JANOG21 Meeting @ Kumamoto|Jan. 24-25,2008|Parea Hall, Kumamoto city.

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NGNなんて関係ネーと思ってねぇ?
2008年1月25日(金) 09:30 - 10:15

パネルチェアの石田 慶樹さん(日本インターネットエクスチェンジ株式会社)にプログラムについてのお話を伺いました。

ーなぜ、このプログラムをやろうと思いましたか?

石田: インターネット業界にはNGNに冷笑を浴びせかける人は多いのですが、それにもかかわらずNGNの実態がネットワークのオペレータレベルまで落ちて来ていないことに危機感を感じて、今回応募しました。

ISPの一部の上層部はNTT-NGNに対して積極的にアプローチしようとしてるという話も聞こえてくるんですが、ISPのオペレータの人たちがそんな動きをまったく知らなかったというのが結構ショックだったこともあります。

ー現場のオペレータにも温度差がありそうですね。危機感ということですが、今回のプログラムの焦点はどんなところでしょうか?

石田: 今回は特にNTT-NGNに絞り、それによってISPにもたらされる変化に焦点を絞る予定です。

ーエンジニア、オペレータが意識するNGNとしては確かに、NTT-NGNが真っ先に思い浮かびますし、一番意識するところになりますね。ところで今更なのですが、NGN(NTT-NGN)って何でしょうか?

石田: 通信インフラのIP化です。NTT-NGNでは固定通信インフラのIP化です。

ーNTT-NGNではすでにトライアルを行っており、今年はいよいよ本格サービスを迎えようとしていますね。NGNは手の届くところにあるといえるのでしょうか?

石田: Yes and Unknown.です。固定電話やフレッツ網の置き換えという意味では「Yes」です。一方、垂直統合型のビジネスモデルやプラットフォームサービスの到来という意味では「Unknown」です。

ーどうやら垂直統合型ビジネスモデルに今後の鍵がありそうですね。では、NGNを使うとどうかわるのでしょうか?

石田: ビジネスの側面からは固定通信での垂直統合型ビジネスモデルの到来およびそれを光アクセスにおいて圧倒的な力を持つNTTがやるということでは非常にシビアな話になると思います。しかし、使うという意味では何も変わらないでしょう。それはIPv6を使っても何も変わらないのと同じことです。

ー変わらないなかに、また変わらないからこそ、ネットワークオペレータにとっての危機が潜んでいるのですね。

石田: これまで、日本のインターネットのエポックメイキング、あるいは言い方を換えるとパラダイム変化はいくつかありましたが、今回のNTT-NGNは次のそれだろうと思います。そこに無関心であること自体に危機があるんじゃないかと思います。

ー無関心から関心への転換のきっかけとして、ここだけは聞いて帰って欲しいところは?

石田: これからおよそ10年間に来るであろう激変の時代についてです。

ーNTT東西のNGN認可申請へのパブコメ(総務省による意見募集 東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社の活用業務に係る認可申請に関する第二次意見募集 )募集がはじまったようですね。NGNの到来によって、オペレータにとってこれからの10年間は怒濤の10年になるかもしれないわけですね。

石田: 怒涛の10年というよりも、今後の10年を決めるための怒涛の3年間の始まりの年が今年だろうという言う方のほうが正しいかもしれません。

ー今まさに危機感を自分のこととして取り組んでゆく必要があるわけですね。それでは、さいごにJANOG21の参加者に向けてメッセージをお願いします。

石田: NGNを馬鹿にしたり嫌ったり前に、自分に関係のあることだと認識してまずは知って欲しいです。批判するのはそれから後でもいいでしょう。それから、インターネットの今後のあるべき姿を考える契機として欲しいです。

ーありがとうございました。熊本でのプログラムを楽しみにしています。