JApan Network Operators' Group
JANOG41は株式会社インターネットイニシアティブのホストにより開催します。

発表者コラム:地域ネットワーク事業者Update

JANOG41ミーティングDay2(1月25日)のプログラム「地域ネットワーク事業者Update」について、発表者の熊本豊さん(ミテネインターネット株式会社)に、プログラムの内容を語っていただきました。
 



こんにちは、Day2(1月25日)の午後イチのプログラムを担当させていただくミテネインターネットの熊本です。
今回は久々に地域事業者のプログラムをやろうと思ってプログラム応募させていただきました。

私が本格的に参加したJANOGは、33の別府でした。それまでなんとなく、JANOGって大手の皆さんが次の技術とか新しい製品とかそんな話をしているイメージがあって、なかなか行きづらいものがありました。当時はあんまり仲間も居ませんでしたし……
しかし、ここで発表されていたプログラムの中に、「地域(インフラ)事業者の葛藤と未来」(※1)があり、JANOGでもこうした地域にスポットを当てたプログラムができるんだという事がわかり、それから色々と自分でも発表できる材料などを探しはじめました。

※1 地域(インフラ)事業者の葛藤と未来
      https://www.janog.gr.jp/meeting/janog33/program/chiiki.html

そのプログラムの中で「地域BWAの今後」といった話題が上がりました。僕はその当時、地域Wi-Maxに絡んでいた経験があったので興味深く聞いていたのですが、その時は「ほんとにこんなのできるの?」くらいにしか思っておらず、その時はあまり自分自身よい感触を持ってなかった事を覚えています。恐らくですが、参加されていた方々にもそういった感想の方がおられたんじゃないかなと思います。

今年(2017年)に入り、久々に各地で地域BWAの話を聞きました。私はそれまで「そういえばそんなのあったなぁ」くらいにしか思っていませんでしたが聞いてみてビックリ、しっかりビジネスとしても軌道に載っていて、なにより技術的にもすごく面白い事をいろいろやっていることがわかりました。今回、アイテック阪急阪神の南村さんには、技術的に面白いトコロを凝縮して話をしてもらえたらなと考えています。

地域事業者は、同じ悩みをもちつつも、各社がいろいろなアイデアで解決して日々奮闘しています。現在PPPoEの接続をしている事業者は77(※2)あるそうですが、その半数以上の事業者は地域の事業者です。そのほとんどで、トラフィック爆発への潤沢な準備や、網終端装置の能力確保、契約者の減少による対策が十分できてはいません。今後はもっといろんな資源を地域が共有していく事が重要なのかなと思っています。100Gや海外線など、そのような敷居の高い一手などを、熊本が話をさせてもらいたいと思います。(ちなみに今回の場ではPPPoEの是非、網終端装置の増設基準への議論については、しない予定です)

※2 NGNのISP接続(PPPoEとIPoE)当面の方向性(案)(PDF)
      http://www.soumu.go.jp/main_content/000519543.pdf

各地のケーブルテレビ事業者も、PPPoEそしてIPoEへの対抗としてFTTH化への投資や4K、8K時代の映像伝送に頭を悩ませています。IPを使ってもっと地域を豊かにすること、そして都市圏と同等の品質を提供するべく、地方事業者のトラフィックエンジニアリングはこれからもっと重要になっていくと思われます。今までなんどとなく映像のマルチキャスト化は議論されてきました。こちらを地元広島のちゅピCOMふれあいの岡村さんに、現状とこれからやっていこうとしている事を共有いただきます。

そのような悩みの中で、実際にやった事、やりたい事をみなさんと共有し、少しでも解決に向かうような議論をしていきたいと思います。

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発表者の熊本さん(写真左)と南村さん
 



JANOG41の開催地である広島の事業者の方からの発表もあります。ぜひ、ご注目ください!