総務省の「ネットワーク中立性研究会」の中間報告書においては、大規模災害への対処のために「都市部一極集中型のネットワーク構成・トラヒック交換を見直す必要がある。」と記述されており、総務省が地域IXやCDNの活用を支援することとなっています。
実はNTT-NGNは折り返し通信が実装されており、IPv6パケットは同一地域の通信が地域内に閉じて交換することができます。このため、もし大規模災害などによって都市部での相互接続が機能しなくなった場合にも、ローカルな通信を実現できる可能性が残されています。
万が一の事態が発生した場合に、エンドユーザが容易にローカルな情報を取得したり情報交換を行えるような仕組みを実現するためには、今現在何が欠けているのか、それを補うためには何をすれば良いのかを検討する必要があります。特に、ユーザ間の移動体・固定通信を意識せずにすむようなコミュニケーションの実現や、地方自治体等の情報がクラウド化されつつある中での公共情報の共有の在り方を、真剣に考える必要があります。
本セッションでは、折り返し通信を地域内情報通信のインフラとするために、どのような方策が必要になるかを運用者の視点から議論します。
石田 慶樹 (日本ネットワークイネイブラー株式会社)
山口 ただゆき (東日本電信電話株式会社)
外山 勝保 (インターネットマルチフィード株式会社)
地域内通信基盤としてのNTT NGN 折り返し機能(石田)
NGN折り返し通信ほか、IPv6通信の状況(山口)
地域内通信基盤としてのNTT-NGN折り返し機能 - IX事業者から⾒た折り返し機能(外山)
NGNを地域内通信インフラとして活用する?(山口)