JApan Network Operators' Group

JANOG40ミーティング開催地に福島を選んだ理由

janog39-2.jpgこんにちは、JANOG40のホストをやっています日本ネットワークイネイブラー株式会社(JPNE)の石田です。今回は、日本インターネットエクスチェンジ株式会社(JPIX)と共同でホストをしています。

JPIXにおいて共に20周年にあたるJANOG40をホストするということは数年前から予定していたことでしたが、たまたま2016年6月のタイミングでJPNEに異動になり、急遽共同ホストという形をとることにしました。それまでの準備はJPIXの立場で進めてきたので、日程や会場の決定については深く関わりました。

今回は、なぜ会場として福島を選んだかを少し説明したいと思います。JANOGは年々規模も大きくなっており、地方開催といえども500名を超える登録者を数えるほどになっています。この参加者数・日程の会議を東京で開催することは、会場の予約や費用の両面でますます難しくなってきています。このため、東京の会社であっても地方で開催することが有力な選択肢になるわけです。

次に、JANOGをどの地方で開催するか決定する必要があります。2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震とそれに伴って発生した津波、およびその後の余震によって東北地方は大きな打撃を受けました。なかでも福島は東京電力福島第一原子力発電所事故により実際に発生した原子力事故災害以上に風評被害を受けています。つい先日も地方の新聞社や複数の著名人によってデマが拡散されました。この人たちは決して悪気があるわけではないのでしょうが、だからと言って震災以降ずっと現地のことを気にかけていたというわけでは決してありません。

一方で、震災発生直後から今にいたるまで、現地と深く関わり続け、様々なデータを収集しそれに基づいたエビデンスを提示することにより、現地の暮らしを継続的に支援されている方たちもいます。そのうちの一人が2017年の3月に東京大学を退官された早野龍五先生です。早野先生は何を隠そう日本にインターネットを持ってくることに深く関わった当事者の一人でもあります。

早野先生たちの活動に少しでも手助けできることとは何かを考えたとき、それは福島がまだ復興の途半ばであるにしても、JANOGのようなイベントを開催もできる、参加者の楽しみの一つでもある地酒や果物などの様々なものを味わうことができる、そういったごくごく普通の場所であることを実感することではないかということでした。そこで、今回の開催地を福島とし、この規模のイベントが開催できる場所として郡山にあるビックパレットふくしまを選択しました。

IMG_2190.JPG
会場となるビックパレットふくしまから望む街並み

IMG_20170407_223807.jpg

郡山には平成27年3月に制定された「郡山乾杯条例」があります。その条例の趣旨の中には、「地域の食文化に愛着と関心を寄せ、地酒等や地元産農産物を自ら味わうとともに郡山市を訪れる多くの方へ提供することは、郡山市の魅力の発信、交流人口の増加、地域産業の振興と発展、そして東日本大震災、原子力事故災害からの復興へとつながります。」と書かれています。私たちは訪れる立場として、現地でJANOG40を意義あるミーティングとすると共に、現地の様々な飲食物を味わいたいと思います。懇親会では乾杯のための地酒を用意する準備も進めています。
郡山で乾杯しましょう!