JApan Network Operators' Group
JANOG43は株式会社デジタルアライアンスのホストにより開催します。

JANOG43プログラム解説

JANOG43 プログラム委員の馬淵 俊弥です。このニュースレターでは、今回のプログラムやタイムテーブルがどのように決まったのか、その一端を紹介したいと思います。

プログラムはどう選考されているか?

まずはじめに、私達JANOGスタッフが、どのようにしてプログラムを選考し、タイムテーブルを決めているのかを軽くお話したいと思います。

今回のJANOG43では、(俺たちの最強プログラム方式)と呼ばれる方法で選考しています。詳細は過去のニュースレターにもありますが、プログラム委員それぞれが「これこそ最も良いプログラム案だ」と考えた案をタイムテーブル含めて作り、そのプレゼンテーションを行ったあと、投票による多数決で1つの案をベースとして採用します。

その採用したプログラムをもとに、「あーでもない、こーでもない」さらにスタッフ内でと議論を交わした結果、プログラムタイムテーブルが完成します。

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さて、今私がニュースレーターを書いているのは、嬉しいことに私の案がベースとして採用されたからなのです。やっぱり選んでもらえると嬉しいものです。ありがたい!

採用されたこと自体もすごく嬉しいのですが、プログラムのタイムテーブルづくりは、その過程も本当に楽しいです! プログラム委員の醍醐味の1つといっていいと思います。皆さんのいろいろな思いが詰まったプログラム応募を丁寧に読むだけで、ワクワクしてきます! ぜひ皆さんもスタッフに参加して、その楽しさを味わって見て下さい! :-)

今回のプログラム採用/配置について

それでは、プログラムの内容についてお話しします。

まず、今回のJANOG43のテーマは「ZERO」であることはみなさんご存知でしょうか。「JANOGの原点に立ち返り、インターネットのための技術・運用について深く議論し、本質に迫る会合を目指したい」という思いが込められています。私は、比較的最近にJANOGを知った立場ですので、本当の原点を見ていたわけではありませんが、JANOGは「運用者が悩みを持ち寄ってそれについて深く議論する」ということについては変わっていないのだろうと思います。

ですので、まず前提として選考時には

  • 運用者が気軽にテーマを持ち寄れて、それでいて真剣に議論できる場とする
  • 一方で、求められるネットワークの技術領域の境界線がなくなりつつあるため、プログラムは可能な限り多様に採用し、多くの課題について議論したい

これら2点に重点を置いて考えました!

原点に回帰しつつ、運用者の多様なバックグランドは重視したい、という形でしょうか。結果として、応募頂いた全34プログラムは、すべて採用としています。

すでにタイムテーブルは公開されているため、見ていただいたらお分かりの通り、様々なプログラムがあると思います。是非、当日はいろいろなプログラムを「聞いて」&「議論して」&「相談して」疲れ果てて下さい!!

また、タイムテーブルに関しては

  • 長時間セッションを連結しない (疲れて集中できないので)
  • 休憩を適度に会場ごとに変えて移動しやすくする (スポンサーブースが比較的回りやすくなるかも?)

ということも考慮してあります。

そんな結果きまったプログラムはこちら! これから事前資料なども追加されるプログラムもありますので、ちょくちょくチェックしてみてください。

プログラムのみどころ

さて、今回のプログラムは「ほぼ全日程パラレル」な構成となっております。加えて、様々なジャンルがあるので、ここで軽くではありますが、プログラムのみどころ紹介をしたいと思います

Day1

初日からフルスロットルで幕をあけます。初っ端からパラレルセッションです。大ホールは「SRv6最前線」、大会議室は「0への挑戦-フラッシュ・ボーイズ-」からスタートです。

SRv6は、今まさにサービス利用がされようとしているタイミングです。このタイミングでの最新動向を掴み、嬉しいことはどういうことなのか、何が課題なのか、みなさんが思っている疑問や思いをぶつけていきましょう。

また、大会議室では、意外とJANOGでは言及されない、金融取引市場におけるネットワークの技術についてのセッションです。金融市場とネットワークとの関わりは意外と深く、金融市場で研磨された技術の恩恵を受けることはよくあることです。必見ですよ!

モダンなプロトコルへの理解を深めるのもよし、知られていない究極のハイパフォーマンスネットワークについて理解を深めるもよし、どちらも非常に面白いと思います。その後のプログラムも、それぞれ毛色は異なりながらも非常に面白く、どちらに参加すべきか私も迷っていします。

Day1はBoFも開催され、初日のセッションの熱気のまま、BoFでさらに同じ仲間と集って議論を交わしましょう!
(ちなみに、今回は「野良BoF」なる突発BoFも全日行われます。議論したい熱が高まってきたらその場で開催しちゃいましょう!)

Day2

Day2は大会議室が少し特徴的で、「自動化にまつわるセッション」を集めています。午前中は、自動化チュートリアルと、取り組む上での組織についての話、午後はその自動化にまつわる技術の話となっています。こちらの部屋に釘付けのエンジニアの方多いかも知れません!

でも、大ホールも目を離せません。大ホール1発目は「OCNネットワークアーキテクチャの変遷と将来」です。みなさんご存知ISPの知られざるネットワークの変遷とこれからの構成についてはここでしか聞けない(かも)しれません!

お昼休憩前には、「IPv4/IPv6デュアルスタックなリアルタイムP2P通信を行うオンラインゲームにおける、現在の国内/海外ネットワーク環境と、それに対する検証環境の構築手法」があり、ゲームにおけるネットワーク構成や環境の話で、キャリアやISPとはまた異なる背景のセッション、そして大ホールの最後には「LINEのネットワークをゼロから再設計した話」で大規模サービスプロバイダのLINEさんの新たなネットワークについて聞くことができます。

どちらの部屋も議論が白熱する内容ばかりです。本会議の時間だけでは足りないと心配する人もいるかもしれません。でもご安心下さい。Day2には懇親会があります! 熱はそのままに会場を移してたくさん議論して下さい!

Day3

懇親会が盛り上がりすぎても、ちゃんと朝から来て下さいね!

朝から大ホールでは「IDCフロンティア ネットワーク運用システムの課題と挑戦」という、まさに運用を「変革するための挑戦とその課題」というテーマにピッタリなセッションがあります!

大会議室では、昨今話題になりつつあるオープンな光伝送装置を中心として、光トランシーバについて議論を行う「それいけ100G! ~ かしこいトランシーバ選択 ~」です。こちらも気になって仕方ない方、聞きたいことがたくさんある方、いらっしゃるのではないでしょうか?

そしてJANOG43を締めくくるのは、「災害対応と今後」という、災害対応事例と、今後について考えるセッションです。ネットワークを運用するものとして、サービス継続の判断や想定以上の事象についてどう判断していくべきか、まさにJANOGで議論すべき内容ではないでしょうか。

是非、最後まで参加して、議論を深めていきましょう。

さいごに

プログラムの紹介はいかがでしたでしょうか! 私自身、当日のJANOGでセッションを聞くのが今から楽しみです! JANOGを通して、参加者の課題や悩みを解決していく場をつくるため、スタッフ全員が頑張って取り組んでいます。参加して、「有意義だった」「参加してよかった」と、思っていただければ幸いです!

それでは、JANOG43でお待ちしておりまーす!