JANOG58 企画編成委員の丸岡です。
JANOGの会場で、参加者が使用しているWi-Fiやネットワーク。その裏側では、NOCチームが事前準備からホットステージ、本会議中の運用までを担っています。
今回は、JANOG58 NOCチームの全体リーダーである今井さん、桑原さんに、会場ネットワークづくりの裏側や、チーム運営で大事にしていることを聞きました。 記事の後半では、各チームからのコメントも紹介します。

全体リーダーに聞く,NOCチームの役割
(丸岡):普段の業務で扱うネットワークと、JANOGの会場ネットワークでは、どんな違いがありますか?
(今井さん):大きな違いは、長く使うネットワークなのか、イベント期間中に使うアドホックなネットワークなのか、という点です。 普段の業務では、5年程度使うことを前提に設計することもありますが、イベントネットワークでは、会期中に安定して動くことが最優先になります。そのため、命名規則なども、長期運用を前提に厳密に作るというより、その場に集まったチームの中で分かりやすいことを重視しています。
(桑原さん):JANOGの会場ネットワークは、コミュニティ主体で作るネットワークであることも大きな違いです。 さまざまな場所から集まったメンバーで構築するため、技術だけでなく、チームとしてどう協力して作っていくかも重要になります。
(丸岡):全体リーダーとして、今回のNOCで最初に考えたこと、大事にしたかったことは何ですか?
(桑原さん):JANOG58の開催テーマは、「技術の成熟と次代への継承」となっています。 NOCチームでも、これまでJANOGの会場ネットワークを作ってきた経験者が、学生や若手エンジニアにどう伝え、引き継いでいくかを意識しています。まだ模索中の部分もありますが、今回のNOC活動の中で大事なテーマの一つです。
(今井さん):今回、JANOG58のホストであるアリスタネットワークス様からは、安定した会場ネットワークを提供してほしいというリクエストをいただいています。 その期待に応えることを大前提としつつ、ボランティアで集まったメンバーそれぞれの「やってみたい」という思いやチャレンジも大事にしたいと考えています。安定したネットワークと、メンバーのチャレンジを両立することを意識しています。
準備と設計について
(丸岡):JANOG58の会場ネットワークで、特に意識している・こだわっている設計・運用上のポイントはありますか?
(桑原さん):JANOGは回を重ねるごとに来場者も増え、会場ネットワークにもより大きなスケールが求められています。 そのトラフィックを支えるために、ネットワークサポーターズの企業の皆さまやホスト企業と協力しながら、さまざまな取り組みを進めています。詳細は当日のお楽しみですが、これまでにない新しい試みも織り交ぜながら、大きなネットワークを作っています。
(今井さん):会場ネットワークは、ホスト企業やネットワークサポーターズをはじめ、多くの組織に支えられています。 今回は、愛媛CATV様のご協力により、会場までダークファイバーを引く取り組みもあります。それをどのように使っているのかは、当日のNOCツアーや野良BoFなどで紹介できればと思っています。
(丸岡):一時的な会場ネットワークならでは難しさはありますか?
(今井さん):構築と撤去のスケジューリングが大きなポイントです。 会場を借りられる期間には限りがあるため、事前にリモートでできることは会期前にできるだけ済ませ、当日は短時間でセットアップする必要があります。本会議が終わった後も、すぐに撤去まで進めなければならない点は、イベントネットワークならではの難しさだと思います。
JANOG58 NOCのチームづくり
(丸岡):経験者と若手・初参加メンバーは、どのように役割分担していますか?
(今井さん):基本的には、経験者が難しい部分を担当したり、設計を固めたりしながら、初参加の人はそれを見て学び、自分が興味を持った部分に取り組んでいく形です。 ただし、「経験者だからこれをやる」「初参加だからこれはやってはいけない」という明確な線引きはありません。スキルや意欲に応じて、みんなでやりたいことに取り組んでいます。
(桑原さん):今回のチームは、社会人と学生の比率もかなり近く、さまざまなメンバーが混ざり合っています。 経験者が安定を重視する一方で、初参加のメンバーが新しいツールや考え方を柔軟に持ち込んでくれることもあります。そこに、今回ならではの新しい風があると感じています。
(丸岡):過去の JANOG NOCから引き継いでいるもの、あるいは今回のJANOG58から次に残したいものはありますか?
(今井さん):一番大きいのは、人のつながりです。 今回のリーダー陣にも過去のJANOG NOC経験者が多くいますし、NOCツアーや野良BoFを見て「面白そう」と思い、今回参加してくれた人もいます。そうしたつながりは、今後も引き継いでいきたいです。 一方で、技術面ではあえて明確に引き継ぎすぎないようにしています。 毎回、大きなネットワークを一から考える経験は貴重です。過去の設計に寄せすぎると、新しく参加する人のハードルが上がってしまう面もあるため、参考にはしつつも、毎回みんなで考えるスタイルを大事にしています。
(桑原さん):人のつながりという意味では、NOCメンバー内だけでなく、協賛企業やサポーターの皆さまとのつながりも広がっていると感じます。 JANOGの会場ネットワークは、NOCメンバーだけで完結するものではなく、より広いコミュニティのつながりに支えられているものだと思います。
会場でネットワークを使う皆さんへ
(丸岡):最後に、JANOG58参加者に向けてメッセージをお願いします。
(桑原さん):毎回、JANOGの会場ネットワークはメンバーが一生懸命作っていますが、当日には思いもよらないトラブルが起きることもあります。 今回も、NOCチーム一同、全力で構築に取り組んでいますので、温かく見守っていただけると嬉しいです。もし会場でネットワークトラブルに出会ったら、ぜひNOCと一緒にトラブルシュートしましょう!
(今井さん):皆さまに快適に使っていただけるよう、NOC一同、全力で会場ネットワークを準備しています。 もし使ってみて快適だったら、SlackやXなどで「快適だったよ」と一言いただけるだけでも大きな励みになります。また、NOCツアーや野良BoF も予定していますので、会場ネットワークの裏側に興味がある方は、ぜひ参加してみてください。
各チームからのコメント
(BBチーム):BBチームは、会場ネットワークを支える基盤として、ピアリングやIX・トランジット接続などの対外接続、ネットワークの設計・構築・運用を担当しています。
準備段階から本番対応までチームで連携し、会期当日も安定したネットワークを裏側から支えます!
(L2/L3チーム):L2/L3チームは、「Don’t do the wrong thing」のスローガンのもと、ネットワークの設計・構築・運用を担当しています。
今年はArista様のご協力のもと、VESPAなどの新たな技術にも挑戦しています。
より良いネットワークを目指し、会期までメンバー一同で議論と検証を重ねていきます!
(APチーム):APチームは、誰もが快適に接続できるネットワークを目指し、ネットワークの設計・構築・運用を担当しています。 学生と社会人がチームの中で一緒に手を動かしながら、会期当日も安定したネットワークをお届けします!
(サーバーチーム):サーバーチームは、構築するサーバーの比較的自由度が高く、シンプルにする人もいれば、あれやこれややる人もいます。 メンバーのレベルや挑戦したいことに合わせて活動できるので、初めてNOCに挑戦したい人にもお勧めです。
(ケーブルチーム):ケーブルチームは、イベントで使用するCat6Aケーブルの製作・本数管理・配線・撤収を担当しています。 初心者でも参加しやすく、ものづくりの楽しさやイベントを支えるやりがいを感じられる、NOCの第一歩にもおすすめのチームです!

