JApan Network Operators' Group
JANOG44は株式会社アット東京のホストにより開催します。

JANOG44ミーティングのプログラムについて

JANOG44プログラム委員の熊本です。

ついに公開となったJANOG44のプログラムを決定する上で、プログラム委員が注目した点や、今回のプログラムタイムテーブルの意図をご紹介します。

プログラムの選考方法

毎回JANOGミーティングのニュースレターを楽しみにされている方は既にご存知かもしれませんが、JANOGミーティングスタッフがどのようにプログラムを選考し、タイムテーブルを決定しているかについては、「俺たちの最強プログラム」にて紹介されています。

今回はプログラム委員は12名居ますので少なくとも12通りのタイムテーブルが誕生しています。私自身も3通りのタイムテーブルを作成し、その中の1つを最強プログラムに応募したため、実際にはもっと沢山のタイムテーブルが考えられていると思います。

プログラム委員の職種も様々なので、それぞれの色があるのが面白いです。それぞれのタイムテーブル発表を聞いて垣間見える「軸」をいくつか紹介します。あくまでも「軸」という事なのでそれ以外の事を考えていない訳ではなく、軸を作った上でそれぞれタイムテーブルを熟考していきます。

懇親会前のプログラムを軸にする

例年のJANOGミーティングで一番参加者が多い時間帯はDay2の夕方です。この時間帯はできるだけいろんな方に関わる内容だったり、 懇親会で酒の肴として議論できるようなプログラムを配置し、そこから逆算してDay2のプログラムを作っていくという軸です。その後、Day1、Day3を作っていくことになるのでそれぞれの日に違う流れがあります。

最終プログラムを軸にする

有終の美、という訳ではありませんが、最後を飾るプログラムを軸にする委員も居ます。Day3の最後のプログラムを決めて、それを軸としてDay1まで逆算して作っていく流れになります。この軸で作った場合はDay1からDay3までが一つの流れとして作られます。

当日の運用を考えた上で軸にする

プログラム自体はしっかり吟味した上でさらに考える事ではありますが、本会議当日の運用などを考えた軸も存在します。パラレルセッションをどこに配置するかなどを最初にあらかた決め、そこからプログラムを当てはめていくという方法です。5年くらい前までは、パラレルセッションはDay3の午前中に行うといったのが一般的でしたが、ここ最近はプログラムの応募数も年々増加する傾向にあり、プログラム委員としてはうれしい悲鳴となっています。できるだけ多くのプログラムを採用をするため、近年のJANOGミーティングは全日パラレルといった場合も多くなってきました。

ストリーミング配信を軸にする

今回はプログラム応募時に「すべてのプログラムをストリーミング配信する」としています。そのため、JANOG44ミーティングでは考える必要はないのですが、残念ながら現地に来ることができなかったJANOGerに配慮して、ストリーミング配信を軸にしたセッションを考える事もあります。例えばストリーミング可能セッションが「有り、無し、有り、無し、有り」というタイムテーブルがあった場合、ストリーミング視聴者からすると中途半端になってしまい、ストレスが溜まります。そういった事を考慮して「有り」を固めたタイムテーブルという作り方をする場合もあります。

おそらくもっともっと軸はあると思いますが、本題からズレてしまいますのでこの辺で。このように例え同じ人でも軸を違うものにして作ったタイムテーブルは出来上がると全然違うものになります。

今回のタイムテーブルについて

さて、本題に戻りまして、ありがたい事に今回は私のタイムテーブルが投票にて決定しました。それでは今回決定しましたJANOG44ミーティングのタイムテーブルを解説します。

今回のタイムテーブルはいつもと違う点が2点ほどあります。

  • トリプルセッションの登場
  • 懇親会前のプログラムをパラレルにする

まず、ひとつめのトリプルセッションについて。今回は3会場で同時にプログラムをする試みをする予定です。いままでも「パラレルでどっちも観たいのに観れない」という声も聞こえてきたのですが、今回は試験的にDay3の午後にさらにひとつ多い、トリプルセッションを組み込みました。

私が今回「軸」とした所はまさにここの、「トリプルセッションにどのプログラム・どの時間にするか」です。JANOGの言葉通り、ネットワークオペレーターが主な参加者となるので分類は非常に難しいのですが、その中でも参加者が3等分に近くなるようなジャンル分けを心がけたつもりです。それぞれを「尖った深い技術を議論する」「地域のISP、CATV事業者が今困ってる事を議論する」「自動化を議論する」としてプログラムを当て込みました。当然ですがその全てにリーチする参加者もおられると思います。その方には申し訳ないですが、期間限定で全てアーカイブ配信を行いますのでそちらも活用ください!

この軸を基にしてパラレルセッション毎に色をもたせるような作りを今回させてもらったのですが、その流れで作っていった結果なんですが、懇親会前のプログラムもパラレルしてみてはと考えました。先程の軸の中で懇親会前のセッションを軸に・・・という考えがありましたが、その場合は大体がシングルセッションになってしまうのですが、パラレルを軸で作ったおかげか、Day2最後もパラレルにしてみたほうが面白いのではないか?と考え今回のタイムテーブルに組み込みました。今回久々の関西での開催ということもあり西日本に関連したパネル式セッションと、海外ではついにサービス提供も始まった5Gを中心とした今知っておきたい技術を設定しました。

その他、その日最初のセッションをシングルセッションにして1会場にまとめることで開場時の混雑緩和を期待したり、ホストさんに無理を言ってちょっと遅めの終了になりますがBoFの時間を確保させていただいたりしました。

その他詳しいプログラム内容などは今後、プログラム紹介のニュースレターでいくつかさせていただきますので、こちらもお楽しみに!!

今回、プログラムご応募いただきました皆さん、本当にありがとうございます。私達は頂いたアブストラクトや資料だけでしか判断できず、なかなかすべての思いを受け取れていないかもしれません。アブストラクトに私達が考えたテーマを反映した項目を入れてくださる方も多く、できれば全てのプログラムが採用できればと考えています。 そのための試金石として今回のトリプルセッション含めたJANOG44ミーティング、引き続き準備をしていきますので期待してもらえれば幸いです^^