概要
本発表では、2025年6月のInterop Tokyoで構築される大規模デモンストレーションネットワークShowNetにおいて実施する、生成AIが現時点で実際のところど
れほどネットワーク構築・運用の役に立つのかを検証する実験と、その結果について報告します。
ここ数回のJANOGにおける発表にもある通り、生成AIの活用方法を探る流れは、当然ネットワーク運用の分野にも訪れています。一方、では生成AIがネットワー
クの運用にどれ程役に立つのかを検証し評価することは容易ではありません。
例えば生成AIを適用・検証できる環境が箱庭や一部分など限定的であったり、生成された応答がどれほど有用と言えるのかを定量的に評価するのが難しいためです。
そこで2025年のShowNetでは、ネットワーク運用における生成AI利用のケーススタディとして、ShowNetの構築・運用に生成AIを用いることでその有用性を
検証・評価する実験を行います。
実験では、ShowNetの構築に参加するエンジニアたちに、ShowNet向けに実装した生成AIによるチャットボットを利用してもらい、AIの応答が役に立ったか、
立たなかったかを評価してもらいます。
このチャットボットは、一般的な応答の生成に加えて次の機能を持ちます:
・実際に幕張メッセで稼働しているルータやスイッチのCLIを生成AIが直接操作する(MCP)
・ShowNetのチケットシステム上のチケットを生成AIが参照する(MCP)
・昨年のShowNetの機器のconfigと今年の設計資料を必要に応じて検索する(RAG)
チャット画面を通じて生成AIに対して自然言語で指示することで、例えばAIに直接ネットワーク機器を操作させ、状況確認やdebugに利用することができます。
はたして生成AIはShowNetの構築・運用にどれほど役に立つのか(または立たないのか)、この発表概要を書いている今の段階ではまだ誰にもわかりませんが、
本実験を通じて得られるネットワーク運用における生成AI利用に関するユースケースは、幅広くネットワークオペレータにとって新しい知見をもたらすものと期待しています。
議論ポイント
* 生成AIの活用方法としてどのようなものがあったか、それが異なる環境ではどう役にたつのか/たたないのか、他にはどんな使い方が考えられるか
* 生成される応答の曖昧さをどう許容するか
* MCPで繋げるとよさそうなもの
* 今後実運用に生成AIを利用するときのハードルは何か
場所
大展示場1/1F
日時
Day1 2025年7月30日(水) 17:15~18:00(45分)
発表者
公開資料
その他
本プログラムはストリーミング配信予定です。
アーカイブ配信
本会議終了後、順次配信予定です。