JANOG42の第5回ニュースレターはプログラム「NTPとうるう秒」についてお届けします。
JANOG42ミーティングDay3(7月13日)のプログラムについて、発表者の九龍 真乙 (自宅ラック勉強会)さんと後藤 芳和さん(株式会社リコー)にお話を伺いました。
JANOG42ミーティング実行委員会(以下、JANOG): 応募されたきっかけは?
後藤芳和さん(以下、後藤): 2018年2月に開催されたオープンソースカンファレンスで九龍さんにお会いした際、NTPについて議論しているうちに、これをJANOGで発表したら多くの方に興味を持ってもらえるのではと思ったことが始まりです。
九龍真乙さん(以下、九龍): 前職では、社内の検証環境を設計から構築、運用まで実施していました。 共通インフラとして内部向けのDNS、メール、NTPなどのサービスを提供していたのですが、そもそもこれらのサービスに関する知識はあまりにも基盤すぎるため、構築したことのある人以外はあまり詳細まで把握していないのではと考えるようになりました。
JANOG: なるほど、確かに多くの人はサービスの利用者側ですね。
九龍: 昨今のクラウドインフラでも最低限必要となるサービスは用意されているため、自分で用意する必要無かったりしますよね。誰もが必要としているのに詳細を意識されていないサービスについて、自分なりの知見を共有したいと思ったことがきっかけです。 JANOG: どの様な発表になりそうでしょうか? 九龍: 今回は、特にNTPのうるう秒にフォーカスし、調整が実施される日時や、ベンダーやサービス事業者毎の実装の違いについて紹介したいと思います。
JANOG: 当日、議論したいポイントは? 九龍: 調整が実施される日について議論したいと思っています。現状では調整が必要となった場合、日本時間で1月1日(元旦)か7月1日に実施されることになっているのですが、以前より元旦に実施されることに疑問をいただいており、見直しはできないものかと考えていました。 調整日時については天文学会と情報処理学会との間で取り決められており、次回は2023年に開催される予定です。 今回の発表により議論が盛り上がり、国内の意見を集約するきっかけになればと思ってます。 JANOG: なるほど、世界的にコンセンサスを得る場へ提案するためには、今から議論しておく必要があるという訳ですね。後藤さん、九龍さん、ありがとうございました。
あとがき: インタビューでは、この他にも時刻関連ということで2036年問題(NTP桁あふれ)や、PTPの運用、原子時計のチップ化、そもそもインターネット上の時刻同期はどうあるべきか等、多岐に渡り興味深い話題が続出して、大変盛り上がりました。 今回は時間の都合により、テーマをNTPのうるう秒に絞った発表となりますが、当日の反響次第では時刻関連で続編が期待できるかもしれません。