JApan Network Operators' Group

クラウドサービス利用者そして事業者として生き抜くために必要なエンジニアのスキルについて考える

概要

このプログラムでは,クラウドサービスを利用する,あるいは提供するにあたって,

  1. 現状の日本のクラウドサービスの抱える問題点や課題
  2. エンジニア,特にネットワークエンジニア/インフラエンジニアがどのようなスキルを今後追求していくべきなのか
  3. そして今後クラウドサービス自身はどのように変わるのか,また,変えていくべきなのか

の3点について議論する.具体的な議論の項目として,以下の内容を想定している.

  • クラウドサービスのエンジニアとして求められるであろうスキルセット
  • ネットワークエンジニア/インフラエンジニア自身が,現在の活動として,また今後のスキルアップのために,今何をやっているのか
  • ネットワークエンジニア/インフラエンジニア自身が,クラウドサービス全般あるいは個別技術に関して,どのような意識で捉えているのか

議論参加への背景知識として,以下の項目に対する問題意識を期待する.

  • AWS, CloudStack, OpenStackなどフルスタックを提供できるクラウドサービス台頭の結果として日本のクラウドサービス事業者が単なる再販業者になってしまう可能性はどれくらいあるのか
  • 情報セキュリティ上の手続やプライバシー確保などの要請でプライベートクラウドをあえて作らなければならない時に必要なスキルセットとは何か,そしてそれを持つエンジニアはどれくらい日本にいるのか
  • ネットワークエンジニア/インフラエンジニアとして必要なスキルセットを考えたとき,ネットワークだけではなく,セキュリティ,OS,データベース,プログラミングといった5つの要素要目に関してどの程度精通している必要があるのか
  • 今後広帯域高速になる最先端のコンピューティング環境(スーパーコンピュータや超大規模データセンターなど)に,コモディティネットワークが対応しきれなくなることが予見されているが,これに対してネットワークエンジニア/インフラエンジニアはどう取り組んでいくのか
  • かつて日本ならびに世界中で培われてきたネットワークエンジニア/インフラエンジニアの技術や文化は,今後どのように伝えられていくのか,あるいは世代ごとに断絶してしまうのか
発表者

力武 健次 (Bashoジャパン株式会社)

川上 雄也 (インターネットマルチフィード株式会社)

大久保 修一 (さくらインターネット株式会社 研究所)

森下 泰宏 (株式会社日本レジストリサービス)


公開資料
参考資料

下のページを参照頂くと「クラウド」とか「クラウドのためのネットワーク」を、なんとなくイメージ頂けるのではないかと思います。

本プログラムでは、このような「クラウド事情」を踏まえて議論を進めます。

「さくらのクラウド」を例に見るネットワーク仮想化の設計と実装

議論ログ
Q:会場からの質問
A:発表者からの回答/コメント
C:会場からのコメント

<登壇者から会場へ素朴な疑問(1)>

A: ネットワークエンジニア/インフラエンジニアという仕事に未来はありますか? いつまで今の仕事を続けたいですか? 次はどんな仕事をしてみたいですか?

A: 世の中いろいろな技術や情報がありすぎて,どこから手をつけていいかわかりません.どうすればいいですか? 技術が苦手な人はどうやって学んだらいいのでしょう?

C: 「いろんな技術」でも、基礎は変わらない。だから、あまり難しく考えない。紐張りからUI作成までやるがどれもそこそこできる。それよりも頭の使い方が重要。個々の技術の勉強の問題ではない。個々の技術はググれば出てくるから深く入り過ぎない。

C: 例えばA社と自分の会社のインフラコストの比較をやっている。A社と比較に関しての質問を受ける事もある。このような事は、エンジニアでないと適切な比較できない。会社に対するコンサルティングでエンジニアの知識が活かせる。

C: 後進に道を譲らないのは良くない。分散と集中のサイクル。基本技術は変わっていない。仮想化技術もメインフレームと基本的に変わっていない。未知のことではない。泣きながらやるしかない時はある。

<登壇者から会場へ素朴な疑問(2)>

A: クラウド時代で必要になる技術以外のスキルは何でしょう? 技術一筋の人は技術以外のことをどうやって学んでいけばいいんでしょうか?

A: 今後,どんな人達と働きたいですか? 誰なら雇いたい/雇われたい? 日本にも海外からのエンジニアが多数来ていますが,エンジニア個人として彼等とやっていくための心構えや対処の仕方は?

C: 「海外のエンジニアとどうやっていくか?」については、あまり日本人のエンジニアと変わらない。ロジックが通っているか?とか、ちゃんと仕事しているかどうか?が問題。成果が出ていれば評価される。

C: 技術一筋の人が技術以外の対応するには違う分野の人を参考にするとよいかもしれない。例えば、「運用」であれば「医療、救急病棟」が参考になった。「チェックリストの作り方」「第3者のチェック」など参考になる情報があった。違う現場で似たような課題を抱えている分野を勉強すると良い。

C: 技術以外の社会人大学院で勉強している。時間とお金がかかるが、そういう選択肢もある。

会場からのコメント4:海外のエンジニアとの対応については、素直に発言する事を心がけている。長文の英語で話すより、絵にして理解を共有する。

<登壇者から会場へ素朴な疑問(3)>

A: 電話からIPに移行するときは,どんな感じだったんでしょうか?

A: やっぱりIPv6はやらないとダメなんでしょうか?

C: 「電話からIPへ」について、アーキテクチャは電話と同じ。

C: 電話時代のオペレーションを知りたかった。そのときの方がインパクトは大きく混乱した様に思える。

A: 先輩たちはそのときそのとき、おもしろい技術を追いかけてきただけでは?クラウドへの変化は電話からIPほどのインパクトはない。

<発表者のまとめ>

川上さん: その時々に大事なテクノロジーについていく

森下さん: 生き残るのではなく,ちょっと先を考えながら生きる(「残る」のではないのがポイント)

大久保さん: 魂の続く限り理想を追求したい

力武さん:

  1. 20年単位の技術周期がある(例: 分散システム)
  2. 海外エンジニアも日本のエンジニアも技術屋ということは同じ,言葉の努力をすればわかりあえる可能性は高い
  3. 戦力外通告は,誰にでも,いつでもあり得る

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