------------------------------------------------------------- 表題: インターネット接続機器間の時刻同期技術の現状と将来 (Timesync-WG 経過報告) 発表者: 情報技術開発(株) 京都ネットワーク技術研究所 力武 健次 記録者 (株)インターネットイニシアティブ 菊池 之裕 時間: 9:30-9:50 ------------------------------------------------------------- ・時刻同期 まともに時間をあわせるべきではというのが動機 現時点での中間報告を行う。 ・時間の標準 UTC(協定世界時)はうるう秒で地球の自転とズレがないようにする。 地球の自転は遅くなっている。 理解してほしいこと コンピュータの時間はUTCで運用するには適していない。 連続時間である。→TAI(国際原子時) ・コンピュータの時刻標準 どれかに同期してほしい UTC/TAI/JST コンピュータは UNIXはUTC WindowsはJST →時刻同期はTAIを基準とし、ソフトウェアで補正すべきである。 すべての機器が同期することが必要 タイムスタンプの正当性の保証 分散同期の整合性 他のマシンでmakeするとおかしくなるのを防ぐ ・要求される同期の種類と精度 連続同期ルール 時間は戻らない 戻すと破綻する 時刻は飛び飛びにならない →難しい技術 ・時刻と周波数標準の精度 どうしているか? 時刻標準 周波数標準 時計の針(時刻標準)と 時計の進みかた(周波数標準)をあわせる。 →両方必要 やってほしいこと せめて秒単位であわせてほしい。 実際に時間のずれたサーバがインターネット上にうようよいる。 現実には電子メールのタイムスタンプが逆転していたりする。 Emailの証拠性がうすれてしまう。 将来はミリセカンド単位での同期が必要 電子商取引の発達に伴い決済の正確な時刻記録が必要になる。 ・時刻と周波数標準の取得 ・GPS衛星 原子時計を乗せて軌道を周回している。 ・JJY 40KHz長波 電波時計はJJYを使っている。 時刻と周波数をあわせる。 → 沖縄ではつかえない。 その他 ・NHKの時報 → 時報にあわせるボードも売っている ・将来有望なもの NTTのISDN網同期信号 ・機器間の時刻同期プロトコル ・NTP 良いところ →ネットワーク間遅延の考慮をしている 古いものでは ・TIME・DAYTIME 時間をあわせるだけ さらに古いもの ・timed BSD Specific ・TAICLOCK TAIを意識。 qmail作者が作った。 ローカルで使うには便利である。 ・NTPの抱える問題 広域ネットでは秒単位では無理。 公開サーバが少ない。 RTTが変動するところでは精度が悪くなる。 負荷集中で精度が狂うか 定量的測定をしていない。 運用上問題 PeerとClientの設定ミスで他のサーバによって時刻同期がずれる。 セキュリティ 一次時刻標準の取得がコスト的に難しい TimeSyncWGより xntpdの Broadcast Clientオプションが動かないという報告 ・NTP諸問題の解決案 ISPでのサービスの提供(Stratum 1) NOCレベルでサービスしてほしい ・できるだけPeerは少なくしてほしい クライアントとして使うべき ・NTP以外のサービスも使ってほしい 中はTAICLOCKやtimedを使う。 ・WGから提案 GPSも安くなってほしい TCXO 温度を管理した水晶発振器 →ローカルの精度をあげる。 全体の精度をあわせる クライアントもサーバも時間をそろえてほしい→WGより ・差し迫っている問題 1999夏にGPSのカウンタリセットがある → きちんと対応しているかどうか調べよう。 Y2K Y2KWGとの連携も必要か サマータイム 年に二回時間が飛んでサーバがおかしくなるのは どういったものだろうか ・プロバイダへの希望 ISPは時間をあわせてほしい 常時接続するユーザにはstratum3 を ダイアルアップユーザにはstratum2を提供してほしい ネームサーバ並のメンテナンスをしてほしい まとめている ・オペレータ、ユーザへの希望 組織内の時刻同期をとってほしい できれば一次サーバを上げて同期をとってほしい 持てなければ近くのNTPサーバを参照しよう stratumはあてにならない RTTが小さいほうが大事である。 今後の活動 ・終わりそうもないので2000年3月を区切りとして活動 Y2Kをみながら ・JANOG Commentをまとめる。 →MLで意見集約 ・疑問があればMLに書いてほしい ・NTPのインフラ作り →ISPの方ご協力を ・Y2K前後の状況記録 以上 ---- 質問 ・Public stratum 1は日本には少ないが負荷は危機的な状態か? A.RTTが遠いところにあるというところが問題である。 自分ところで立てるなど適切な利用法を考えてほしい A.ピアリングすると時間を汚染する stratum 2を自前であげてそこでローカルは見るようにすべき 使い方に関する議論が必要 実際のデータはまだ集まっていない段階である。