JApan Network Operators' Group
JANOG38は株式会社オキットのホストにより開催します。

「斬」なプログラム、「斬」な議論

JANOG38プログラム委員長の金子です。

JANOG38では、プログラム委員は「斬」をテーマに活動を行ってきました。開催から3週間ほど経ってしまいましたが、本会議をプログラム委員の視点から振り返ってみたいと思います。

「斬」の狙い

今回のJANOG38では、「斬」をテーマとし、NOGとして必須であるネットワーク運用に関する議論に加え、

  • ネットワーク運用そのものではないが、それに関連するトピック
  • ネットワーク運用の諸問題に対する、ネットワーク運用者以外の視点を含めた異なった角度からの議論

を実現することで、ネットワーク運用に対して新しい斬り口を提供することを目標に掲げました。

プログラム募集開始当時、「斬」を強調することで、応募に向けたハードルが高くなってしまっていないか? と議論にもなったのですが、結果として30を超えるプログラム応募がありました(選考については「最強のタイムテーブル解説」も参照してみてください)。

「斬」なプログラム

60分程度の本プログラムでは、ルーティング、DNS、データセンタネットワーク設計などのネットワーク運用に直接的に関連する議論だけでなく、これまであまりJANOGでは扱われてこなかった

  • 伝送に近いレイヤに関する議論
  • 機械学習のネットワーク運用への活用・機械学習から見たネットワーク

など、ネットワーク運用に新しい視点・斬り口を提供するようなプログラムを実現できたと思っています。

5分質疑なし一本勝負のLTに関しても、前回同様に公開投票形式で行い200票以上の投票がありました。直近の地震に対する対応などホットなトピックを中心に、本プログラムと比較してタイムリーな話題が多く票を集めました。 投票結果を公開することによって、今ネットワークオペレータが何に興味を持っているのかが可視化されたことも重要で、今後、今回のLTでの登壇や投票結果などを通じて、本プログラムに応募するような流れができることを期待しています。

「斬」な議論

JANOGは議論を重視する場です。

本会議では「そもそもこの技術/議論は必要なの?」といったレベルの厳しい質問も含め、会場と壇上が対等な立場で活発に議論を交わす場面が多く見られました。講演者の話を一方向的な聞く講演会ではなく、まさにJANOGらしい議論が様々なプログラムで行われていたように思います。また印象的だったのが、よく議論に参加してくれるJANOGerの方以外にも、様々な分野/立場の方がマイクの前に立たれていたことです。一つのトピックに対して、様々な視点から「私はこう思う」という意見があり、良い意味で予想を裏切る方向性の議論が実現できたのではないかと感じました。

各々興味のあるトピックごとに議論を交わすBoFでは、同じ課題意識・悩みを抱える運用者同士で深い議論が行われていました。BoF配置の都合上声が届きにくいなど課題はありましたが、Face to Faceで課題を持ち合わせているオペレータ同士が直接議論することで、同じ問題と戦う会社を超えた仲間づくりを行う場を提供できたと思っています。

最後に

ここまで、プログラム委員の立場として考えていたこと・感じたことについて書かせていただきました。参加者・登壇者のみなさまから見たJANOG38はどうだったでしょうか? JANOG38は、マイクに立っていただいた参加者の方も含め、登壇者、ホスト様、スタッフみんなで作り上げたJANOGだったと思っています。今回の議論をきっかけに、日本のインターネットを良くするような議論や活動が始まることを期待しています。

追伸

本プログラムのアーカイブ配信(8/8まで)及び、オンラインアンケート(7/31まで)を実施しています! 動画アーカイブは、現場での議論も含めて視聴が可能です。職場の方にシェアするなら是非アーカイブ公開中にどうぞ!

また、次回のJANOG39に向けて、アンケートへのご回答も是非よろしくお願いします!