小電力無線ネットワークによる地域ネットワーク接続実験 発表者: 曽根秀昭 記録者: 川本芳久 Fri Jun 16 13:39:11 JST 2000 東北地域内インターネット相互接続実験 TRIX (Tohoku Regional Internet eXchange) いろいろな人の寄り合い所帯、今回は曽根が発表 地域IX活動の一つ 目的: 遅延の解消や地域内通信の確保 コンテンツやアプリケーションまで考えないといけない 技術開発・研究を推進 TRIXの活動 96年研究会発足 その後cacheサーバ構築など その他いろいろ TRIX-IXPの構成と特徴 地域IX 地域ISPのローカルなネットワークのみをつなぐ 地域内経路(裏口のようなもの)を提供 分散IX 仙台市、郡山市を接続 地域内情報の流通の促進 地域IXを作っても地域の情報は流れないという意見がある では何を流通させるか 今まで言ってきたような地域情報はそもそも地域情報ではない 地域の観光情報など 地域情報とは地域内で使う情報 既存の情報(交通情報や鉄道情報など)を流用 カメラを設置して動画像を流せばよいのでは 広帯域が必要だろう 流通させるネットワークが必要 幹線は広帯域、末端も広帯域。その間が比較的細い 間を無線でつなげばよいのでは 小電力データ通信システムと地域通信網との 接続による動画伝送に関する調査研究会 郵政省が話を聞きつけてジョイントプロジェクトに 背景 TRIXの実験 2.4GHz帯小電力データ通信システムの評価 目的 電波を利用した地域情報化の促進など 利用モデル 交通情報、イベント中継、災害情報 地域IX、CATVインターネット 予備実験 去年(1999年)の9月から 本当につながるんだろうかということで予備実験 東北大学と川の反対の東北文化学園大学をつなぐ JETLINK(関西電機) DSスペクトル拡散方式 設置状況 左上: JETLINKの下にハブ 中上: 縦のポールは洋服立て、中央の横のポールがアンテナ 評価 やってみたら3.5kmがつながった 問題がいくつか ガラス窓が効いてくる(ワイヤーなどもなし) JETLINKの自己診断出力 窓を開けた場合、閉めた場合でかなり違う ブラインドの影響はない(少し強くなってる) JETLINKは意外と頭がいい バッファを持っていて自分で再送してくれる 第1次実験 本格的な実験を1999年12月から カメラサーバを置く TRIXとつなぐ データ採取 実験機器 JETLINK、カメラサーバ、カメラ 仙台光のページェントの中継、その他 Phase 1 ネットワーク構成 左: 東北大 中央: 東北電監 無線伝送区間の設置環境 左下: 東北大 左上: 東北文化 中央: 東北電監 JRを挟んで仙台森ビル 設置状況 アンテナが屋上や廊下にある 左下: カメラサーバ 右上: shoebox Sunサーバなど 「光のページェント」の中継 青葉通りに豆電球を数百万とりつけたのを見せる催し アクセスのアナウンスしなかったのでアクセスが少ない 卒業生などにアクセスしてもらう 交通状況・天候状況 外にカメラを向けて状況が見えるようにした 実験後にみやぎ県警から電話 道交法で道路交通情報提供事業者だけに制限 「まだ置いてないでしょうね」 トラヒック計測 RTT: 長さを変えて測定 無線: JETLINKからmibを参照して測定 実際になにも流れてないとスループットが出ない netperfなどで作って計測 トラフィック計測例 左上: 0時から24時まで スループットが12時でぴたっと止まっている 左下を見るとそのへんでエラーが発生していることがわかる ただ、何が悪いかまではわからない Throughput by Netperf 降雪があると多少スループットが落ちる 雪が降った影響か、はっきりはわからない 気象データ記録 影響を調べるために途中から天気も記録(気温、気圧、温度) カメラの映像も30分毎にキャプチャ(降雪) 気象状況とスループットの計測例 1つ目の図は上から気圧、積算降水量、湿度。 途中で雪が降ったのがわかる でも下の図を見てもスループットは変わらないようだ アンテナ間の遮蔽物 アンテナ間に遮蔽物があるとだめ 立ち木、地下鉄、電柱など マストの高さを50cmから150cmに変えただけでよくなった 山ではやってないので町中でやった結果から考えると 見晴らしがいい丘の上というだけでは役に立たない 相手が見通せる、見通しがいい場所が必要 電柱の上に無線機を置くというサービスは…… 降雪で何回か切れたことがある びしょびしょの雪が関係 アンテナについた雪が原因かもしれない 特定の蛍光灯による妨害 蛍光灯からかなりノイズがある 非常口表示灯の近くでは通信できない ちょっと離すと普通に通信できた 自動フォールバックの副作用 JETLINKにはレートの自動フォールバック機能がある エラーが発生 ->レート落す ->エラー解消 ->レート上げる レート切り替えが頻繁に起きてRTTが劣化する アプリケーションゲートウェイの影響 TRIX内はプライベート網のため、網内のサーバと外部を中継 無線は太く、インターネットは細い 外からのアクセスでは、web proxyにどんどんたまって、 結局スローモーションで表示されてしまう 第2次実験 ネットワーク構成は複雑 CATVインターネットと接続 ケーブルテレビにカメラサーバを置かせてもらう 移動局設備 山の上に無線基地局を置く 右側の絵: 車からアクセス 車の中からRealVideoで中継 講演会中継 3月の末に堺屋太一講演会の中継 質疑応答は特になし。 Fri Jun 16 14:05:55 JST 2000