ネットワーク中立性については、世界各国のさまざまな地域で議論、検討がなされてきています。日本では、政府の「ネットワーク中立性に関する懇談会」にて10年以上前に原則やルールが議論され、さまざまな取り組みが行われており、これまで何らかの特定のトラフィッ クの品質を低下させるといった中立性に関する大きな問題は発生しておりませんでした。
JANOGではプラットフォームサービスとインターネットのあり方やゼロレーティングと運用者の対応などの議論を継続して行ってきました。2018年度になって、新たにネットワーク中立性に関係する研究会が発足し、報告書として方向性がまとまりつつあります。
新たな方向性としては、従来の考え方を踏まえつつ、インターネットの利用に関する利用者の権利や、ネットワーク中立性の確保に関する具体的ルールを検討するとされています。
本プログラムでは、なぜネットワーク中立性の維持がインターネットや社会にとって重要であるのか? その維持について権利の明確化や具体的ルールの検討が今必要であるのかを関係者から解説し、ルールを検討するにあたって、今、ルールがゼロの状態からどうやってイチの状態とするのか、運用者としてとるべき対策、必要な準備などを議論します。
山路 栄作 (総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 データ通信課長)
実積 寿也 (中央大学 総合政策学部 教授)
石田 慶樹 (日本ネットワークイネイブラー 株式会社)
岡田 雅之 (一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター)