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JANOG18 Meeting

我々の支えるネットワークの明るい未来のために、積極的な 意見の交換を行い、今後の方向性を見出すことのできるような ミーティングを開きたいと思います。 出席者全員が議論に参加する、そんなミーティングにすることが スタッフの目指す共通のゴールです。


プロデューサPC座談会


■ はじめに ■


JANOGミーティングでは従来よりPC(プログラム検討委員)はスピーカ(発表者)と共同で発表内容の作りこみを担当してきました。
今回のJANOG18ミーティングではPC自身がテーマ決定、スピーカ集めや発表内容の全てをプロデュースする「プロデューサPC」制度を採用しました。
従来のPC(担当PC)とプロデューサPCが何が違うのか、その狙いについて実際にプロデューサPCの皆様と関係スタッフで議論する座談会を催しました。



■ 出席者 ■

司 会  小山佳寛氏(日本テレコム)
プロデューサPC  川島正伸氏(NECアクセステクニカ)
 川村聖一氏(NECビッグローブ)
 吉本慶氏(インターネットマルチフィード)
共同プログラム検討委員長
(PCチェア)
 外山勝保氏(NTT)
 鶴巻悟氏(BBIX)
共同実行委員長
(SC)
 土井猛氏(ぷららネットワークス)
JANOG運営委員  兼松宏明氏




小山: JANOGミーティングの目的は、プレゼンを披露する場ではなく議論する場であると考えています。
その意見を引き出す工夫、というか仕組みが必要なのではと思い、その一つの方法として今回の「プロデューサPC」という制度が採用されたのではないかと考えます。
まず今回のJANOG18のPCチェアの鶴巻さんと外山さんにこの制度を採用した経緯などを教えてもらえますでしょうか。

鶴巻: まずJANOG18のSCよりPCチェアをやってくれないかと声をかけてもらった際、このプロデューサPC制度を採用するならやりましょうと言ったことからです。
私はJANOGミーティングのスタッフはホストとして一度やったことがあるだけなのですが(注:JANOG16、福岡開催)、その際に感じたこととして「PCはプログラムの作りこみ担当であるけど、PC自身が本当にやりたいプログラムを実際にやれているのか」なのです。
ならば、PCスタッフとして自分がやりたいネタ、もしくはやってほしいネタをを持っている人を募集すればいいのではと考えました。
実際に募集してみて、結果的には応募は少ないながらも「濃い」人とネタが集まったなと自己満足しています、現時点ではね(笑)

外山: 私自身はとにかく議論がしたい!議論に参加した充実感を味わってほしいと考えてます。
会場で興味を持って議論してほしいという思いです。
そのため、JANOGミーティングは木曜の午後から始めるのが最近の通例ですが、今回はホスト様(注:松下電器産業株式会社)に無理を言って木曜の「午前」から開始する予定でいます。

小山: ではPCチェアお二人をご指名されたSCの土井さんはいかがですか。

土井: JANOG18では他に初めての試みとしてSCが公募の試みが行われ、私自身が応募しました。
プログラムの作りこみではバランス感覚が重要と考えており、それは新たなチャレンジと熟練のワザが必要であるということです。
今回のPCチェアのお二人はまさに適任であると思っています。

小山: プロデューサPCの採用では、スタッフ募集に申し込みを頂いた方々をPCチェアが面接して合否を決めました。
実際に面接を受けてみてどうでした?まさか本当に面接やるなんて思わなかったでしょ?(笑)

川村: 久しぶりに合格通知をもらってうれしかったですね(笑)。
あ、でもいつも合格して無いわけじゃないよ(笑)

川島: JANOG11よりLA(Local Arangement、会場・設営関係担当委員)やSC、PCをやってますが、今までにない緊張感がありますね。
面接では純粋にプログラムの話が出来ました。

吉本: 厳しい面接でしたね〜。
応募したプログラムについてPCチェアさんが事前にかなり調べて頂いてまして、自分が思っていた以上に掘り下げていただきました。

小山: PCチェアさんは実際に面接されてどうでした?

鶴巻: 応募して頂いたネタはアブストラクトだけではわからないですね。
実際のJANOGミーティングで人を呼べるかは実際に話を聞いてみないとわからないものです。
面接は都内でやりましたが、今回は遠方からも来て頂き、しかも非常に前向きにとらえてもらい大変うれしいです。
(注:遠方者の面接手段として電話会議もありでした)
次回は自分が受けてみようかな(笑)。

外山: 実は本業で2年ほど人事を担当していたことがあって、面接は結構すきなんですよね(笑)。
今回は意欲があったにもかかわらずゴメンナサイした応募者さんもありました。
是非次回も応募してほしいですね。

小山: 合否を分けたポイントは何でしょう?

鶴巻: まず意欲、そしてJANOGミーティングで議論が出来るネタかですね。
応募数は採用した数の2倍まではいかないくらいでしたけど、もう面接は大変でした。
私と外山さんで1日面接しっぱなしで13時から21時半までぶっ通し。



小山: JANOGミーティングのあるべき姿は、JANOGコミュニティのメンバが時間を割いて会場へ集まって議論をすることだと思います。
議論するからには成果・結果が求められると思います。
JANOGミーティング当日の議論の結果、どうしたいと考えてますか?

吉本: 自分だけでは集められなかった情報を集めるとともに、当日議論した結果を持って帰りたいです。
私がプロデュースするのは直流関連のネタですが、直流は本当に使えるのか、使えないのかを全員で見極めたいです。
スタートの議論ができればいいと思っていて、次の設備設計に向けたリサーチの側面も持っています。

川島: IPv6の課題はネットワーク運用の視点で見えてくるもので、この問題の共有と対策を持ち帰りたいです。
自分の本業としてベンダーの視点もあり、製品にfeedbackしたいです。
テーマとしては以下2つを考えていて
  • v4/v6の健全運用に手を打ちたい
  • 社内の運用(v4/v6)の課題の解決
で、最終的には来るべきv6時代に備えましょうということですね。

川村: 自分が聞きたいネタがあるけど、自分自身ではそのパワーがないってことのもどかしさがあります。
具体的にはマルチキャストネタが聞きたいんだけど、自分では手に負いきれない。
周囲にも詳しい人が少なかったりします。
なら自分でプロデュースすればいいんですよね。
 マルチキャストって世間では使い始めているのに分からないことが多くて、商用の運用をどーするってのはあんまり聞かない。
この機会にマルチキャストに強い人との議論を持ち帰りたいです。
 実は面接では「自分は技術しか話さない!」と言いましたが、それでは不十分とご指摘を頂いたんです。
JANOGにはネットワーク運用のみでなく、サーバ周りもコンテンツ周りの人もいるんです。
そんな中でマルチキャストのつわものに語ってもらって、会場の多様な層と議論していきたいです。
そこでもって帰りたいのは
  • ベンダーへの注文や実装
  • マルチキャスト運用のヒント
  • サーバ屋さんへのネタ
ですね。




小山: 最近のJANOGミーティングでは議論ギロンといってるけど、ジレンマがあるよね。
提供側と聴衆側って感じで、会場全体を巻き込んでの議論として十分成り立たないケースもあるよね。

鶴巻: 他人事って思ってしまうのではないかな。
JANOGミーティングの運営側の意識もあるのかも。
今回はPCスタッフは「運営者」でなく「発表者」であってほしくて、垣根を取り払いたいですね。
 でも実際にはそんなカンタンには行かないから、少なくとも今まで聴きに来るだけだった人が、今回のネタを持ち帰って生かしてくれればと願ってます。
そのためにも、役に立ち将来を見通したネタにしていきたいです。

外山: 議論という点では、今回はいい人・いい材料がそろえられたので、あとは詰めていくだけ。どういう議論をしたいのかを念頭に、参加者が自由に発言できる環境つくりも重要ですね。

川村: 発表者は答えを持っているわけじゃないんです。
議論ができる、答えの無いプログラムを作っていきたいです。

小山: でも、成果物としてみんなで答えを作っていきたいよね。

兼松: 課題の解決は一人でやるのでなく議論のうえで各々が持ち帰ればいいですね。

川村: 自分が興味の無いネタはPCとして担当しずらい。
プロデューサPCは自分が聞きたいネタを確実に担当できるので、われわれプロデューサPCはラッキーだ。

兼松: この意味でも今回のプロデューサPC制はいい仕組みだよね。

川村: その分そーとー悩んでるけどね(笑)。

川村: 参加者の発言も聞きたい。いつも同じ面子の質問でなく違う人に聞きたい。
質問者を指名するとか、一言のちょっとした疑問点などの発言をひろえないかな。

兼松: 質問のマイクって敷居がたかいよね。

吉本: マイクの前に立つのって勇気がいるよね。
自分も一度しかたったこと無い。
質問者もそうだけど、スタッフも固定化して垣根が出来ているかも。
プロデューサPC制はこの垣根をこえられるなと思いました。

川村: JANOGのメーリングリストに投稿するのも結構勇気がいるよね。

小山: ところでちょっと脱線するけど、「発表者」って用語、参加者からするとどうも「あっち側の人間」って感じがしません? (垣根を取り払う意味で、)
「発案者」とか、「スピーカー」とかのほうが的確じゃない?
議論の場なんだから、「プログラム」でなく「Agenda」とするとか。

外山、鶴巻: いいかもね。

小山: 一般に会社でミーティングといったら、「参加」でなく「出席」という言葉を使う。
JANOGのミーティング、来るひとはJANOGのメンバーなんだから出席/欠席だよね。

川村: たしかに「Attendee」って出席って意味ですよね。



小山: 話を元に戻します。
会場にきてくれるみんなに何を持って帰ってもらいたい?手ぶらで来て聴いて「へ〜」じゃ十分じゃないよね。

兼松: 本当に理解するには予習って必要だよね。

川村: 貴重な時間を割いて自分で何かを得ようとするなら、予習は重要だよね。

川島: そう、何かをもって帰るなら予習は必須。

小山: みんなにも知ってもらおうがテーマなので、事前にJANOGメーリングリストでPCが意気込みを語るのもいいかも。

吉本: 発表に関連する情報を持っていると意識が変わるかも。
たとえば、自分の発表に絡めると、自分の会社の電気代を調べてきてほしい。
会社規模にもよるけど、総務に聞けばわかることがある。
そうすれば、JANOGミーティングにきて「電気代こんなに安くなる!」ってのを自分の立場で聞くことが出来る。
「電気代が○割安くなるよ!」って胸にひびくし。特に上司には(笑)。
 設備としては空調の能力とか発熱の増加とか待ったなしで困っているんだけど、技術論だけだとなかなか問題点を共有できない。
そこに「経費節減」とかコストの話が入ると話が早いことが多い(笑)。

小山: 問題意識を持ってきてもらうために、会場に来るみんなに直流-48Vを使える機器調べてきてとか、メーカの人が「うちはこんなのあるよ」ていえるかもね。

小山: 事前にMLで盛り上げておきたいね。





左から鶴巻氏、川村氏、川島氏、吉本氏、外山氏


この座談会、大変長時間お付き合い頂きありがとうございました。JANOG18本番 までの残りがんばっていきましょう。