時間 | 2008年07月11日 11:00~12:00 | |||
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発表者 | 長谷川 剛 (大阪大学サイバーメディアセンター) | |||
担当プログラム委員 | 立崎 慎一 秋本 哲也 | |||
公開資料 | ||||
アブストラクト | ||||
オーバレイネットワークは,IPネットワーク上でエンドホスト同士を繋いで形成されるネットワークで,エンドホストがデータ転送を行う事によって,通常のIPルーティングとは異なる経路を使った通信を可能にするネットワークである.オーバレイネットワーク上のルーティングは,転送を行うエンドホスト間の通信品質(遅延時間,パケット破棄率,利用可能帯域など)に基づいて行われ,通常のIPルーティングを使った通信よりも,高い通信品質が得られるケースがある事が知られている. 一方で,ISP間の課金契約は,トラヒックの流れを規定するIPルーティング情報のやりとりに基づいている.オーバレイルーティングによってIPルーティングでは起こりえない得ないルーティングが発生する事によって,課金対象外のトラヒックが流れる(ネットワークただ乗り)が生じる事が考えられる.本発表では、オーバレイルーティングによって得られるエンド間通信品質についての検討結果を最初に示す。具体的には、PlanetLabの計測データを用いて、(1)遅延時間、空き帯域、スループットなどのメトリックで経路を選んだ時の効果、(2)オーバレイパスの遅延時間と空き帯域の相関関係、(3)マルチパス転送の効果、などに関する評価結果を示す。 さらに、オーバレイルーティングによって引き起こされるネットワークただ乗り問題の定量的な評価を行った結果を示す。オーバレイルーティングのアルゴリズムの違いよるただ乗り問題発生の程度比較などを行う。それらの結果を通じて、この問題がISPにとって無視できない問題になり得ることを示す。さらに、エンドホストが享受する性能が向上し、かつ、ただ乗り量が減少するようなオーバレイルーティング手法についての検討を行った結果を示す。 | ||||
発表者紹介 | ||||
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