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JANOG18 Meeting

我々の支えるネットワークの明るい未来のために、積極的な 意見の交換を行い、今後の方向性を見出すことのできるような ミーティングを開きたいと思います。 出席者全員が議論に参加する、そんなミーティングにすることが スタッフの目指す共通のゴールです。


インタビュー「マルチキャスト運用の実話を語ろう」


■ はじめに ■


JANOG18ミーティングではPC自身がテーマ決定、スピーカ集めや発表内容の全てをプロデュースする「プロデューサPC」制度を採用しています。
プロデューサPCの一人、川村さんの持ち込み企画であるマルチキャストネタについてスピーカの皆様とスタッフによる事前打合せを実施しました。その中身を少しだけご紹介します。



■ 出席者 ■

プロデューサPC  川村聖一氏(NECビッグローブ)
スピーカ  藤井直人氏(IIJ)
 吉村浩氏(シスコシステムズ)
共同プログラム検討委員長
(PCチェア)
 鶴巻悟氏(BBIX)
広報委員長
(PUBチェア)
 田島弘隆氏(ネットマークス)




川村: 今回マルチキャストをテーマにしたのは自分自身が興味を持っていたからですが、今マルチキャストを取り上げることについて藤井さんはどう思われますか?

藤井: マルチキャストを今取り上げるのはタイムリーでいいと思いますよ。最近いろんなところでマルチキャストが使われ始めてますから。たとえばIP電話の保留音とか。 でも基本的にはクローズな環境で動かしているケースがほとんどなので、ノウハウが伝わりにくいのも事実です。

川村: いま動画配信サービスをやってるのですけど、使用帯域が数Gもあり、オペレーションコストも大きい。コストを抑える手段としてマルチキャストがつかえないかなぁーって思っているのです。そこで商用での苦労話とかメーカでの実装話が聞けたらうれしいのです。

藤井: マルチキャスト網を作るまでは難しくないのだけど、いざ運用、となるとそこで大変なことに気づくのです。たとえば「アクセスログ」がとれないとか。

鶴巻: 野球の映像配信でまさにその問題にぶち当たりました。視聴率データをとりたかったのですが、マルチキャストでは無理なんです。結局アプリで対応しました。

川村: マルチキャストを運用するときにルータでどこまで出来るのか興味があります。SNMP MIBでどこまで調べられるかとか。

藤井: ユニキャストで当たり前でマルチキャストで出来ないこととか面白いですね。

吉村: マルチキャストに関してルータのツールはたかが知れているので、ツールについては会場の方も含めて議論するといいでしょう。

川村: 運用ツールについては興味ある方がたくさんいるでしょうから、この点はテーマとして取り上げましょう。




吉村: マルチキャストを導入するハードルが高いのはPIM-SMが元凶だと思ってます。
PIM-SMを説明するのに1時間半くらいかかるけど、PIM-SSMなら5分ですむのです。

藤井: SSMが出てからだいぶ経つけど、実際に使った話はほとんど聞きませんね。

吉村: IGMPv3が普及しないからSSMに移行できないという面もあります。
IGMPv3は複雑すぎるんです。
実はツボを押えれば簡単だけど、実装のガイドラインを提示するときに結構困りました。あまりにもアカデミックすぎるのです。

川村: このあたりの実装とか運用などについて、今後の業界の方向として本会議で展開したいですね。

 
 
 



川村: マルチキャストは今後どんなとこで使われます?たとえば今年末にはゲーム機のリリースラッシュがあるので盛り上がるかな。

藤井: ゲームが絡めば個人でマルチキャストをやりたいって声がでてくるかな。

吉村: ゲームで使いそうなANY-ANYのSSMは原理的には出来ます。

藤井: ただし個人にマルチキャストサービスを提供する場合、それにかかる必要なコストをどうするのかが課題です。ルータでマルチキャストのテーブルを保持するのにメモリをかなり使いますから。

川村: メディア系ではどうです?

藤井: たとえばWindows Mediaはバースト性を持つのでマルチキャスト的にはつらいです。UDPがボロボロ落ちたり。

川村: マルチキャストのサービスを作っての苦労話とかトラブル周りなどは聞きたいところですから、ここの点はフォーカスしていきましょう。






いかがでしたか?

マルチキャストはOSPFなど経路制御プロトコルでは頻繁に使われているのに、サービスとして構築、運用された方は少数ではないでしょうか。
マルチキャストのプロフェッショナルなスピーカの皆さんとJANOG18ミーティングで議論しましょう。