広域分散計算基盤を拓く長距離RDMAの課題と可能性

概要

電力(ワット)と通信・データ(ビット)のインフラを効率的に連携させる「ワットビット連携」構想を代表に、地域の脱炭素化とデジタル化を同時に推進する取り組みが国を挙げて進められています。トヨタ自動車においても、余剰グリーン電力を活用した分散計算基盤の構想を進めており、広域に分散した計算資源やデータを一体的に活用する仕組みの実現を目指しています。

その中核技術の候補の一つが、データセンタ内で広く利用されるRDMA(Remote Direct Memory Access)をデータセンタ間に拡張する試みです。しかし、RDMAを長距離に適用するとレイテンシやBDP増大に起因する性能劣化が知られており、実用化には大きな課題があります。
本講演では、以下の観点を中心に報告・議論します。
・なぜ長距離RDMAは性能劣化するのか?
・既存技術(RoCEv2パラメータ最適化等)でどこまで改善可能か?
・NFS over RDMAによるデータI/Oなど、ワークロードへの具体的な性能影響
論文調査や実測事例を交え、広域分散計算基盤を実現する上で長距離RDMAが果たし得る役割と限界を整理し、将来のインフラ設計に向けて参加者と共に議論します。

議論ポイント

・距離の壁をどこまで隠蔽できるか? 地域内・国内・世界規模、それぞれでインフラ側の工夫により実用的な性能確保できるのはどこまでか
・ネットワークトポロジーの再設計は必要か? 特にデータセンタ出入口の設計や役割をどう見直すべきか
・PoC止まりにしないための条件は何か?長距離RDMAを実運用へ展開するうえで必要な運用設計・可視化・障害対応の考え方
・そもそもDC間でRDMAは本当に必要か?「TCP/IPで十分では?」という観点から、長距離RDMAが有効に働くユースケースを洗い出す
・ワットビット連携とネットワークエンジニアの役割は何か?RDMA以外にも、脱炭素・分散基盤の実現に向けてネットワークエンジニアが貢献できる領域は何か

場所

本会議場3 グラングリーン大阪北館5F 5-1

日時

Day3 2026年2月13日(金) 15:00~15:40 (40分)

発表者

加納 浩輝
トヨタ自動車株式会社
Hiroki Kano

公開資料

各種情報

ストリーミング配信 実施する
アーカイブ配信 実施する
SNSやSlackでの議論 制限しない
プログラム種別 登壇者から応募のあったプログラムです

アーカイブ配信

本会議終了後、順次配信予定です

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