ISIS and OSPF: Network Design Comparisons and Considerations [時間] 2002/01/24 13:30-15:00 [発表者] Jeff Doyle@Juniper [記録者] 鈴木@日立 小池@FastNet ----- 狙い OSPFはわかるけどIS-ISはわかんない人が多い IS-IS, OSPFの違い/長所短所を明らかに -> ネットワークの設計に役立てて欲しい Agenda (p.3) 時間の都合によりlink-state、ISIS、OSPFの歴史については省略 3-4章を今回の発表で扱います 時間が余ったら5章も ---Comparative Analysis of ISIS and OSPF (p.26-48)--- 共通点/特徴の違いを明確に IS-IS, OSPFの単語の違い (p.27-29) IS-ISはISOが策定、OSPFはIETFが策定 同じ概念に違う単語を割り当てている IS-IS OSPF ------------------------------------------ Intermediate System router IS-IS=router-router protocol End System host IS-ES=IPの観点からは無視してOK SNPA Interface どちらかというと論理的なinterfaceを指す Link State PDU LSA 正確にはLSPの中のTLVがLSAに対応 Routing-Domain Autonomous System IS-IS的にはIGPが動いている範囲だけ (ASはちょっとでかすぎ) L2 area Backbone Area 厳密にはL2 areaの方は単なるOSPFのarea というより、隣接するルータが集まった物。 完全に一致する物ではない。 L1 area Other Area Message Type (p.28-29) OSPF: 5つ, IS-IS: 3つ(全体がlevel 1,2に分けられる) LSA/LSP (p.30) OSPF LSA Type 1-5 よく使う Type 7 たまに Type 6 Multicast Type 8 使ってない IS-IS LSP (p.31-32) LSPとしては単一となり、一つのLSPの中に複数のTLV(Type Length Value)が入る Level 1, Level 2とで違うTLVが使われる Encoding (p.33-34) OSPF: MessageはIP上を走る(proto 89) 32bit alignment(昔から引きづってるだけ) LSAだけ拡張可能 IPプロトコル以外のサポートは面倒 e.g. IPv6ならOSPFv3が必要 IS-IS: datalink上を直に流れる(security上better) no alignment すべてのPDUが拡張可能 IPプロトコル以外のサポートも簡単 Media Support (p.35) OSPF: 4種類 IS-IS: 2種類(NBMA, P2MP未サポート) NBMA, P2MPはP2Pと変わらないから問題なし RouterID,AreaID (p.36-37) OSPF: Router IDとArea IDは独立定義 32bit,10進表記 Area ID:特定のinterfaceに関連付けられる Router ID:Routerが持っているip addressから選択される IS-IS: RouterID, AreaIDはOSI addressの中に含まれる(network entity title) Area ID(13byte) IS-ISで使うなら単純にしといたほうがいい system ID (6byte) IP addressを持ってくるとかして一意性を確保 SEL (1 byte) IS-ISでは0固定でOK Neighbor Discovery (p.38-39) どっちもHello交換でneighboring OSPF 隣接ルータの同期が完全に取れている場合には、 Hello packetは単純にkeep aliveの役割を果たす。 Hello packetのoptionは隣接ルータ間でmatchしてないとダメなことが多い -> option変更をしくると、neighboringが切れてしまう IS-IS hello packetについてはOSPFとほぼ同様の働きをする。 optionはmatchしてなくてもいい。(optionを自由に変更できる) 例えば、hello intervalがneighbor間で異なっていても問題がない。 Database Sync (p.40-41) OSPF 複雑な状態遷移 4種類のパケットを使って情報交換 Database Exchange packets Link-state request packets LSAの有効期限のrequest Link-state update packets Link-state requestへの応答 Link-state acknowledgement packets 通信の信頼性を高めるために使用される IS-IS OSPFより単純 DRがCSNPを定期的に送信 (broadcast I/F=10秒, P2P I/F=60分) 特定のLSPが欲しいときには、その都度PSNPを送信 Database Refresh (p.42-43) どちらでも、Link Stateが古くなりすぎないようにするために用いられる。 OSPF refresh間隔が30分に1回 -> スケーラビリティの制約 Timerはcount up 寿命を示す 上限値が固定(60分) IS-IS Timerはcount down 残りlifetimeを示す 下限値を変更することも可能 デフォルト20分 最大18.2時間 router追加時「IS-ISの方がスケーラブル」といってる理由はこれ DR (p.44-45) OSPF DRは新規ルータに切り替わる事は基本的にない IS-IS BDRはない router追加時DRが新規ルータに切り替わる事もある Area (p.46-47) OSPF: routerが境界 IS-IS linkが境界 routerは1 areaにのみ参加 IS-ISのIPローカルな最適化(p.48) 今回は略 ---Design Consideration (p.49-)---- IS-IS, OSPF設計時の考慮事項の違いを比較 Metric OSPF: 単純な数字 大型(16bit,32bit) 帯域幅を元に計算する事が多い external経路の場合だけは、Type 1, 2がある IS-IS: 元々は4種類あったけど、1つしか使われてない defaultのは小さい(6 bit) SPFを簡単にするのが狙いだった 現在のCPU powerだったら気にしなくてもいい 大規模ネットワークに使うには難あり -> wide metric(32bit)が拡張定義された LSA/LSP Scalability どっちにしてもredistributeするときには気を付ける必要あり OSPF: areaに最大何台ルータを置ける? いろいろ説があるけど要因が多すぎるので、一概に値を決める のは間違い。 LSAの大きさから判断すると理論上限は存在する Type 1 -> link数の上限が決まる (5331 link) Type 3,4,5,7 -> 1経路/LSA -> 経路の数によって負荷が変わってくる IS-IS: いつも1 LSP/{router,level} PDUの大きさ(inc. Fragment)から判断すると理論上限は存在す るけど、問題ない範囲 Stub Area OSPF: stubなareaも作れる Type 5 LSAの負荷が減る IS-IS: L1 routerはデフォルトでstubby L1/L2 routerはexternal経路があることだけ把握 area間の経路leak(IS-IS) L1->L2: defaultではinternal routeが出て行く external routeはexplicitなpolicyで出る L2->L1: explicitなpolicyが必要 NSSA OSPF: 外部の経路をType 7 LSAで一部stub areaに流す IS-IS: area間の経路leak policyで同じ事が可能 (ここから簡単に) NMBA どっちでも実質上考えなくて良い 複数のP2Pとして考えればOK Virtual Link OSPF: サポート IS-IS: specはあるけど実装はない 定常的に使いたいものじゃないから Overload Bit OSPF: なし IS-IS: メモリ不足時のwarning用 手動設定してgraceful restartに使うこともできる 同期がとれてない間on 同期がとれたらoff という運用でいける Mesh Groups OSPF: なし IS-IS: Mesh Group内ではLSPをrefreshするためにrefloodしなくていい -> LSP floodingの負荷軽減 逆にLSPが失われたときのimpact大 Security 認証はどっちのプロトコルでも必要 (ここから先は時間切れのためパス) ------Q&A------- Q. 会場にIS-ISを使ってる人っている?(浜田@OCN) A. 数人(外資系) Q. 一般にDR変更はOSPF的には負荷が大きい。IS-IS的にはどうなんでしょう?(浜田@OCN) A. それほどでもない。 今のルータCPUは結構早い DRの構造自体がOSPFに比べても単純 Q. DR変更中、DR不在という状態は全く起こりえないのか? A. 一瞬起こりえる(DR切替中には一瞬DR不在)。 broadcast networkのreachabilityが一瞬おかしくなるが、通常msec位のオーダなので 問題ない。 Q. L1,L2両方は使ってないISPが多いのは本当?(友近@OCN) A. 本当。 IS-ISを使う人は一つの大きいareaを使いたいことが多いから。 複数areaが必要ならOSPFの方がベター。 1 areaのscalabilityはIS-ISの方がいい area間のscalabilityはIS-ISは今一つ Q. overload bitはOSPFに入る可能性はないの? A. 私の知る限り、そのようなactivityはない。 Q. overload bitを上げたり下げたりしたときの振舞いを教えて A. overload bit変更 -> LSP refresh -> overload bitがDatabaseに反映 -> SPF再評価 -> reflooding の繰り返し