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BGP 4 bytes AS実装の顛末と雑感

時間 2008年07月11日 10:40~11:00
発表者 河野 美也 (Juniper Networks)
担当プログラム委員 小松 宣之
村上 健二
公開資料 PDF
アブストラクト
4 bytes AS番号は、過去にJANOGでも取り上げられ、また、既にRIRによる配布も始まっています。AS番号枯渇は、IPv4アドレススペースと同様、有限資源問題でしたが、アドレススペースとは異なりISP/IXPオペレータ+ヴェンダの努力で何とかなる領域、共存・相互運用が可能、等の理由により、大きな障壁無く導入は進みそうです。

ただ、実装にあたっては、一つ問題が起きました。AS番号は単なる4バイトのスペースで、それ自体に階層や区分といった概念はないのですが、表記的には"."を使って2+2 bytesとして表記する(asdot)が提案されました[*1]。
しかし、RIPE-55で問題提起があったとおり[*2]、"."は、正規表現文字として使われており、正規表現を使ってfilterを書いている場合等に矛盾を起こす可能性があります。

JunOSとしては、当初asplainで実装していました。この方がシンプルすっきり、 かつ、正規表現とのconflict等の混乱も無いのです。しかし、どうやらasdotの流れは止められそうもなく、急遽JunOSにおいても、asdot実装することにしました。

本セッションでは、実装のどたばた、またそれに関連する雑感をレポートしたいと思います。

[*1] draft-michaelson-4byte-as-representation
[*2] http://www.ripe.net/ripe/meetings/ripe-55/presentations/jakma-critical-considerations.pdf
発表者紹介
河野 美也
(Juniper Networks)
【略歴】
 国内企業でソフトウェア開発、設計を担当後、StrataCom社入社。

 1996年、StrataCom社買収によりCisco Systemsに入社。2005年より同社にてDistinguished Systems Engineerに昇格。

 その後、2007年よりJuniper Networksに異動。Principal Engineerとして仕様策定、方式設計に従事している。