JApan Network Operators' Group
JANOG38は株式会社オキットのホストにより開催します。

JANOG38実行委員会の解散

JANOG38実行委員長の平井 則輔です。

沖縄でのJANOG38ミーティングが終わり、ひと月が経ちました。現地やリモートでご参加いただいたみなさま、ホスト・スポンサーのみなさま、そしてスタッフのみなさま、本当にありがとうございました! 今でも感謝の気持ちでいっぱいです。なんだか随分前の出来事のような気も、昨日の出来事のような気もしますが、実行委員会としての活動も、このコラムの公開をもって終了し、JANOG38実行委員会は解散します。

それでは、実行委員会がどのような想いで活動したかを紐解きながら、JANOG38を振り返りたいと思います。

“斬”のテーマのもとに

おおよそ半年前、JANOG38実行委員会は“斬”をテーマに掲げ、“斬”新なプログラム、“斬”れ味鋭いディスカッションを実現すべく、動き出しました。“斬”の一文字に込めたのは、JANOG38をエンジニアが興奮するフィールドにするぞ! という想いでした。

  • 挑戦意欲を刺激し、成長のチャンスがあるフィールド
  • 技術的な問題や定義がオープンになり、趣味や遊びでないビジネスに繋がる真の議論がなされるフィールド

そういうものを目指しました。

また、パブリックなテーマとは別に、実行委員会の行動原理として自律分散と3つの「C」を掲げました。

  • 自律分散
  • 3つの「C
    • Challenge 挑戦; 今の自分を越えよう。挑むだけでなく、続けることも挑戦
    • Contribution 貢献; 価値を共有すること。自分のできる範囲で貢献しよう
    • Compliance コンプライアンス; 正しいことを*正しく実行*しよう

JANOG実行委員会はバックグラウンドが異なるメンバーの集まりです。また、何回もスタッフを経験しているメンバーもいれば、初スタッフというメンバーもいます。当然プロトコルやルールが必要になるわけですが、今回の実行委員会ではルールを定めるのではなく、原理原則を共有し、メンバーそれぞれの良心やアイディアを促すことでパフォーマンス向上させることを目指しました。アニメ『攻殻機動隊』の公安9課みたいな組織が理想で、「我々の間にチームプレイなどという都合のよい言い訳は存在せん。あるとすればスタンドプレーから生じるチームワークだけだ。」っていう荒巻の言葉を、JANOG38が終わった後、言えれば最高だ。そう思ったのでした。

「難しいことはわかりやすく わかりやすいことは面白く 面白いことは深く」の“深く”まで

JANOGミーティング参加される方にとって、最終的にプログラムこそはすべてだと思います。“斬”なプログラム、“斬”なディスカッションを実現すべく、実行委員長からプログラム委員メンバーに期待したことは、

  • 「難しいことはわかりやすく わかりやすいことは面白く 面白いことは深く」の“深く”まで
  • 発表者の負担を最小化し、ポテンシャルを最大化

の2点でした。JANOG38のプログラムについてはプログラム委員の馬淵さんの『最強のタイムテーブル解説』、振り返りについてはプログラム委員長の金子紘也さんのコラム『“斬”なプログラム、“斬”なディスカッション』をぜひご覧いただければと思います。結果的に、“斬”なプログラム、“斬”なディスカッションは実現できたんじゃないかと思います。

“斬”なアンケート

半年前、JANOG38実行委員会が産声を上げたばかりの頃、テーマや方針を少しずつ考え始めた頃、過去JANOGのアンケートと過去JANOG実行委員会の振り返りをありったけ、目を通しました。その中で非常に気になったのが、事後アンケートの回収率の高いとは言えない状況でした。各回おおよそ8〜15%の回答率だったので、それをどうにか30%、いや50%に上げたいと考えました。

そこで、アンケート回収率向上を企画編成委員メンバーにお願いした所、現地で参加された方はご存知の通り、チケット式のアンケートとなりました。チケット式アンケートの詳細は企画編成委員長の岡田さんのコラム『アンケート回答率を向上させるぞ!』を御覧ください。ITコミュニティなのに、アナログかよ! という思いもありましたが、結果的に約55%の回答率を達成できました。面倒くさい、混雑するなどのご意見もいただき、いろいろ考えさせられましたが、一方で、投票をしているとき、おもしろい! 参加してる感が得られた! 周りの人やスタッフと話すキッカケとなったなど、どちらかというと当初の目論見であるアンケート回収率よりも、JANOG38会場内のコミュニケーションが活発になったという別の効果が見られ、その効果が良かったなあと思いますし、何よりも非常に嬉しかったです。

JANOG38最大の挑戦: リストラ!?

“斬”のテーマのもと、JANOG38実行委員会は様々な挑戦をおこないましたが、最も大きな挑戦は、実行委員会メンバーのコンパクト化でした。JANOGも回を重ねるごとに、盛大なミーティングとなり、東京以外の開催でも参加者が定常的に500名を越えるようになりました。その分、実行委員会の負荷も増大していることが、ここ数年の課題でした。

今回、チーム編成もプログラム委員、企画編成委員の2チーム(会場設営委員は廃止し、企画編成委員にマージ)とし、実行委員会メンバーも前回比で約20%(前回: 31名、今回: 25名)少ない人数で臨みました。結果、至らぬ点も多々あったかと思いますが、ホストのオキットさんや多くの関係者に支えられ、怪我や病気で実行委員会メンバーが欠けることなく、全員でJANOG38を迎えられました。さらに、大きなトラブルもなくJANOG38を遂行できたことを本当に誇りに思います。

友情! 努力! 勝利!

JANOG38実行委員会、その一人ひとりの活躍をここに記したいのですが、書ききれないほどの活躍や、書いてしまった途端に色あせてしまう気がして、どうしても筆が進みません。どうやって終わったらよいのか、締め切りを1週間以上延期して頭を悩ませております。しかし、そろそろ時間です。JANOG39の胎動も聞こえ、ぼくらJANOG38実行委員会も解散せねばなりません。半年前、“斬”の旗印のもと、JANOG38実行委員会という船に乗り込み、ミーティングを成功させるという宝物を目指して冒険に出ました。でも、JANOG38が終わってみて、本当の宝物は一緒にこの冒険をし、その中でめぐり会った多くの絆だったということに、気づかされました。

最後に、JANOG38に関わった全てのみなさま、JANOG38実行委員会メンバーを支えてくださったそれぞれの職場のみなさま、パートナーや家族のみなさまにお礼を申し上げます。本当にありがとうございます。


それでは、JANOG38実行委員会、解散!!


JANOG38実行委員長
ソフトバンク株式会社
平井 則輔