概要
従来、ネットワークの異常検知やトラフィック監視には、SNMP、NetFlow、sFlow、各種Telemetryといった技術が広く用いられてきました。これらはインターフェーストラフィック量やCPU・メモリなどの装置リソース監視において非常に有効であり、現在も重要な役割を担っています。
一方で、大規模かつ複雑な実運用ネットワークにおいて、動的に変化するルーティングプロトコルの内部状態や、ネットワーク全体の論理トポロジー、経路変化の前後関係をリアルタイムに把握することは、従来の監視手法だけでは難しいと考えています。JANOG54で報告したTelemetry活用も個別装置の監視には有効でしたが、ネットワーク全体のトポロジー変動や経路状態の推移を継続的に捉えるには別のアプローチが必要です。
この課題に対するアプローチとして、BGPの監視・収集を目的としたBMPや、IGPトポロジー情報をBGP経由で外部へ取り出すBGP-LSが実装されています。BGP-LSは主に論理トポロジーやリンク状態の把握に、BMPはBGP経路状態やその変化の観測に有効です。これらを組み合わせて時系列で保存することで、「ある時点でネットワークがどのようなトポロジーだったか」を継続的に追跡できる可能性があります。
大規模・複雑な実運用網において、トポロジーの鮮度をどう担保し運用判断に使える情報へ落とし込むかは、多くの事業者に共通する論点であると考えています。そのため実運用上どのような情報が必要か、またそれに求められる要件についても、JANOGの場で議論したいと考えています。
本発表では、BGP-LSおよびBMPを用いてネットワークトポロジーをリアルタイムに収集し、時系列データとして保持する仕組みと、そこから任意時刻の状態再構成を試みた結果を紹介します。あわせて、障害時の解析や事後検証、構成変更前後の状態比較といったユースケースの案を示しつつ、観測結果を検証環境やNDTへどう接続するか、L3観測だけでどこまで十分か、静的な構成情報と動的な観測情報をどう組み合わせるべきかについて議論したいと考えています。
議論ポイント
議論ポイント1
BGP-LS/BMPにより、トポロジーの時系列観測は可能になりつつある。
一方で、その観測結果を検証環境やNDTへ接続し、再現・予測に活用するには何が足りないのか。
観測データから検証・シミュレーションへ橋渡しするために必要な中間モデルや補完情報について議論したい。
議論ポイント2
今回の取り組みで把握できるのは主にL3制御プレーンの状態である。
実運用において、L3トポロジーの時系列観測だけでどこまで十分なのか。
また、逆にL1/L2や設備台帳など他レイヤ・他系統の情報が必要になるのはどのようなユースケースかを議論したい。
議論ポイント3
静的な構成情報とBGP-LS/BMPで得られる動的な観測情報を、どのように組み合わせれば運用判断に使える情報になるのか。
データの保持期間やサンプリング粒度、フラッピング時の扱い、また観測されたStateと構成管理上のIntentが一致しない場合にどちらを正として扱うべきかを議論したい。
プログラムで扱う内容について
TBA
場所
本会議場2F-B(真珠の間B)
日時
Day3 2026年7月17日(金) 11:30~12:15 (45分)
📅 Googleカレンダーに追加発表者
Uchimi Yusuke
Ito Tatsuma
Wei Liang
公開資料
各種情報
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| SNSやSlackでの議論 | 制限しない |
ストリーミング配信
準備中
アーカイブ配信
本会議終了後、順次配信予定です