ネットワークで本当の「けしからん」ことは何か?を考えるプログラム

こんにちは。企画編成委員の海野です。
JANOG47のDay1(1/27)に 「けしからん連合ネットワーク」へようこそ で登壇する、 けしからん連合ネットワークの西野さんに代表してお話を伺いました。

インターネットに関わる人達なら共通の思いがある

海野:今回応募したきっかけは何だったのでしょうか?また、今回の取り組みきっかけを教えていただけますか?

西野さん: もともと、ダークファイバーを利用したネットワークを構築している「けしからん」人達が集まり、それぞれのネットワークを相互接続して「さらにけしからんことをしよう」という研究会がありました。昨年の夏、歴史がある*とある*研究プロジェクトに呼ばれて我々の活動を発表を行ったのですが・・・、その時の研究プロジェクトの人々のレスポンスをみて、「これはJANOGerの皆さんにも聴いてもらわねば」と考え、そこでの発表者のメンバの方々とJANOGへ応募することになりました。
インターネットに関わる人達なら共通の思いを感じてもらえると確信しています。

上段:左 松本さん  (IPA/ソフトイーサ) 真ん中 登さん (IPA/ソフトイーサ) 右 高木さん (KADOKAWA Connected)
下段:左 ぬんぬんさん (かもいけネット)  真ん中 にしの だい (けしからん連合ネットワーク) 右 加藤さん (PIX-IE++)

情報交換することにより、より確信を持って進めることが出来た

海野:けしからん連合ネットワークは様々な組織が相互接続していて、今回のテーマの「open」な集まりかと思うのですが、苦労したとことや、新しい気付きはありましたか?

西野さん:苦労という意味では、これから情報をopenにしていくところです。ですので、そこでまた苦労するはず・・・、と考えています。
ネットワークを相互接続しようとすると、大事なのはラフコンセンサスとワーキングネットワークだということが、活動を通じて判ってきました。「インターネットはこうして出来上がってきたのだろう」ということを追体験しているように感じています。
また、技術的な観点では、ダークファイバの賃貸や光伝送の技術についてそれぞれで手探りでやって来たのですが、その中では技術的に難しいと感じることはなかったように、皆思っています。しかし、自分達のやってきたことがベストなのか自信がない中で、一緒に集まって情報交換することにより、より確信を持って進めることが出来るようになりました。
まさに、「NOGの役割」の再認識です。これらは新しい気づきかもしれません。

ダークファイバーを利用したネットワークは「楽しいヨ」

海野:発表で特に聞いて欲しいこと、議論したいことを教えてください

西野さん:たしかに、秘密保持契約などもあるでしょうけれど、「ダークファイバを使っているのは特定の人達で自分達は関係ない」という空気がJANOGにもあるように思います。
JANOGでも議論や情報交換を避けてきた空気があるように思います。それは、ダークファイバの特殊性だけではないと思います。
やってみて感じるのは、ダークファイバを利用したネットワークはLANとWANの境界を曖昧にしているだけで、じつは意外と技術的な難易度は高くないように思います。
ダークファイバーを利用したネットワークは、決して「怖くないヨ」ということや「楽しいヨ」をお伝えしたいです。とくに後者ですね。「楽しいヨ」と。
プロトコル的技術の観点では、BGPを大好きなJANOGerの皆さんと、新しいIXの話を一緒に議論して考えていきたいです。
現在のIXのアーキテクチャは1990年台に産み出され、それが四半世紀たった今でもそのまま使われています。当時とは、ルータの性能、そして、ルータの利用できる機能やプロトコル、という背景において当時とはまったく情況が異なるはずなのに。ですので、クリーンスレイトで(ゼロから)考えることも重要なんじゃないかと。
詳しくは、PIX-IE++の加藤さんの発表をきいていただきたいです。
技術的な内容もありますが、仲間でどうやってネットワークを運営するのか、ガバナンス的なことも大事だと考えています。これは、ぬんぬんさんと松本さんが話をしてくれるはずです。
とくに、ネットワークを新たに触る人達が、ネットワークを自由に触れない環境が増えていることは、じつは大きな課題だと私は考えています。
セッション後のディスカッションですが、テーマも多岐にわたり時間がも多くはないので、おそらく、セッション内の質疑で時間をとるのは厳しい予感がしています。
Day2(1/28)にBoF を開催しますので、そちらにも是非参加ください。

新しい仲間が新しい「けしからん」を見つけてくれるはず

海野:JANOGでの議論きっかけに新たな「けしからん」が見つかるかもしれませんね

西野さん:我々の活動には、「どんどんつないでネットワークを作りたい」と「壊して良いネットワークを作りたい」という、ある意味で矛盾する欲求が根底にあります。
それがどこから来ているのか?そして、それが何故大切なのか?について皆さんと共有できたらと考えています。
何が「けしからん」のか?ということを考えていくと、「けしからん」というのは「既存の枠組みを外れるから」ということが多いように思います。
このJANOGの議論をきっかけに新しい仲間に出会えれば、新しい仲間が、また新しい「けしからん」を見つけてくれると信じています。

海野:ありがとうございました。発表またBoFと楽しみにしています!!

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