JApan Network Operators' Group
JANOG41は株式会社インターネットイニシアティブのホストにより開催します。

JANOG41プログラム編成のご紹介

JANOG41プログラム委員の金子康行です。このニュースレターでは、今回のJANOG41のプログラムがどのようなプロセス・意図で編成されたのかについて、ご紹介したいと思います。

プログラム編成の仕組み

今回のプログラム編成は、「俺たちの最強プログラム方式」というやり方で進めました。この方式については過去のJANOG実行委員会のニュースレターでも何度か紹介されているのですが、まずプログラム委員全員がプログラム編成案を作成し、編成意図のプレゼンテーションを行なった後、委員内で投票を行います。ここで最も得票を得た編成案をベースに最終調整をして、「俺たちの最強プログラム」を作り上げる、というやり方です。

このプログラム編成を考えるというのが実際にやってみると非常に難しく、悩ましいのですが、そのぶん大いにやりがいがあり、また勉強になるプロセスで、プログラム委員をやる一つの醍醐味とも言えます。その上、自分が作った編成案が採用された時の喜びといったら!!興味があれば、ぜひプログラム委員に応募してみてください。とっても楽しいですよ!

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プログラム編成を話し合うプログラム委員の様子

俺たちの(もとは私の)最強プログラム

そんなわけで、JANOG41における「俺たちの最強プログラム」は、何を隠そう私のプログラム編成案がベースになっています(そしてこのニュースレターの執筆義務が課せられました)。私が悩みに悩んで作ったプログラム編成案、どういう意図でこうなったのか、ちょっと解説してみましょう。

今回のJANOG41ミーティングのテーマは「かきまぜる」です。様々な技術や人をかきまぜたい、バラエティ豊かなプログラムを揃え、ミーティングの場でかきまざってほしい、それを一言に凝縮したのが「かきまぜる」です。

そんな中で私がプログラムを編成するにあたって考えたのは、

  • できるだけ多くのプログラムを採用して多様性を高める
  • 会場をうまく使って興味や人の「流れ」を作る
  • 全員を一つの会場に集めて「一体感」を感じられる時間も大切にする

ということでした。さて、どんなプログラム編成になったのか?

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私のプログラム編成原案。全体調整前なので公開されているのとは少しだけ違います。

委員全員がこんな感じでタイムテーブルを作ってプレゼンして競うんですよ。

プログラム編成の意図とみどころ - Day1

Day1の出だしは、重すぎず偏りすぎず、キャッチーで多くの参加者が興味を持ちそうなプログラムで軽快にスタートしたいと思い、「俺の国際SD-WAN」と「中国雲の歩き方」を選びました。急速に存在感を高めている中国のクラウド事情、聞いてみたいですよね。

その先はパラレルセッション。「これまでのMVNO、これからのMVNEエンジニア」はモバイルの運用課題とインターネットエンジニアを取り持つプログラム、「日本でのオープンループ」はオープンソースコミュニティへの関わり方と技術のフィードバックに関するプログラム。どちらも会場との対話がカギになりそうです。

そんな対話の雰囲気を引き継いで、興味のあるテーマごとに複数開催される「BoF」の時間となり、会議終了後もいわゆる同好の士で街になだれ込みつつ、Day1の夜は更けていく……そんなイメージを描いています。

プログラム編成の意図とみどころ - Day2

Day2は、朝からずっとパラレルセッションが続きます。

一方の会場は、比較的大きな事業者のエンジニアが興味を持ちそうなプログラムをズラリと並べてみました。「データセンターでのルーティングプロトコル」「スケールアウト型MPLSバックボーンネットワーク」「ソフトバンク流ネットワークの作り方」などなど。いずれのプログラムも内容が濃くて強力ですよ!

もう一方の会場は、午前中は運用自動化・DevOps枠!、午後は初心者・地域事業者枠!としてみました。「明日からはじめるネットワーク運用自動化」に続く4本のショートプログラムは全てDevOps関連。「地域ネットワーク事業者Update」は地域ならではのチャレンジに関する話題、「初心者大歓迎! Light LightningTalk大会」はJANOG初心者にぜひとも参加してほしい企画プログラムです。

そして夕方には一つの会場に集まって、「海底ケーブルの日本への陸揚げについて、その意義と現場 - New Cross Pacific Cable Systemの事例から -」と「インターネットとグローバルプラットフォーマーの程よい関係を考える」の2本。クラウド事業者がなぜ海底ケーブルに投資を行うのか、そして世界を席巻するプラットフォーマーとの正しい付き合い方は?本会議での熱い議論を、続く懇親会までそのまま持っていって、さらに盛り上がってもらえればと思っています。

プログラム編成の意図とみどころ - Day3

あっという間の最終日。Day3は前日とは一転、あえてシングルセッションで通していきます。

前半はショートプログラムを多めに入れています。が、ショートプログラム侮るべからず!時間は短いけれど、興味深いものや尖った内容のものが多いのですよ。各プログラムの概要は事前にチェックしておいてくださいね!そして「LT」もDay3に入ります。「LT」はプログラム委員ではなく参加者の皆さんの投票によって選ばれます。今回はどんな旬の話題が入ってくるのでしょうか?楽しみですね!

Day3のラストは、「KRACKs攻撃の裏で愛(RSA influences)を叫ぶ」と「BGPと障害と運用と」の2本。今年10月に発覚したRSA鍵生成モジュールの脆弱性に関する話、今年8月に発生した経路障害に関する話、いずれも今のインターネットにおいて極めてホットな、そして大変重要なトピックスです。今回の目玉となるであろう大きなプログラムでがっちり締めくくって、盛況のうちにJANOG41が閉幕を迎えます……

最後に

いかがでしたでしょうか。ちょっとJANOG41が楽しみになったでしょうか?プログラム委員が精魂込めて作ったプログラム編成、そして発表者の皆さんが心血を注いで作ったプログラム、JANOG41が終わった後、みなさんに「面白かった!」「いいJANOGだった!」といってもらえたら、嬉しいです。

というわけで、1月24日~26日、ぜひとも広島までお越しくださいね。会場でお会いしましょう!