2000年3月24日                       JANOG Y2K-WG Chair 近藤邦昭              JANOG Y2K Working Group Repot 1. WGの概要   Y2K-WGは、2000年1月1日起きることが予測されていたコンピュータ西暦2000  年問題に関する問題点の洗い出しとその解決策を探るために設置された。   検討内容は、2000年問題がインターネットにどのような影響を及ぼす可能性  があり、それがどのように発生するかなどをプロトコル単体などではなく、複  数の要素を関連させて考えることを前提とした。   また、最終的にこのY2K-WGで設置されたメーリングリストは、2000年問題当  日の連絡用として利用することも前提とされた。 2. 2000年問題に関する業界の動向   Y2K-WGが設置されて数ヵ月後、日本インターネット協会がY2Kタスクフォー  スを設立した。このタスクフォースは当Y2K-WGと同様の理念をもっているため  Y2K-WGとしても協力してゆく方針であった。しかしながら、障害情報というあ  る程度機密性が必要とされること、時間が限られており準備活動を迅速に進め  る必要があったことなどがあったため、JANOGのポリシーであるオープンネス  を維持できないと判断するにいたり、最終的には、Y2K-WG参加者が個人レベル  でY2Kタスクフォースに協力してもらう形となった。   Y2Kタスクフォースでは、2000年問題に関する技術的検討や2000年問題対応  センターとしてのY2KCC/JPの設立をおこなった。 3. 2000年問題の発生状況   2000年問題は、大きく2000年1月1日およびうるう年に関して2000年2月29日  に発生することが予測されていた。これら2日の発生状況について解説する。  - 2000年1月1日    基本的にインターネット全体に打撃を与えるような大きな問題は発生しな   かった。軽微なものとしては、年号を2桁表示しているホームページやログ   などにおいて、100年もしくは19100年など不適切な表示があったことが確認   されている程度である。    このほかにも、ここのネットワーク管理団体内において多少のトラブルが   発生したことが伝えられたが、いづれにおいてもネットワーク全体に大きな   影響をあたえるものではなかった。  - 2000年2月29日    1月1日同様、ネットワーク全体に打撃を与えるような大きな問題は発生し   なかった。発生した問題においても1月1日と同様に軽微なものであった。 4. Y2K-WGの成果   Y2K-WGは設置いらいメーリングリストで技術的な観点からの検討を進めてき  たが実質的な議論が行われなかったことが反省点としてあげられる。   このなかで、Y2KCC/JPで行われた技術検討レポートを受けて作成されたY2K- WGとしての技術検討レポートを矢野浩一氏が作成したので本WGの成果として添  付する。 5. ポインタ等   日本のインターネット業界として日本インターネット協会は、2000年問題に  対して積極的に取り組み、そのレポートが公開されているのでそのポインタを  以下に示しておく。   http://www.iaj.or.jp/y2ktf/                                   以上 ---- ---- Kuniaki Kondo kuniaki@iij.ad.jp