概要
弊社内の旧YJのDCネットワークでは「kurouto」と名付けたシステムを導入し、アラート対応の98%を自動化することに成功しました。しかし、残りの2%のアラート対応や自動化に対するメンテナンスに労力が掛かるため、追加開発に必要な人的コストに見合わないという課題に直面しました。そこで、AIエージェントを活用し、アラート対応の「ホボゼロ」を目指しました。本発表では、その設計、試験過程で検討した事項や得られた結果を共有いたします。
1.アラート対応、メンテナンスのゼロタッチへの試み
弊社では2年ほど前からアラート対応、メンテナンス対応のゼロタッチ(リモートオペレータのゼロタッチ)を目指し、kuroutoというシステムの開発に取り組んできました。その成功と失敗、スクリプトベースの自動化からAIエージェントの実装を目指すにいたった動機を共有します。
2. MCPは便利なのか?
MCP(Model Context Protocol)はAIエージェントの拡張インタフェースとして最近急速に普及してきたプロトコルです。
弊社でのAIエージェントの作成においても、AIエージェントと社内システム・装置・DBとの接続にMCPを使用しています。
汎用MCPと専用MCPによる対応スコアの比較、MCPと旧来のプロンプトパース拡張の開発工数の差、MCPを用いた設計について得られた知見を共有します。
3. 自分で進化するAIを作ってみる
試験段階で既存のLLMではNW装置に対する知識のブレが大きく、対応が不十分なもの、過剰なもの、また対応のブレが問題として見つかりました。
過去に発生したログと対応履歴、ベンダーへの問い合わせ履歴や問い合わせの傍聴から、対応手順を自動で手順化、ルール化する実装を進めています。
エージェントがこの手順書を参考にすることにより、対応精度の向上を目指すとともに、人間によるAIの対応の監査を容易にする事も目指しています。
その仕組と実装についてご紹介します。
4. 実際に動かして見た初見と成果
実際に6月後半頃より商用NWのアラート対応での導入試験を行う計画です。
このアラートの一次対応をAIに任せた試験の結果、成功した点や問題点、今後の方針について共有します。
議論ポイント
このセッションを通じて、AIがアラート対応を行う未来について議論を深めたいと思います。上記の結果を踏まえ、皆さんの会社ではAIにアラート対応を任せられるのか、それとも時期尚早なのかを考察します。また、AIにアラート対応を行わせる中で見えた問題について、参加者の皆さんの組織での解決策を探ります。果たして、AIにアラート対応を任せる世界は私たちにとって幸せなのでしょうか。
場所
国際会議場/3F
日時
Day2 2025年7月31日(木) 14:30~15:30(1時間)
発表者
公開資料
その他
本プログラムはストリーミング配信予定です。
アーカイブ配信
本会議終了後、順次配信予定です。