JApan Network Operators' Group
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Literate Computing for Reproducible Infrastructure

概要

発表者らのグループでは、計算機システムの構築・運用の方法論として「Literate Computing for Reproducible Infrastructure(再構築可能なインフラのための文芸的コンピューティング、以下、LC4RI)」を提案し、プライベートクラウドの構築・運用において実践している。構築・運用作業に必要となる、自然言語による技術情報、実行コード、さまざまな状況で起こり得る複数の実行結果、を、Notebookと呼ばれる1つの文書にパッケージし、拡張したJupyterNotebook上で使用することで、実行可能な手順書を実現している。

実践の中で、構築・運用手順書の不備や自動化の弊害など、いくつかの既知の問題に対処できることが分かった。例えば、単純な自動化は、自動システムへの強い依存を生んだり、自動システムのメンテナンスに属人性を持ち込むことが多いが、Notebookベースの運用は、作業担当者が技術情報に触れる頻度が高まり、スキルトランスファーや、メンテナンスに関する情報共有に有益であり、レジリエントなチーム作りに寄与する。

本発表では、イベントにおけるWiFi環境の構築・運用を想定したデモを使って、構築・運用作業におけるLC4RIの具体例を紹介し、併せて、LC4RIの狙いやプラクティスについて解説する。インフラの操作がコード化されつつある現在、ネットワーク運用業務においても、LC4RIが有用であることを伝えたい。

発表者

長久 勝 (国立情報学研究所クラウド基盤研究開発センター)

発表資料

Literate Computing for Reproducible Infrastructure (長久、PDF)