事業者をまたいで”つながるAPN”:フェデレーションとサブチャネルの取り組み

概要

APN(All-Photonics Network)は、電気によるスイッチングをなくし、全て光ベースのスイッチングにすることで低消費電力・高速大容量・低遅延を目指す次世代ネットワークの取り組みです。APNに関する研究開発や標準化は活発に進められており、商用サービスとしても一部の技術が導入されている状況です。しかしながら、光ネットワークは光の物理的なパラメータを詳細に調節する必要があり、現状のAPNは単一事業者のみで利用する想定であり、事業者間の接続においては、IP/Ethernetなどの電気ベースの接続が前提になっております。

そのようなAPNに関して、私たちはAPNを単一事業者内のみに閉じず、複数事業者のAPNが協調することで、End-to-Endで利用者毎に品質確保できるネットワークを検討しています[1]。本検討では「光ネットワークフェデレーション技術」として、APNを利用する利用者やアプリケーションの要求に応じて、異なる事業者のAPN間で動的に光波長パスを構築し、「サブチャネル回線交換技術」として、構築された光波長パス上で利用者の回線単位でサブチャネルとして通信品質(必要帯域・遅延・Jitter)を確保するという流れで実現を目指しています。

本発表においては、はじめにエンジニア目線でのAPNの技術詳細を紹介します。その上で、異なる事業者のAPNを動的に接続する光ネットワークフェデレーション技術の取り組みと、光波長パス上で回線単位に通信品質を確保するサブチャネル回線交換技術の取り組み、それぞれに関して現在の検討状況を紹介したうえで、現在進めている事業者間APN接続に関する実証試験に関して共有します。

最後に、日本のインターネット環境のさらなる高品質化に向けて、APNに関して参加者の皆様と技術面、ビジネス面など様々な視点で議論を進めていきたいと考えております。以下が想定している議論の一例です。
・そもそも、APNと現在の光ネットワークの違いは何ですか?
・各事業者(例:通信事業者、コンテンツプロバイダ、データセンター事業者…)それぞれの観点でAPNに期待することは何ですか?(技術面・ビジネス面)
・APNに限らず、トランスポートネットワークにおいて、現在課題はありますか?
[1] https://group.ntt/jp/newsrelease/2024/10/22/241022a.html

議論ポイント

本発表は、通信キャリアやISPのみならず、様々な事業者(例:クラウド、データセンター、モバイル、IX…)にAPNの領域を広げる取り組みです。そのため、様々な属性のJANOGerと各業種における「APN利用に対する期待・課題・ユースケース」に関して議論をしたいと考えております
以下は想定する議論の一例となります
*技術面
• そもそもとして、APNと既存の光ネットワークとの違いは?APN利用するには何が必要?
• 各事業者(例:通信事業者、コンテンツプロバイダ、データセンター事業者…)それぞれの観点でAPN導入で期待する技術効果は何ですか?(低遅延?低消費電力?大容量?確定性?)
*ビジネス面
• オンデマンドな波長提供サービスを実施する上で、期待するサービス内容などありますか?
• 現在のトランスポートネットワーク関係サービスで、困っていることはありますか?

場所

本会議場2 グラングリーン大阪北館6F 6-1

日時

Day1 2026年2月11日(水) 17:00~18:00 (60分)

発表者

池尻 雄一
NTTドコモビジネス株式会社
Yuichi Ikejiri
武田 知典
NTT株式会社
Tomonori Takeda
宮坂 拓也
株式会社KDDI総合研究所
Takuya Miyasaka

公開資料

各種情報

ストリーミング配信実施する
アーカイブ配信実施する
SNSやSlackでの議論制限しない
プログラム種別登壇者から応募のあったプログラムです

アーカイブ配信

本会議終了後、順次配信予定です

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