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  プログラムblog: IPv4枯渇、あなたがお使いのWebサービスは生き残れますか?

  

セッションチェアの小山です。

「IPv4枯渇、あなたがお使いのWebサービスは生き残れますか?」

このセッションの企画の発端は、前回のJANOG21ミーティングにさかのぼります。

  

JANOG21に一般参加者として参加していた私は、発表者の方のある発言に違和感を覚え、そのことを自分のブログに書きました。

ネットワークオペレータとWeb開発者の断絶- Blog::koyhoge

この記事で私が訴えたかった本質は、サーバの廃熱問題やプログラム効率のことではなく、同じ目的に向かって協力して作業すればもっと上手い方法がありそうなのにも関わらず、コミュニケーション不足により人々が分断していることです。

この記事に対しては、同様の問題意識を持った方々からいろいろな反応をいただきました。今回JANOG22のプログラム委員長を務めている波田野さんもその一人で、彼が中心となって「Team断絶 」という有志の集まりが開かれました。そこでコミュニティ間の断絶を解消していくために、できることをいろいろやっていこうという合意ができ、その中から生まれたが今回の「IPv4枯渇」セッションです。


day2-5-0701-1.JPG 2000年前後に大きく話題になったIPv6は、その後の献身的な活動にもかかわらず広く一般に普及しているとはいえません。とはいえIPv4のアドレス プールは着実に減り続けており、近い将来に新規アドレスを取得できなくなるのはほぼ確実です。IPv6の普及活動は、これまでインターネットバックボーン 側と末端のエンドユーザ側をどうやってIPv6に対応させていくかという視点で行われてきました。キャリアとユーザがIPv6に対応しないと始まらないの はその通りなので、その点では間違っていません。しかしIPv4の枯渇が現実的な将来とし見えてきた現在、実際にエンドユーザに様々なサービスを提供して いるWebサービス企業が、どのような手順を踏んでIPv6に対応していけばよいかという議論を、そろそろ始めなければいけない時期に来ていると思いま す。 Webサービス企業は、自社で大規模ネットワークを構築・運用しているところは少数で、ほとんどはデータセンターからIP接続サービスを購入して自社の サービスを運用しています。データセン ターのサービスメニューにIPv6接続があるケースはとても少なく、テストのためにIPv6でサービスを運用してみようと考えても、なかなか壁が高いのが 現実です。

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今回のセッションでは、実際にWebサービスを行っている方々をお呼びして、IPv6に対するWebサービス屋の意識はどうなのか、IPv6でサー ビスを運用しようと思ったときに障害となることはなんなのか、など現在の問題点を洗い出すような内容を考えています。またJANOGのこれまでのミーティ ングの中で、特にトラフィックの影響の点でニコニコ動画が話題になることはちょくちょく ありましたが、実際にニコニコ動画(のバックボーンであるSMILEVIDEO)の担当者の方が壇上に上るのは初めてのことです。

JANOG22では、これまでJANOGミーティングに来てなかったような層にも参加して欲しいと考えました。そこでこのようなセッションを企画し て、Webアプリケーション開発者やWebサービス運用者にもどんどに議論に参加して欲しい、JANOGというこれまで知らなかったコミュニティと積極的 に意見交換して欲しいと希望しています。