JANOG Comment 5 JANOGワークキンググループ活動の手引き(Ver.2) JANOG運営委員会 2000年 6月28日作成:前村 昌紀 2004年 1月 5日更新:浜田 泰幸 [背景] JANOGのメーリングリストは現在3,800名を越えるメンバーがおり、議論のテー マによってはメンバーの一部によって構成される小さいグループで議論を行う 方が、議論の収束性などの観点から好ましい場合があり得ますし、何らかの特 定の目的を達成するためにそういった小さいグループを形成したい場合があり 得ます。 このような観点からJANOGの活動として、メインリストの他にワーキンググルー プを形成できるような制度を作りました。 [ワーキンググループの要件]  1) ワーキンググループはメインリストで発生した議論のうち、特定のテ ーマに関して議論を深めることを目的とします。 また、議論以外に特定の目的を達成するためにワーキンググループを 形成することもできることとして、ワーキンググループ活動の方向性 を模索するものとします。 これらの議論経緯,結果等は可能な範囲でまとめられ、公開されるこ とが望ましいです。  2) ワーキンググループはその特定テーマの議論,目的の達成に関して十 分な見識・能力を持つなど、グループをまとめ 1) の目的達成に導く ことができるメンバー1名をチェアとして構成します。他の役職者の 設定はチェアに一任されます。 co-chairs として複数人でチェアを務めるという形態も一般的には考 えられ、ワーキンググループ内部でそのように機能することは何ら問 題ありませんが、運営委員会とのやり取りにおいては co-chairs の 代表者をチェアとして登録してください。  3) チェアはそのワークグループの活動をまとめ、運営,成果に関して責 任を持ちます。  4) チェアはその役割の遂行が困難となった場合、ワーキンググループメ ンバーの中から代わりのチェアを選出することができます。その場合、 運営委員会に報告が必要です。  5) ワーキンググループは発足の時点から2,3ヶ月を目処とする期間を限 定して開かれ、可能であれば1) に示す成果物を提出します。  6) ワーキンググループの活動は、いずれもJANOGポリシ[1]を遵守しなけ ればなりません。 [1] JApan Network Operators' Group Policy ftp://ftp.janog.gr.jp/pub/janog-comment/jc1.txt  7) ワーキンググループの活動は、適切な契機にメインリストを通じて報 告されることが望ましいです。また活動継続中、活動終了後の JANOG ミーティングで活動状況を報告することを必須とします。報告の内容 としては、ある程度成果としてまとまっていることが望ましいですが、 継続中で成果として報告できるものがない場合に関しては、その進捗 状況について報告することとします。 [ワーキンググループのライフサイクル]  1) 発足の契機 JANOGメンバは、前項 1) の観点でワーキンググループ形成が好まし いと考えられる場合に、ワーキンググループ発足を提案することがで きます。提案は特に窓口を設けることなく、メインリストの上で行い ます。  2) チェアの設定 提案者はチェアを務めようとしても構いませんし、本人の了承が得ら れれば提案者以外をチェアに推薦することもできます。  3) プロポーザル 1)2)を経て、提案者は以下の項目を満たすプロポーザルを作成し、メ インリストに提出します。 ワーキンググループプロポーザル -------------------------------------------------------------- [ワーキングループ名称] [メーリングリスト名称] [チェア氏名,メールアドレス] [テーマ・目標] [予定される成果物] [希望期限] [提案者氏名,メールアドレス] [提案日] --------------------------------------------------------------  4) 運営委員会の承認 ワーキンググループ発足の提案は、運営委員会によって検討され、暦 日一週間以内に可否が判断されます。 可否判断にあたっては、原則としてJANOGの運営ポリシから外れない限 り、否決されることはありません。  5) ワーキンググループオープンのタイミング 発足が決定され、メーリングリスト設定,メインリスト上でのアナウ ンスが完了した時点でワーキンググループは「オープン」の状態とな り、メンバーを募集して活動を開始します。 6) 定期報告 ワーキンググループは運営期間中に行われる JANOGミーティングにお いてワーキンググループの進捗状況、その時点での成果物などについ て定期的に報告することを必須とします。  7) 期限延長 ワーキンググループは期限を設定しそれまでにクローズすることを標 準としますが、状況の変化などで予定通りのクローズが難しい場合、 チェアから運営委員会に対して期限延長を要請することができます。 運営委員会はチェアからの要請に対して、延長理由が適切であるとと もに期限延長が有効であると考えれる場合、期限延長を認め新たな期 限を設定します。期限延長はメインリストにアナウンスされます。  8) クローズ ワーキンググループはその予定される成果物を完成させた後、メーリ ングリストを閉鎖しクローズします。  9) レポート ワーキンググループはそのクローズに当たって適切な時期のJANOGミー ティングで活動報告を行わなければなりません。 [JANOG運営委員会の役割]  1) 運営委員会は、[ワーキンググループのライフサイクル] 4)の通り、 ワーキンググループ発足の可否を決定します。  2) 運営委員会は、ワーキンググループのためにメーリングリストを作成 し、その管理権をチェアに与えます。  3) 例えばWebページなど、2) 以外のリソース準備は、可能な範囲で対応 します。  4) ワーキンググループの運営はチェアに一任されるため、運営委員会は 基本的に運営に関わりませんが、チェアの判断の下可能な範囲の協力 は行います。  5) 運営委員会はワークグループの活動がJANOGポリシを遵守しているか をチェックします。  6) 運営委員会は期限までに成果物が提出されるかチェックするとともに、 成果物を受理し、必要に応じて特別な不備がないかを確認した上で公 開します。 7) 運営委員は、[ワーキンググループのライフサイクル] 6)の通り、定 期報告を求めるとともに、JANOGミーティングでの報告のアレンジを 行います。 8) 運営委員は、ワーキンググループの要望があれば、その活動を支援す るために活性化に向けた協力をします。 [議論の経緯]  1) このワーキンググループ活動は、運営委員会の中の、ワーキンググル ープ化,メインリスト以外のテーマ別リスト設置の議論の中から生ま れました。  2) 議論においてはわざわざ別のグループを形成せずともメインリストの 一つのスレッドとして議論すれば十分だという意見もありましたが、 実際に形成してみるということに意義を見いだしたため、パイロット プロジェクトとしてトライアルを行うこととし、1999年 2月に発足し ました。  3) パイロットプロジェクトは、運営を通して正式施行を模索するという ことを念頭においた考え方ですが、むしろ正式施行と位置付けた上で 適宜運営方法を改善する手法のほうが好ましいという議論が運営委員 会の中で高まったため、正式施行という形にしました。  4) ワーキンググループの要件に関しても、取りあえず期間限定の上成果 物を求めるものとしていますが、常設のワークグループ,成果物を求 めないワーキンググループ,メインリスト以外のサブリストの設置な ど 1)の議論は今後も継続して、より良いものを目指していきます。 ご意見はいつでも大歓迎です。 [更新の経緯] 2004年 1月 5日 (浜田 泰幸) 1) ワーキンググループは、[ワーキンググループの要件]にある通り、短 期間での活動を目的として結成されるものであるため、活動状況が活 発ではなくなったりした場合において、その活動の活性化もしくは収 束を促すきっかけとなる状況報告が必要であると思われます。 2) しかし、このワーキンググループの活動に関して、その活動状況を報 告する場が明確に存在しませんでした。 3) この JANOGコメントにおいて、定期報告を必須とすることでその活動 状況を他の JANOGメンバーに報告するとともに、違った視点からの意 見、新たなメンバーのワーキンググループへの参加などを期待します。 以上 -----