JANOG48ミーティング 企画編成委員の中野です。

 

プログラムが公開され、また参加登録も開始されていますが、皆さん、もう「参加登録」はお済みでしょうか。
今回のニュースレターは、JANOG48のタイムテーブルの立案者であるプログラム委員 加藤 史章さんにJANOG48のプログラムについて、お話を伺いました。

最強の人

中野: まずは簡単に自己紹介をお願いします。
加藤さん: NTTPCコミュニケーションズで働いている、加藤 史章と申します。
普段は、エンタープライズ向けのVPNサービスの運用・開発を行っていまして、そのネットワーク装置の設定自動化に取り組んでいます。JANOG47では「エンタープライズ向けVPNサービスNW 運用自動化への挑戦」という内容で発表させていただきました、ご興味のある方はぜひ見ていただければ。

中野: 今回のJANOG48 プログラム委員の参加のきっかけは、何だったのでしょうか。
加藤さん: JANOG46でハッカソン委員としてスタッフ参加しまして、その時にプログラム委員の方の仕事を見ていて、楽しそうだと思っていました。また、今回のJANOG48のプログラム委員長の大塚 悠平さんは、会社の先輩で、また同じチームだったこともあり、JANOGの実行委員として楽しそうに活動されているのを見ていたので、今回応募しました。

中野: ということは今回、プログラム委員は初にして、最強プログラムの立案者「最強の人」になったと。
加藤さん: 恐縮ですが、そういうことになります。

「事前採点」「プログラム委員のプレゼン」「投票」

中野: 今回のJANOG48のプログラムとタイムテーブルはどのようにして決められたのでしょうか。
加藤さん: 最強プログラムv2という方式で、具体的には以下のような流れになっていまして、今回はたくさんのプログラム応募があり「①プログラム委員による事前採点」から行いました。

・プログラム応募の締切時点
    ・応募少数の場合は、②最強プログラム方式を実施
    ・応募過多の場合は、①プログラム委員による事前採点を行い、②最強プログラム方式を実施

①プログラム委員による事前採点(v2方式)
  ・各プログラム委員が、全ての応募プログラムを採点
  ・採点基準は、3つの評価軸を5段階で評価し合計を算出(最大15点)

      1. 有益性:技術/運用の観点で日本のネットワークオペレータにとって有益か?
        ・JANOGのみんなで議論をする価値ある発表であるか?
        ・面白さ、実用性、重要性

      2. 明確さ:議論のポイントが明確であるか?
        ・議論を意識した発表であるか?
        ・どんな議論が展開されるかイメージできるか?

      3. 新発見:発表/議論を通して新しい発見を得ることが期待できるか?
        ・新しい知見や技術を得られそうか?
        ・扱うトピックの新しさだけでなく、熟した技術であっても新たな発見が得られるかもしれない。

  ・採点合計の高い順で採用し、採用したプログラムの中から②最強プログラム方式を実施


②最強プログラム方式
・各プログラム委員がそれそれ、「これが最強のタイムテーブルだ!」と思うタイムテーブルを作成
・各プログラム委員により、作成したタイムテーブルのプレゼンを行う
・全てのプレゼン終了後、各プログラム委員が最強と思ったタイムテーブルに対して投票を行う
・最も得票数の多いタイムテーブルが最強プログラムとなる

加藤さん: ちなみに、今回の①プログラム委員による事前採点の結果、最高得点のプログラムは「14.17 点」でした。
中野: 「14.17 点」だと、ほぼ満点に近い得点ですよね!?
加藤さん: そうなります!!

最強プログラム決定時の模様@JANOG48 2nd PC Staff Meeting
右上が加藤さん

JANOGerが参加しやすいプログラムとタイムテーブル

中野: 最強プログラムの作成方針、タイムテーブルに込めた思いを教えてください。
加藤さん: JANOGerの皆さんが、より参加しやすい形というのを前提に、特に2つの点を重視しました。
①応募していただいたプログラムをなるべく全て採用する
②似たテーマのプログラムは、なるべく同日の同会場で連続して設定し、会場移動しなくてすむように

中野: 私も、これまで何度かJANOGに参加しましたが、プログラムの流れがすごくいいと感じてました。3日間フルで参加しても疲れることなく、また得られる事の多さや楽しさは、こういったプログラム選考とタイムテーブルの作成方法からだったのですね。
加藤さん: そうですね。参加される方が参加しやすい流れと、あとは採点結果をもとに、高得点のプログラムが連続しないようなことも考えて作成しました。

「ネットの遮断」から「コアな技術」まで

中野: 加藤さんの視点で、JANOG48の見どころ、イチオシのプログラムを教えてください。
加藤さん: イチオシとしては、Day3(2021年7月16日)の「インターネット(遮)断」です。
JANOG47で「「けしからん連合ネットワーク」へようこそ」で登壇された登 大遊さんをはじめ、業界の著名人に登壇いただくプログラムで、昨今のミャンマーの政治的背景を含め、インターネットが遮断された時の状況などについてお話いただきます。
特定技術の話ではなく、多くの人が興味・関心を持つ内容ですし、参加者の皆さんは何らかの形でインターネットに関わっていますので、インターネット遮断のテーマは関係・影響が多いと思います。ですので、ぜひ参加をお願いします。

また、私自身が自動化に興味を持っていますので、Day1(2021年7月14日)に自動化に関連する3つのプログラムを続けて設定しました。この3つのプログラムは、技術だけの話ではなく、自動化/標準化を根付かせる「文化の形成」や「チームづくり」「組織づくり」を含めたプログラムとなっています。
これまでのJANOGでも、「○○といった技術を用いた自動化」というプログラムは多数あり、自動化の技術は一般化したと考えています。今回のプログラムは、その自動化の確立後、それを実際にどうやって組織に根付かせるか、その文化をどう作っていくかというプログラムとなっています。

Day2(2021年7月15日)はネットワーク技術を中心としたプログラムにしています。特に後半は、プロビジョニングやSDN、NFVなどのコアな技術についてのプログラムとなっています。

JANOGerそれぞれの楽しみかた

中野: 今回のJANOG48は、現地とオンラインのハイブリッド開催になり、それぞれの参加の仕方があり、またそれぞれの楽しみ方があると思います、最後に参加者へのメッセージをお願いします。
加藤さん: まずは、プログラムの応募をいただいた皆さん、ありがとうございました!!
現地で参加される方は、ぜひ現地で交流させてください。オンライン開催も今回で3回目で、JANOG Meetingの運用としては成熟してきているので、オンラインでも活発な議論をしていただき、またEventHub/Slackなどを活用してコミュニケーションをたくさん取ってもらえればと思っています。
ぜひ、楽しいJANOG48にしていきましょう!!


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