概要
JANOG54では、OpenConfigと検証フレームワークONDATRAを活用したNW検証自動化の挑戦と課題を共有しました。今回の発表では、その後の大規模な実業務展開で浮き彫りになった課題と、それを克服するための我々の新たな取り組みについて共有します。
KDDIのネットワーク検証業務では、マルチベンダー構成かつ数千項目に及ぶ膨大な検証項目への対応が求められます。この要求に対し、従来の「属人的なスクリプト管理」は限界を迎え、「組織的なプラットフォーム運用」への転換が不可欠となっていました。我々はこの課題を解決するため、YANGモデル(OpenConfig/Vendor Native)とOpenConfigベースの検証フレームワークONDATRAを拡張した、独自の検証プラットフォームを内製開発しました。
このプラットフォームを大規模な商用導入検証に実戦投入した結果、従来は数ヶ月を要していた検証期間をわずか数日へと劇的に短縮し、マルチベンダー環境における検証のスケールアウトを実現しました。
本セッションでは、自動化を大規模展開するにあたり直面した以下の課題に対し、ソフトウェアデザインとプラットフォーム化によっていかにして乗り越えたか、その具体的な知見を共有します。
・マルチベンダー対応によるコードの肥大化
・CLIパーサーのメンテナンス問題
・自動化コードの実行性と再利用性の欠如
さらに、技術的ポイントとして、以下の詳細にも踏み込みます。
・ygot/ygnmiを用いたYANGモデルベース開発による「CLIパーサーからの脱却」
・OpenConfigのカバレッジ不足を補完する、Vendor NativeやCLIを併用したハイブリッド戦略
・自動化の高度化に伴う「スキルセットの増大」を解消するための抽象化の工夫
・ベンダー間の実装差異を管理し、環境依存の設定を分離するアーキテクチャ
単なるツール紹介に留まらず、自動化を「持続可能な組織の資産」にするための設計思想を共有し、NWエンジニアにとってより良い自動化のあり方を皆様と議論したいと思います。
議論ポイント
- NW検証の実施項目について
・どのようなプロセスや考え方で検証業務を定義し実施していますか?
・検証業務の組織間での共通化や外部化についてどう考えますか?
- Google の Feature Profiles(*) や、検証コードの機器ベンダーとの共有など - NW自動化の組織的アプローチについて
・自動化における3つのロール(要件定義、開発/保守、利用/実行)をチームとしてどう分業・連携させていますか?
- 「分業によるコミュニケーションやスキルギャップの壁」を乗り越える工夫はありますか?
・自動化人材の育成において、「NWエンジニアへのSW教育」と「SWエンジニアへのNW教育」のどちらが近道でしょうか?
- 生成AIやコーディングエージェントの普及は、このどちらの学習コストをより引き下げていると感じますか? - NW自動化のソフトウェアアプローチについて
・CLIパーサーベースの自動化/コードベースでどのような課題を持っていますか?
・マルチベンダー検証の自動化において、ベンダー間の差異をどのように管理していますか?
・モデルベースのAPIやインターフェースを持つネットワーク機器が増えてきている中で、どこまでこれを実運用し始めていますか?
(*) NW機器の挙動を検証するためのテストスイート(ONDATRAテスト群)を定義・提供するリポジトリ
https://github.com/openconfig/featureprofiles
プログラムで扱う内容について
プログラムで扱う内容
・開発したマルチベンダー対応のテストフレームワークのデザインや概要
・OpenConfig/YANGベースのテストフレームワークONDATRAの使い方
・OpenConfigと既存手法(CLI/Vendor Native)の組み合わせや両立方法
・大規模なテストシナリオのコード開発と運用における保守性やスケーラビリティ上の課題と対策
プログラムで扱わない内容
・コーディングにおけるAIの活用方法について
・具体的な検証業務の項目やクライテリアについて
場所
本会議場2F-A(真珠の間A)
日時
Day1 2026年7月15日(水) 14:45~15:30 (45分)
📅 Googleカレンダーに追加発表者
Takuya Ogihara
Nao Yokoyama
公開資料
各種情報
| ストリーミング配信 | 実施する |
| アーカイブ配信 | 実施する |
| SNSやSlackでの議論 | 制限しない |
ストリーミング配信
準備中
アーカイブ配信
本会議終了後、順次配信予定です