プログラム紹介「AI Agent in DCによるDC運用自動化の実装と課題」大黒天

こんにちは!JANOG56企画編成委員の近藤です。今回のプログラム紹介は、

  1. 発表/議論を通して気づきや発見を得ることができるか?

の項目の点数で2位のプログラム紹介です。前回に引き続き、七福神にかけて紹介していきますね。

ちなみに、今回ご紹介するプログラムの総合順位は7位🎉で、各項目の順位は次のとおりです。

  1. 技術/運用の観点で日本のネットワークオペレータにとって有益か? (16位)
  2. 議論のポイントが明確であるか? (10位)
  3. 発表/議論を通して気づきや発見を得ることができるか? (2位✨)

プログラム紹介

JANOGerのみなさんこんにちは!JANOG56 プログラム委員のmomokaです。
Day2(2025年7月31日)14:30 ~ 15:30に国際会議場3階で行われるプログラム「AIエージェントによるDC運用自動化の実装と課題」にご登壇いただく、
LINEヤフー株式会社 岡田 嘉さん宮城 勝さんにお話を伺いました!

左:宮城さん 右:岡田さん

応募のきっかけ・このテーマを選定された理由を教えてください

弊社内の旧YJのDCネットワークでは、既に自動化ツールによってアラート対応の98%を自動化することに成功しています。しかし、残りの2%のアラート対応や自動化に対するメンテナンスには依然として人的コストがかかり、追加開発に必要なコストに見合わないという課題に直面していました。そこで、AIエージェントを活用することで、アラート対応の「ホボゼロ」を目指すことを決めました。
このプロジェクトは、元々「やってみようぜ」という比較的カジュアルな雰囲気で私(岡田 嘉さん)が立ち上げたのですが、宮城さんが参加してくれたことで、JANOGという場でしっかりと発表しようというモチベーションが生まれました。世の中のAI関連の発表には夢物語のような概念実証(PoC)が多いと感じており、私たちは実際に商用環境にAIを投入し、その結果を共有したいと考えています。宮城さん自身も、単調な構築作業よりも面白いことをしたいという思いからこのプロジェクトに参加しました。
このAIエージェントプロジェクトは、わずか数ヶ月前に本格的にスタートし、6月後半頃からの商用ネットワークでのアラート対応導入試験を計画しているという、非常にスピーディなタイムラインで進めています。
私たちの既存の自動化ツールには、障害通知システムへの通知、データセンター作業員(DOCさん)への連絡、資産管理システムからの情報取得など、自動化に必要なライブラリがすでに一通り揃っています。これにより、AIエージェントの開発は非常に効率的に進めることができています。AIエージェントを導入することは、残りの2%の細かな自動化スクリプトを作るよりも効率的であると判断しました。私たちは、運用と開発の両方を担当しているため、運用業務の面倒な部分をAIに任せることで、開発や構築により集中できるというメリットも感じています。最終的な目標は、アラート発生からチケットクローズまでをAIが自動で完結させることです。具体的には、アラート対応マニュアルの自動作成や、マニュアルに沿った対応をエージェントに自動実行させることを目指しています。

議論のポイントを教えてください

このセッションを通じて、AIがアラート対応を行う未来について議論を深めたいと思います。発表では、単にAIエージェントの作成事例を発表するだけでなく、そのアーキテクチャ選定のために比較検討した結果も共有します。特に、AIエージェントの拡張インタフェースとして普及しているMCP(Model Context Protocol)の活用について、汎用MCPと自作MCPを比較した結果など、得られた知見を深掘りします。我々の検証では、汎用MCPでは不十分であり、自作MCPの方がより高い精度を得られるという知見が得られました。
上記の結果を踏まえ、皆さんの会社ではAIにアラート対応を任せられるのか、それとも時期尚早なのかを話し合いたいです。また、AIにアラート対応を行わせる中で見えた問題について、参加者の皆さんと情報共有を行いたいです。果たして、AIにアラート対応を任せる世界は私たちにとって幸せなのでしょうか、一緒に考えましょう。

特に聴講いただきたい方・ターゲット層について教えてください

ネットワークオペレーターさんに広く聴講いただきたいと考えています。今回のAI活用は、キャリア、データセンター、エンタープライズといった分野を限定しないため、小規模から大規模まであらゆるオペレーターの方が面白いと思ってくれる内容だと思います。

意気込み・JANOGerへのメッセージをお願いします!

意気込み: 今、この話をしているタイミング(5月21日時点)はまさに検証中で、結果は誰にもわかりません。これをJANOGに持っていって皆さんに楽しんでもらえる内容になるよう、意気込み満タンで検証実験頑張ります!
JANOGerへのメッセージ: やはり生成AIの利用はある種逃れられない波になります。今回のプログラムに参加して、ぜひ自分たちだったらどう使えるかなと考えるきっかけにしていただけると幸いです!

PC(プログラム委員)目線で思ったこと!

今回のプログラムは、他のAI系のテーマの中でも非常に高い評価を得ていました。特に、既存の自動化では対応できなかった「残りの2%」にAIを適用するという、明確な課題解決へのアプローチが評価されました。
この発表は、プロジェクトが立ち上がって数ヶ月という驚異的なスピードで商用導入試験に至るという、非常に実践的な内容でとても結果が気になっています。私のチームでも、アラート対応におけるマニュアル作成や実行の自動化といった課題に直面しているため、今回の発表から得られる知見は、まさに今、自分の所属するチームが求めているもので、ぜひ参考にしたいと考えています。

AIが面倒な作業を肩代わりしてくれることで、より創造的で面白い仕事に集中できるという視点は、多くのエンジニアが夢見ていることかと思います。ぜひ、このプログラムを通して、皆さんの運用現場でAIを活用するヒントを見つけていただきたいです。

七福神紹介

momokaさん、ありがとうございました!

続いて七福神紹介です。
今回の神様は大黒天(だいこくてん)です!
五穀豊穣、商売繁盛、開運招福、子孫繁栄といった様々なご利益をもたらす福の神として信仰されています。
大黒天の名前の由来は、インドのヒンドゥー教の神様であるマハーカーラにあるようです。
では、大黒天ゆかりの地でもある島根県 安来市 松源寺を紹介します。

松源寺レポート

松源寺は島根県安来市にあり、JANOG56が開催される松江市(松江駅)から電車+徒歩(or タクシー)での移動になります。

住所:島根県安来市安来町東御幸通1446
1.JR松江駅 → JR安来駅:JR山陰本線で約20分ぐらい
2.JR安来駅 → 松源寺:徒歩(20分ぐらい)or タクシー(数分)

「松源禅寺」と掲げられていますが、その宗派が禅宗であることに由来し、曹洞宗の寺院です。
また、門を入って、すぐ左に大黒天とかかれていますね、進んでみましょう!

写真左手に大黒天の旗が見えますね!

この先に大黒天様が奉られているんでしょうかね?ご興味がある方是非、JANOG56が終わった週末にでも訪れてみては如何でしょうか?