ログ ---------------------------------------------------------------------- プレゼンテーション名:日本におけるダークファイバーの実情と利用について 発表者:eAccess 岡本久典 記録者:AT&T Global Service 鈴木 発表時間:10:50−11:48 ------------------------ ダークファイバー事始1  ・アメリカではメトロサービス開始 ダークファイバー事始2  ・日本におけるダークファイバーはNTT地域が提供し始める  ・既存サービスは、色々な交換機があるためコストが高い  ・大手町界隈はダークファイバーがホット  ・都心の道路を見るとアスファルトの上に,KVH や、MCI のスタンプをよく   見かける。 ダークファーバー事始3  ・NTT地域が光ファイバーを開放へ   ->1kmあたり、2芯で、約10万円/年   ->ただし、このサービスを利用できるのは電気通信事業者に限る    (一般二種業者でもOK)  ・光ファイバの特性を理解していないと大変なのでJANOGで勉強しましょう! 光ファイバーの種類  ・MMF(Multi-Mode Fiber)   ->SI、GI(50,62.5)   ->日本では50ミクロン   ->50ミクロンの方が距離が稼げる(コア径が小さいため減衰が少ないため)    ・SMF(Single-Mode Fiber)   -> 通常のSMF と、分散シフトファイバ (DSF) とがある 光源の種類  ・LED(ダイオード) -> 850nm  ・LD (レーザー)    -> 1310nm / 1550nm 光ファイバの特性  減衰   ・減衰、アッテネーションについて説明   ・コアとクラッドの屈折率の違いで光を転送させる仕組み   ・コアとクラッドの構造上のずれでも損失が起こる   ・材料の損失にも影響あり   ・接続時の損失も考慮(曲げ半径は最低20cm以上確保すべき、角度ずれも注意)  ・接続損失は、大きいときは1dBを超える場合もある  分散   ・郡速度(光ファイバは、5μs/kmの遅延発生)   ・入力の光と出力の光の波形が違ってしまうとデータが復元できない問題が    発生する     ->ショット形で入力されても、出力では波形がなまってしまう。     ->高速になればなるほど、なまった波形が、直前の波形と重なってしまい、      波形からデータへのデコードが困難になってくる。   ・分散シフトファイバーとは?(DSF)    ->普通のシングルモードファイバは、1.3μ帯で分散がゼロとなる    ->しかし、減衰は、1.5μ帯が最も低い。    ->分散がゼロの点を、1.3μ帯から1.5μ帯にシフトすると、長距離かつ大容量     の通信が可能になる。    ->光ファイバ先端形状を加工することで、導波路分散を調整することで、     できたのが 分散シフトファイバ   ・NTTが開放しているファイバとしては、SMFとDSFが存在する。   ・基本は SMFだが、長距離区間は、DSF の場合がある。   ・場所によってはSMFかDSFを選べない場合がある 光ファイバーの伝送距離と速度   ・光ファイバの伝送距離と通信速度の関係は、損失と分散とが相互に    影響して決定される。 四光子混合(四波混合)  ・分散0の周辺の波長では、波長間の相互干渉がおこりやすい。  ・相互干渉が発生すると、その波長以外の波長の光がゴースト的に発生する。  ・そのゴースト的に発生した光は、その同一波長の光に対して影響を及ぼす。  ・つまり、DWDM のように近接した波長の光で独立した通信を行うとき、   この問題が影響する。  ・特に、現在のDWDMでは、1550nm 帯の周辺が用いられている(減衰が少ない   ため?)ので、1550nm が分散ゼロである DSF で、DWDM を使用した場合、   非常に問題になる。   ->現実的に、DWDMで多重できる波数が、10波以下程度になってしまう!  ・減衰と四波混合の問題を解決するファイバとしては、Non Zero DSFという   ファイバもあるが高価であり、限定的な状況下以外では、一般的には用い   られていない。 ケーブル内の光ファイバの実装  ・コードタイプ   ->1芯づつ被膜を被ったもの(一般によく使っているもの)  ・テープタイプ   ->4芯または、8芯ごとに 1.1 / 2.2mm幅のテープになっている。   -100芯以上の多芯ファイバでは、このテープの集合体になっている。 1000芯 = [ ( 4芯テープ x 5 ) x 5] ユニット x 5 で、直径 40mm 程度 光コネクタの種類  ・NTTダークファイバ側    ・SCコネクタ    ・SC2コネクタ      ->特殊な工具を利用して抜き差しする      ->局内の加入者系モジュールで使用されていることが多い    ・MTコネクタ      ->テープ芯線を終端するのに用いる。       接合ジェルを使用し、端についた穴で位置を合わせて、       止めピンで用いてコネクタを相互に接続させる。  ・機器側   ・旧来は、伝送装置はFCコネクタ、LAN用機器は、SCコネクタ   高密度化するために、最近は・・・    ・WDM や、SONET装置などの伝送装置 -> LC コネクタ    ・LAN用機器 (Cisco Marconi の一部の機器) -> MTRJ コネクタ ダークファイバ用測定器  ・パワーメータ   ->光のロスを測定する。両端に機械(送光機と受光機を接続)   ->一般的な測定では、パワーメータで十分。  ・OTDR   -> 片側だけに接続し、ファイバの距離と特性を測定するのに用いる。   -> さまざまなパルスを送信して、その反射時間/波形/光の強さなどから算出 -> 途中で、ファイバ切断などが起こっていた場合、そこまでの距離がわかる。   -> 便利!ただし、高価!!      ->実際のダークファイバにおける測定器の使い方としては、まずパワーメータで    測定して、理論値と測定値が合わない場合に、OTDRを使用するとよいだろう。 ダークファイバーの現状  ・NTT系  ・その他キャリア系  ・電力系 NTTファイバについて  ・中継区間ファイバ   ->NTT局とNTT局間の間で使用されているもの   ->FTMで終端される   ->局内で利用するためのは、設備もコロケーションする必要がある。  ・端末(加入者)区間   ->NTT局からエンドユーザまで   ->ユーザ側はPD盤で終端  ・手続き   ->事前調査申し込みが必要  ・POI調査   ->ファイバの有無を調査   ->コロケーションする場合に必要   ->局内は自前工事でも可能(FTM<->コロケーション装置間)   ->その場合、縦系などの工事などが必要になり、防火工事などをNTTの指定工法で    行う必要があるので、工事業者はNTTの指定業者にお願いしたほうがよい。 ファイバーの利用について  ・事業者向けに、Web上に心線の空き状況は公開されている  ・申し込み殺到状態で、東京都心や、大阪の中心部などでは、すでに   中継ファイバが売り切れの区間がある。   ->その場合増設されるケースもあれば、増設計画すら無い場合がある。 ファイバの構成について  ・局間ファイバは、局間を数珠繋ぎで接続されるようになっている。  ・メインのリングがあって(東京の場合は山手線の範囲とほぼ一致)   そのメインリングの局からさらにサブのリングが構成されている形態。  ・装置の接続構成としては、ファイバ経路に従う必要があるので、   基本はリング構成か、カスケードの構成になる。  ・中には,各リングを繋ぐダイレクトな経路や、迂回のための経路もある。   (冗長性をとる場合に利用するとよい。) NTTファイバのフィルタ問題  ・フィルタとは?   ->NTTでは、ファイバの監視のために、通信波長とは別の波長を用いる    システムになっている。   ->フィルタは、FTM架のモジュールの中に入っており、SMFでは1550nm帯、    DSFでは1650nm帯を使用している。  ・SMFでWDM装置を使用する場合には、フィルタが入っていると使用できない。  ・ダークファイバを利用する場合、NTTの監視システムを使用することはない   と思うので,フィルタなしの心線をリクエストした方がよい。  ・ただし、フィルタありの心線しか残っていない場合もあるかも。 長距離系は?  ・局間のファイバは、NTT地域のファイバなので、県内のみの提供で、   県間のファイバは提供されない。  ・県間はどうする?    ・長距離系通信事業者などが敷設したファイバを IRU するか、自前で引く。  ・国土交通省が、国道沿いに情報ボックスを設置していて、国土交通省の情報   通信用にファイバが通っているが、この情報ボックスに空きがある場合には、   事業者にそのスペースを貸し出している。  ・すでに、東海地域(東京〜名古屋)などで、長距離系キャリアを中心に、   100芯〜300芯の敷設を行っている。 伝送装置について  ・ADM装置   ->バックボーン側から帯域を落として利用する装置   ->最近は、バックボーン容量として 10G (OC-192) のものも出てきている。   ->端末機器側のインターフェースとしては、SONET 以外にもトラフィックの集約化    (グルーミング)がかかる ATM や Ether (FE,GbE)のものもでてきている。  ・WDM装置   ->1波あたり2.4G(OC-48)や GbE による波長多重が現在の主流   ->10G (Oc-192)は、来年早々くらいになるだろう。  ・Ethernet系   ->現在は GbE がバックボーンのものが主流   ->今年の末あたりに 10Gのものが出てくるスケジュールが各社からアナウンス    されている   ->ADM/WDMよりは安価だが、大規模なネットワークでは、ノード管理といった面で    運用が難しい。   ->Ethernetの欠点としては、VLANの上限数に限界があること。 Q&A:  Q:心線を新規に追加する場合のNTT東日本の対応は?  A:現状、初期の構築中であり、新規に追加したケースはまだ無いので   わからないが、心線さえ確保できたら 1,2ヶ月程度 / MAXで数ヶ月程度だろう。  Q:東京都内のファイバーが逼迫している理由は?  A:当初、NTTとしては他事業者に貸し出す用途で計画していなかったところに、   幹線では、相当数の需要が殺到しているからだろう。   特に、東京23区の状況は、ひどい。  Q:IXでファイバをダイレクトに利用するケースはあるのか?  A:そういったIXも考えられると思うが、間に装置を使用するかませるメリットは   感じられないので、事業者間の接続を行うのが意向であれば、NTTの局(GC)内   にて直接 相互接続したほうがいいのでは?  Q:北米で流行っているDWDMの機械を日本で利用する場合にフィルタ問題は   どう対応すればよいのか。  A:メーカに対応してもらうか、フィルタなしにするかのどちらかだろうが、   現実的には,メーカ対応は、かなり厳しいと思う。  Q:SMFのFTMと、DSFのFTM間を直接繋ぐ場合はどうなるのか?  A:接続することは可能だが、伝送距離が短くなるなどの問題は発生する   可能性がある。 以上