概要
2025年、エンタメ分野ではIPv6が活用可能な家庭用ゲーム機が増え、また、 IoT分野ではIPv6を前提としたMatter対応デバイスの登場により、家庭用ネットワークにおいてIPv6が再び注目を浴びるようになりました。
しかし家庭用ネットワークにおいて、IPv4・IPv4/IPv6共存技術の話はよく見るものの Native IPv6 に関する知見は驚くほどに少なく、「開発者」「ISP・ルータベンダー」「ユーザ」それぞれで、せっかくのIPv6活用の波に乗れず、複雑化し制約の課されるIPv4・共存技術環境に悩み続ける境遇に陥りがちです。
JAIPAの主催する「ゲーム・エンタメNW接続性課題検討WG」では、この通信技術発展の機会損失に対処すべく、1つの切り口として、IPv4の時代からホットワードであった「ポート解放」について、IPv6ではどうなっているのか・どう活用できるのか、議論を進めています。また、直近では「IPv6対応UPnP」を用いた「IPv6版ポート解放」について、下記WGのGithub Repositoryにて各種知見・プログラムの公開も行なっています。
– https://github.com/upnpv6-swg/upnpv6-router-list
– 「IPv6対応UPnP 対応ルータの調査・取りまとめ」
– 「IPv6対応UPnP 各種用語の整備」
– 「ゲームにおけるIPv6版ポート解放活用事例」
– 「IPv6版ポート解放くんアプリ」
– 「クライアント(コントロールポイント)IPv6対応UPnPサンプル実装」
このプログラムでは、国内市場での事例や海外ISPでの活用動向も踏まえつつ「IPv6におけるポート解放とは何か?」「どういった通信に対して活用でき、どのようなメリットがあるのか?」といった基礎的な内容をゲーム開発者の視点から解説します。
また、もう一つの事例として「Matter」も家庭用ネットワークのIPv6活用の黒船として登場しつつあるが、こちらの通信パターンではどうなのか、家庭用ルータベンダーの視点から解説します。そして、これらの変化をISPはどう捉え協調してゆくべきなのか、ISPの立場からも解説を行います。
その上で、家庭用ネットワークにおけるゲームやMatter IoTにおけるIPv6版ポート解放の活用案や、ポート解放という文化を捨てて全ての通信をサーバ経由前提とすることの良し悪しについて等、議論を行います。
このプログラムを通じて、家庭用ネットワークのユーザ環境におけるIPv6活用に関する理解を業界全体で深め、より多彩な通信の可能性・選択肢を持てるようになることを目指します。
補足:
この議論は過去のJANOGで行った下記のプログラムの延長線上にあります。必要に応じて参照いただくと、より有意義なプログラムになるかと思います。
- JANOG49 「IPv6版ポート解放!? UPnPでWANIPv6FirewallControlを使った ゲームのP2P通信をしてみた!」
- JANOG51.5「IPv6ポート開放」という概念を整理・理解しよう」
- JANOG53「ついにIPv6向けUPnPが実運用フェーズに!〜 ゲームのP2Pオンライン対戦での活用フィードバックを添えて 〜」
議論ポイント
- 今後の家庭用ネットワークで行われる通信パターンの変化について
- 「IPv6版ポート解放」という言葉の意味・定義
- ポート解放が活用できる(or 現在活用中の)、家庭用ネットワークでのシナリオ・ユースケース
- ポート解放という文化が廃れた場合に、ゲーム・IoT・ネットワーク業界が被る損害
- クライアント(コントロールポイント)・ルータそれぞれでの、”IPv6ポート解放” を実現するための実装ベストプラクティス
- UPnP以外でIPv6のポート解放を実現するための技術・手法
場所
本会議場1 コングレコンベンションセンターB2F ホールC
日時
Day1 2026年2月11日(水) 17:00~18:00 (1時間)
発表者
公開資料
各種情報
| ストリーミング配信 | 実施する |
| アーカイブ配信 | 実施する |
| SNSやSlackでの議論 | 制限しない |
| プログラム種別 | 登壇者から応募のあったプログラムです |
アーカイブ配信
本会議終了後、順次配信予定です
