JANOG58 プログラム委員の江見(えみ)です!
こちらのニュースレターでは、DAY 1(7/15) 本会議場2F-A の最初のプログラムである「CLIパーサーからの脱却 – モデル駆動型プラットフォームによるマルチベンダー検証の完全自動化」について、事前インタビューをお届けさせていただきます!!
本プログラムは、JANOG54において発表いただきました「OpenConfigを活用したNW検証業務自動化への取り組みと課題」からのアップデートの内容となっています。
登壇者ご紹介
荻原 拓也さん、横山 直さん(KDDI株式会社 IPネットワーク部)
バックボーンやインターネットを中心としたKDDIのIPネットワークを開発する部署で、検証業務の自動化やネットワーク構成管理システムの開発などを推進するチームに所属。
本セッションでは、横山さんが前半「全体像と課題」を、荻原さんが後半「解決策の技術詳細と成果」を担当されるそうです。
数百シナリオで見えた限界
前回(JANOG54)時から、OpenConfigを活用したNW検証業務自動化を大規模な実運用へ広げていく中で、ぶつかった壁とは? まずはそこから伺いました。
前回(JANOG54)のご発表のあと、マルチベンダーかつ大規模な実運用へ展開される中で、「従来のやり方=属人的なスクリプト管理では限界だ」と最も強く感じたのはどんな場面でしたか。
テストコードが数百シナリオに達したころ、CLIのデバッグや肥大化したコードの変更リスクが技術的負債として重くのしかかります。「このまま維持・拡張するのは無理だ」——そう感じたところから、モデルベース開発への舵取りが始まりました。
タイトルにも含まれている“マルチベンダー”だからこその難しさがあれば、あわせて教えてください。
ベンダー間の実装差異については、デフォルトのVRF名やパラメータ等、細かい点で多々あり、これらを事前に全て把握するのは困難です。これらの差異を吸収できる柔軟な仕組みをフレームワーク側にどう持たせるかの設計に苦労しました。
モデルベースが変えたこと
ygot/ygnmiを使ったYANGモデルベースの独自検証プラットフォームへ移行して、一番効果を感じた点は何でしょうか。
数か月かかっていたテストが一晩で完了し、結果も一目で把握できるようになった点が最大の効果です。
また開発者目線では、関心の分離が適切に行われたことで、シナリオやモジュールのインターフェース/依存関係が明確になりました。これにより、変更時の影響範囲やコード全体の見通しが改善された点も大きな効果だと感じています。
JANOGに応募された動機は?
今回このテーマでJANOGに応募された動機を教えてください。
JANOGの場でどんな議論をしたい、どんな声を聞きたいとお考えでしょうか。
ネットワークに対するモデルベースのソフトウェア制御の機運が高まる中、KDDIでの実業務への適用事例を共有・議論したいと思い応募しました。OpenConfigはベンダー非依存で理想的ですが、対応装置やモデルの不足等から実運用でのハードルが高いのも事実です。
本発表では、ベンダネイティブなYANGモデルを組み合わせることで、OpenConfigを段階的に取り入れる現実的なアプローチをご紹介し、皆様と意見交換したいと考えています。
議論したいポイントについて
議論ポイントの中でも、NW自動化の組織的アプローチは特に興味深く感じました。前回のJANOG54(2年前)から、チームの体制や取り組み方に変化はありましたか。ロールの分担・連携の面で、うまくいった工夫や直面している具体的な課題があれば教えてください。
以前はネットワーク機器の開発/導入チームがテスト開発も兼任していましたが、現在はテスト開発に専念するチームを分離しました。これにより、ソフトウェアとしての品質向上や、長期的なプラットフォーム維持がしやすい体制になっています。
一方で課題として、検証要件の定義や実装の妥当性確認においてチーム間連携が必須となり、コミュニケーションコストが増加している点が挙げられます。
さいごに一言! こんな方に聞いてほしい!
当日に向けて、JANOGerへのメッセージ・意気込みをお願いします!
私たちのチームは、伝統的な手作業やCLIベースの運用を、モデル・APIベースの運用へ進化させたいと考えています。
「大量テストの手動実行」や「属人的な即席スクリプト・TeraTermマクロのメンテ」にうんざりしている方、そして「YANGやOpenConfigを用いた自動化」に興味がある方に、ぜひ聞いていただきたいです。
今回の発表が、同じ課題感や志を持つJANOGerの皆様への刺激や参考になれば幸いです!会場でお待ちしています!!
当日情報はこちらです!!
– 日時:Day1 7/15 14:45–15:30
– 会場:本会議場 2F-A
– プログラムページ
是非、ご参加ください!

