プログラムインタビュー「GPSが使えなくなる? 時刻同期サービスの今後とTiming As An Infrastructure」

JANOGerのみなさん、こんにちは。JANOG57プログラム委員の古田です。

本日はDay2(2026年2月12日)の本会議場3にて開催されるプログラム「GPSが使えなくなる? 時刻同期サービスの今後とTiming As An Infrastructure」についてみなさまに紹介いたします。

プログラムの紹介

 本プログラムのテーマは「時刻同期」。

DNS や電力供給と同じく、完全にインフラ化しているのに、普段はほとんど意識されない存在です。一方で、その多くが GPSやGNSSに依存しており、構造的な脆弱性を抱えています。本プログラムでは、「GPS が使えなくなったら何が起きるのか?」を入口に、時刻同期をどのように維持するかをネットワーク業界の視点で議論します。

面白そうだけど「自分には関係ないかも」と感じる人も多いかと思います。どんな人に参加してほしいですか?

まさに「自分には関係なさそう」と思った人にこそ参加してほしいです。時刻の同期や配送は、ネットワーク・冗長設計・ファイバー・データセンターと深く結びついています。

一見マニアックに見えるものの、実際には JANOG に集まる人たちが日々支えている領域そのものです。自分では関係ないなっていうふうに一瞬思うかもしれないけど、全然関係あるんです。

JANOGerが時刻を自分ごとにするための入口はどこですか?

実は自分たちが時刻同期に既に依存していることを知っていただきたいです。ログの時系列や分散システムの整合性など多くのシステムは時刻が揃っていることを前提にしています。もし時刻がズレたら?と想像してみてください。

本プログラムのアピールポイントを教えてください

主要な社会システムがGNSSに依存している危うい現状と、その現状を脱却するための取り組みを整理して共有したいです。インフラ化しているものって、だいたい”お金をかける意識”が薄くなります。DNSもそう。時刻も同じで、動いているうちは後回しになりがちです。しかしながら、いざ止まったときの被害は本当に大きいです。

幸いにしてJANOGにはインフラの人が多く参加します。時刻の同期と配信を「インフラとしてどう設計し、どう関係者が関わるか」を、ネットワーク業界の文脈で議論したいです。

担当プログラム委員の感じたこと

今日では当たり前の様に動いている故にそのありがたみをいまいち実感できない時刻同期ですが、実際には全く持って当たり前ではありません。一般的なアプリケーションの設計やテストを行う際に、サーバーの現在時刻が突然狂うケースをカバーできていることはまず無いですし、その現在時刻が簡単に妨害できる衛星からの信号に依存している現状は極めて危ういと感じました。GPS/GNSSや時刻同期というとややイロモノに見えるかもしれませんが、実はこのテーマはネットワーク運用・設計・冗長化の延長線上にあるJANOGど真ん中のテーマでもあります。インフラや耐障害性についての知見があるJANOGerの皆様の参加をお待ちしております。

用語集

参加するにあたって、覚えておくと議論に参加しやすくなる用語をご紹介します。

GNSS (Global Navigation Satellite System)

GPSを含む衛星測位システムの総称。アメリカが運用するGPSの他に、欧州のガリレオやロシアのGLONASS、中国の北斗がある。

GPS (Global Positioning System)

GNSSの一種。人工衛星からの電波を元に位置情報を測定するイメージが強いが、実は「位置情報」と「現在時刻」を測定するシステムである。本プログラムはこの現在時刻を測定する機能についての問題提起である。

JST (Japan Standard Time)

日本標準時。NICT が維持・供給している。

PTP (Precision Time Protocol)

ネットワーク経由で高精度な時刻同期を行うためのプロトコル。通信機器やデータセンターで利用が進んでいる。

ジャミング / スプーフィング

GNSS 信号を妨害(ジャミング)したり、偽の信号を送る(スプーフィング)攻撃。位置だけでなく時刻同期にも影響する。

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