JApan Network Operators' Group
JANOG45は北海道総合通信網株式会社株式会社ネクステックのホストにより開催します。

JANOG45ミーティングプログラム編成のご紹介

JANOG45プログラム委員 伊藤良哉です。先日、JANOG45プログラムが公開されました。
このニュースレターでは、JANOGプログラムがどのようなプロセスで編成されたか、その結果、決定したプログラム編成について、紹介します。

プログラム選考について

ご存知の方も多いかと思いますが、JANOG45ミーティングのプログラム選考も「俺たちの最強プログラム方式」で行っています。
少しだけ解説しますね。「俺たちの最強プログラム方式」の手順としては、

  1. プログラム委員全員がそれぞれ最も良いと思うプログラム編成案を作成する。
  2. プログラム委員ミーティングでそれぞれ作成したプログラム編成案のプレゼンテーションを実施。
  3. 1人手持ち1票で投票を実施
  4. 最も多くの票を集めたプログラム編成案をベースとして採用する。

となります。ありがたいことに今回私のプログラム編成案がベース案として採用されましたので、このニュースレターを執筆しているわけです。

俺たちの(私の)プログラム編成

さて、ここからは熟考を重ね、編成したプログラムについて解説します。

まず、私がプログラム編成案を作成するにあたり、最初に軸となる3つの方針を定めています。
・ミーティングの開始と終了をシングルセッションにする
・可能な限り多くのプログラムを採用する
・可能な限りテーマが近いものを同じ会場に集める

その結果、JANOG45ミーティングでは、開始と終了を除き、全日程マルチトラックなプログラム編成になっています。しかも、できるだけ多くのプログラムを採用した結果、3トラックの時間帯がほとんどです。同じ時間に聞きたいセッションが重なってることが多くあるかもしれません。期間限定になりますが、すべてのプログラムのアーカイブ配信を行いますので、ご安心ください。

それではDay1-Day3のプログラム編成を解説していきますね。

Day1

まずは、Day1です。最初のプログラムを飾るのは開催地である札幌の地域NOGであるTDNOGの共催プログラムです。札幌開催に思いを寄せながら地域ならではの課題に対する議論で盛り上がっちゃってください。

早速ここからは2トラックでプログラムが進行していきます。6F会場では「地域内通信基盤としてのNTT-NGN折り返し機能(仮)」、「宣言的(Declarative)ネットワーキング」というような、技術中心というよりも今後のネットワークを考えるようなプログラムを集めています。一方、3F-A会場は、「ルーティングのためのIPアドレス?」「IRRの登録漏れでセカイのインターネットから村八分にされかけたお話」「光ネットワーク トラブルシュート指南」といった、チュートリアルや失敗など学びが期待できるプログラムを集めています。初日からすでにどちらに参加するか迷ってしまいますね。

17時からはBoFです。BoFの時間はいつもの通り、たっぷり90分とっています。まだ募集は始まってませんのでどのようなBoFが開催されるかは未定です。しかし、最近のJANOGミーティングでは募集開始直後にBoFの開催数上限に達します。そんな熱い思いがあるBoF主催者と議論にぜひとも参加したくありませんか?

Day2

Day2では、朝から3トラックでプログラムが始まります。
どれを聞こうか迷ってしまう。そんな声が聞こえてきそうですね。分かります。できる限り迷いを最小限にするため、会場別に、ある程度まとまったテーマでプログラムを集めています。
3F-A会場は午前にデータプレーン実装を中心としたプログラム、午後にDNSを中心としたプログラム、3F-B会場は全日Allセキュリティプログラムとしています。6F会場は事例を中心に議論は盛り上がりそうなプログラムをバリエーション豊かに配置しました。
なお、大変好評いただいている野良BoFも今回も開催可能です。思い立ったら、即野良BoF開催といった具合に、どしどしご活用ください。

すべては紹介しきれないので、6F会場だけご紹介しますね。

6F会場の午前は、「Softbank インターネット&バックボーンネットワークの進化」をはじめとする通信事業者事例を集めています。ネットワークエンジニアたれば大規模事業者の事例って興味湧きますよね!

午後は「JANOGerとクラウドのわくわくする関係」から始まります。午前の「OCNでサーバレス導入してみたけど、通信サービスでクラウド使うのってどうなよ?」に続いて、インフラ屋とクラウドの関係をどのように考えるかといったテーマでつなげています。インフラ屋とクラウドとの関係を題材にしたプログラムは過去にもありましたが、今一度付き合い方について考え、議論してはいかがでしょうか?

その直後に控えてますのは、毎日ニュースで聞かない日はない5Gについてのプログラム「5Gの夢と現実」です。5Gが夢の技術のように連日報道される中、何ができて何ができないか、そして、ネットワークエンジニアがどのように5Gと向き合うべきか、そのような議論が盛り上がること間違いなしです。

休憩を挟み夕方からは3トラックから1トラックにプログラム進行が変わります。
この時間帯では再び事例発表を中心に編成しています。「"超"広帯域ネットワークを活用したライブTV番組制作システムへの挑戦」では、テレビ伝送がIP化となりつつある中での取り組みを紹介していただいた上で、放送業界とインターネット業界がどのように協力できるか議論したい、といった内容です。放送とIPをつなくようなプログラムになっています。放送業界に理解を深め、IPエンジニアとしてどのような協力ができるか活発な議論お待ちしてます。

最後に、Day2トリを飾るのは「急成長を支えるFastlyスケーラブル・グローバルネットワーク」です。急拡大されているFastlyがどのようなネットワーク運用をしているか皆さん興味ありますよね?大規模ネットワークを支える運用について議論をし尽くしましょう!

その後は同じ会場で懇親会です。話し尽くせなかった議論をどうぞ心ゆくまでお楽しみください。

Day3

さてさて、最終日Day3のはじまりはシングルセッションです。
お題は「ホワイトボックス伝送の動向と商用利用について」。ホワイトボックスでL1技術が使えるようになっているよという単純な紹介でなく、mixiでの導入事例もお話しいただけます。楽しみですね。

その後は再び3トラックでプログラムが進行されます。3F-A会場では運用を中心としたプログラム、3F-B会場ではインターネットガバナンスを中心としたプログラムとしています。Day2に引き続き、Day3でも野良BoFは実施可能です!

ここでもすべては紹介しきれないので、6F会場だけご紹介させてください。
6F会場では、始まりのセッションに引き続き、伝送技術のプログラム「できる 実践DCI 100Gbps編」が開催されます。午後からは「パケット処理の独自実装や高速化手法の比較と実践」でデータプレーン実装比較をご紹介した上で、LINEのXDP事例発表である「Faster SRv6 D-plane with XDP」につなぎます。ぜひともセットで聞いていただきたいです熱い内容です。

その後は、あの『プロフェッショナルIPv6』執筆者のあきみちさんによる「ネットワーク解説書の作り方 ― 著者と出版社の攻防」です。技術書展を代表とする技術同人誌販売会って盛り上がってますよね。みなさんが執筆者の立場となる機会も今後増えていくかと思いますので、有用なプログラムになること間違いなしです。

その後は休憩を挟み、いよいよプログラムも残りわずか。プログラム進行はここで、1トラックにもどります。まずは、ハッカソンWrapup。Day1で開催されるハッカソンのWinnerを皆さんで称えましょう!

そしてDay3最後のプログラムを飾るのは「携帯電話でIPv6使えてますか?」です。大手3キャリアでIPv6対応が始まってしばらくたっていますが、実態はどうなのでしょうか?その共有をしてもらった上で、モバイル事業者にIPv6対応をより進めるにはどうすればよいか、最後まで議論が白熱するのではないでしょうか?

終わりに

選定方式とプログラム編成紹介を一気に駆け抜けましたが、いかがだったでしょうか?
実はJANOG45ミーティングでは、会場制約の都合上、すべての応募プログラムを採用することはできませんでした。不採用になられた方々には、ご期待に沿えず申し訳ない気持ちでいっぱいです。
ただすべて採用できないぐらいのご応募があった結果、バリエーション豊かなプログラムとなっています。
楽しめること間違いないと思いますので、ぜひみなさん札幌にお越しください。みなさんとお会いできるのを楽しみにしております。

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最強プログラム採用記念でのガッツポーズ