JApan Network Operators' Group

緊急時におけるインターネット開放方式共通化の提案

概要

IOT研究会メンバが検討・議論を進めている、災害時に自組織の無線LANを周囲の人々に開放するための準備と共通運用方式を紹介する。

無線LANを開放する機器設定自体は単純だが、発災直後の混乱期に速やかな提供・利用を実現するには事前の合意形成と準備が必要である。

そこでは組織の運用ポリシ、法律や上流インターネット契約に対する抵触、ユーザへの告知、適切な運用体制、安全性など幾つものハードルがある。

提供者の負荷軽減とユーザの利便性確保のため、提供・運用方式の共通化を提案すると共に、平時の運用基準とは異なる緊急通信としてのインターネットの在り方を再検討し、社会的な合意が得られる緊急運用体制について議論と認識の共有を行いたい。

パネルディスカッションを通して通信事業者・一般企業の皆様からのフィードバックと本活動へ御参加頂くことを期待している。

司会
柏崎 礼生 (大阪大学)
パネリスト

藤枝 俊輔 (東京大学)

大江 将史 (国立天文台)

畑山 満則 (京都大学防災研究所)


公開資料
議論ログ
Q:会場からの質問
A:発表者からの回答/コメント
C:会場からのコメント

Q: 無線LANビジネス推進連絡会とは何が違うのか?

A: 連絡会はメーカー・事業者主導で行っている(本提案はよりジェネリックに様々な組織が利用できる手法)。連絡会の具体案は出ていないので別々に活動しているが、最終的にマージできる部分があると思うので検討したい。また、連絡会は、災害時のことは one of Issueである。

C: 最終的にマージはした方がいいだろう。

Q: 組織という言葉が出てきているが、その組織とは公衆無線LAN企業・ISP・一企業のこと? 各組織ごとにガイドラインや考え方が異なる。例えばオフィスの無線LANかも開放するのか? 組織という枠の決めたほうがいいのでは?

A: 組織ごとに対応は異なるが、特に分けておらずジェネラルなものを作っている。提供するモチベーションがあるところが提唱すればよいと考えている。

C: ソフトバンクで無料開放しました、全国で1ヶ月、被災地では3ヶ月ほど開放を行った。トラフィック量は通常の20倍とかとか。。課題は藤枝先生のスライドに網羅されている。いろいろと問題はあったが緊急時だから・・ということで。

C: 自治体からのwifi開放要望が来るが、内容を聞いていると少し方向性が違う。常時に需要がないところにAPを作るにはお金が必要になる。

A: ぜひ一緒に活動させてほしい。基本スタンスとしては投資するのではなく、既存リソースを使うのがことに重点をおいている。どう提供するのかはみんな悩んでいるので、みんなで方向性をボトムアップして作っていくのが現実的だと思っている。

Q: この手の話は、総務省と事前の交渉が必要。何が非常通信で、非常時に開放していいかを協議する必要がある。京都大の畑山先生に1点提案があります、井澤先生のように3.11の際に現場指揮をされていた方がいらっしゃるので、そういった方を巻き込んでいったほうがいいのでは?

A: 電波法の話はもう少し知恵を拝借したい。私の理解では無線 LANは電波法で定義されている災害通信とはあまり関係ないと思っている。

C: すごく抽象的な話しか決まっていない、100年前の想定なので、法律側が追いついていない。

A: そういうところの交通整理が必要ですね、ぜひ知恵を拝借したい。

C: 2点コメントがあります。1点目:一年一回、訓練を実施したらどうですか?2点目はこの活動は有意義であり、広く活用してほしいので海外と連携してはどうですか?NZNOGとかどうでしょう?

A: 海外との連携先はよくわかっていないので是非教えてほしい。

C: 地震があるところは限れている。NZ、チリ、ハイチ、アメリカ西海岸等の環太平洋が中心。その中で通信が発達しているのはNZ、AZ、西海岸ぐらい。欧州はイタリアぐらいしか地震がないのであまりピンとこないかも

C: 最近この手の内容をお客様から要望されている、またSSIDは場所ごとに指定を受けることもあるので共通化は難しいかもしれない。平井さんも話していたが、地域を特定するより運用面は全国開放の方が楽である。3/11の頃、幕張でイベントをやっていて無線LAN APをそのままにしておいたらものすごくトラフィックが出た。公共の避難場所にもあったほうがいいかも。

Q: ISPさんとして全国開放って大変じゃないですか?

A: やりたくはないけど。。。運用スキームは全国開放の方が楽です。トラフィックのことは考えてません。

C: 組織のAPの開放という話があったが、最近のSIは優秀で、オフィスの入り口等に無線 LANが漏れることがあまりないので一般企業が提供するのは難しいと思われます。ロビー等に人が集まって提供出来るのは市役所等の自治体施設だけはないかと思う。

C: 役所のほうで対応して法律をどう検討するかという話があったが、(電気通信事業者としては)総務省は関係ないはず。電気通信事業者の緊急避難なので問題ない。緊急をつかった場合、社内の情報をぬすまれてしまった、などは総務省は関係ない。情報を盗まれてしまったら誰も責任をとれないので、一般企業で単純に開放は考えられないのでは。そう考えると、緊急避難的なVPNだけどこかとはって通信するとか、そういったところをガイドラインで考えないといけないかもしれない。

C: 考え方次第。天文台などは3/11の時にはお客さん向けNWを完全に開放を行った。いろいろとプレッシャーはあったが、こういった仕組みがあれば緊急時開放もできる。一般企業でもなんとかなるかもしれない。

C: 不安なときにNWつながるとすごく心強い。なんとかやるべきだと思います。海外の方は日本語わからないのでわかりやすいSSIDなど、配慮してほしい。

C: 外国人に対するWiFiの果たす力は強いと思う。

C: さきほど、会場のWifiもつながらない時間があった。開放してつながらなかったときに怒りは大きい。繋がらないNWなら開放しないほうが良い。そう思ってしまうこともある。技術面でのWifiも問題もあるので、何台までつなぐか、等の技術面の話もあるかなと。

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