていくのか?について、意見を聞かせて欲しい。 A) (荒野氏) 時間不足ですので、休憩・懇親会のときに議論をお願いします。 (荒野氏) 国産メーカヨイショパネルではないですが、国産メーカの方々 にはオペレータコミュニティからのインプットを持ち帰って、 是非いい製品を作ってほしいですね。また、フロアのみなさん にとっては、盲目的に外国産を信奉するのではなく、選択肢が 増えたということを有効に生かしていただければと思います。 以上