


発表者インタビュー: 大阪のインターネットの昔と今
東日本大震災が発生した直後、大阪のデータセンタの検討が増えたと聞きました。しかし東京にトラフィックが集中している現状は今も変わりません。そんな状況を打開するために、今回のJANOGミーティングでは大阪のインターネットを語るセッションを行います。
- エヌ・ティ・ティ・スマートコネクト株式会社の原幸之助さん(以下、原)
- ヤフー株式会社の高澤信宏さん(以下、髙澤)
- ビッグローブ株式会社の南雄一さん(以下、南)
- 株式会社ケイ・オプティコムの生野勇貴さん(以下、生野)
以上4名の発表者の方にインタビューを行いました(聞き手: JANOG40ミーティング実行委員(以下、JANOG))。
JANOG: 応募したきっかけは?
一同: 過去のJANOGミーティングでは、Peering BoFで毎回いろんな方が大阪ネタの話をしていました。今回はBoFが開催されない予定という事で、壇上で一度大阪のネットワーク事情を議論してみたいと思って応募しました。
JANOG: 皆さんはどのような立ち位置で登壇される予定でしょうか?
原: 私は大阪を中心としてデータセンタ事業をしていますが、東京中心のトラフィックをもっと大阪に持ってこれたらいいなと日々思っています。その中で色々と進出の際に障害になった所を一緒に解決した部分を一部共有できるといいなと思っています。東京だと「大手町」にほとんどのトラフィックが集まっていると言われていますが、大阪の場合は「堂島」という所に集まってきていると言われています。しかし、この堂島にあるデータセンター同士の接続の品質があまり良くありませんでした。今後堂島以外にもいくつかデータセンタが作られていくので、それらとの接続性を高めていかなければと思っています。どうすれば、もっと大阪にみんなが来てくれるかという所をファシリティ面で議論をしたいと思います。
生野: 私達はユーザの大半が関西です。現在はいろんな事業者さんが大阪に進出していただいたおかげで大阪でも沢山のトラフィックを捌く事ができていますが、以前はほとんどが東京経由になっていました。そのあたりの東西のトラフィック推移から話ができればと思っています。
髙澤: Yahoo!ではBCP対策として東西でネットワーク構成を分けています。BCP対策はコンテンツ事業者や海外事業者中心に進んできていますが、もっと対策が進まないかなと思っています。2011年の東日本大震災の際に、トラフィックがどのように移動したかの話をしたいと思っています。
南: ビッグローブはいろいろな追い風もあり、一昨年大阪に進出しました。正確には昔進出していた時期がありましたので、再進出ですね。今回進出した際に苦労した所や、実際接続してどうだったかという事を共有したいと思います。
JANOG: 最近のJANOGミーティングで行われるPeering BoFの大阪ネタで言えば「堂島問題(堂島のデータセンタ間の接続性が悪かったため近隣の他データセンタとの接続が容易にできなかった問題)」が話題ですが。
原: はい、堂島問題はずっと追っかけています。回線の話でいえば、堂島だけが問題ではないんです。最近は堂島以外にもデータセンタの建設が進んでいます。そことの接続も考えていかなければいけないですし、なによりBCPという観点だと、志摩からの海外線も考えないといけません。
南: ほんと海外線、辛い!
JANOG: それは価格? 品質?
一同: (苦笑)
原: そのあたりも話を持ち寄りたいと思います。
生野: 一体どこまで話せるか…
原: じゃあ生野さん、話せる方向で(笑
JANOG: 海外線以外のBCPについてはどうでしょうか?
髙澤: うちはやりすぎたかもしれないが、海外のコンテンツ事業者もそれなりに大阪に進出してきています。海外系だと国によっては土地が広いので、複数拠点を置くというのは必然的になってるのかもしれませんね。
原: 副作用かもしれませんが、コンテンツが揃ってきたのでISPの皆さんもトラフィック分散がさせやすくなってきたと聞いています。
JANOG: 最後にJANOGの皆さんへ一言。
原: 今回のプログラムは配信を行いません。その代わり他ではできないような濃い大阪トークにしたいと思っています。皆様、是非会場にお越しいただいて、大阪のネットワークを盛り上げるために一石を投じて貰えると嬉しいです。大阪にこれから進出する皆さんの力になるような情報を惜しみなく出したいと思っていますので、懇親会前最後のセッション楽しみにしてください!
JANOG: ありがとうございました!
